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システム開発のRFP実務~作成の要点、誤解、紛争予防のコツ
RFPとは
RFP(Request for Proposal/提案依頼書)とは、発注者が「こういう成果を得たい」、「この条件で提案してほしい」と伝えるための文書です。
複数の候補先(ベンダ)から提案と見積もりを集め、内容を比べて選ぶために使います。
あらかじめ目的や評価の基準を書いておくことで、誤解を減らし、選定の過程をわかりやすくできます。
(1)RFPを使う主な場面
次のような場面でRFPがよく使われます。
・新しいシステムやサービスの導入を外部に依頼したいときに、複数社の提案を公正に比べたいとき。
・既存システムの入れ替えや機能追加を行うときに、条件を整理…
2025.11.06
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SESの引き抜きは違法なのか?トラブル予防策を企業側の弁護士が解説
なぜSES業界で引き抜きが横行しているのか
様々な理由が考えられますが、現場実務を見ている執筆者が感じるのは、大まかに次の5つの理由に集約されます。
①属人化が進みやすく、「その人ごと」確保するのが最短だから
長期常駐で業務知識・暗黙知・社内関係が個人に溜まりやすく、引継ぎや採用育成よりも当該人材を迎え入れる方が即効性・確実性が高いと判断されやすいという意味です。
②多重下請けのマージン構造が、直接確保(中抜き)の動機を強めるから
上位や発注側は中間コスト・調整コストを省けるため、優秀な現場人材を自社枠に取り込みたくなるという意味です。
③契約更新サイクルが短く、乗り換えの節目が頻…
2025.11.06
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システム開発トラブルを減らす実務ガイド(ベンダ等開発事業者向け)
本記事は、システム開発の現場で起こりがちな「あるある」トラブルを、ベンダや開発PMでもすぐに使える形で整理した実務ガイドです。
各テーマは、まず具体例で状況を描き、続いて弁護士の視点から「解決策(今すぐやるべきこと)」と次回から揉めないための「再発防止策」を解説しています。
検収が終わらない修正の連鎖、納期遅延と一方的な減額、見切り着手での報酬回収、保守範囲の線引き、データ復旧や第三者への引継ぎなど、現場で直面しやすい論点を網羅しています。
現場対応に際しての一助にしてください。
契約交渉中(契約前)
(1)見切り着手・契約未了のままスタート
発注者が希望する納期に…
2025.10.30
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その指示アウトかも? アジャイル開発と偽装請負の関係を徹底解説
アジャイル開発とは?
アジャイル開発は、「小さく作って試す→学び→直す」を短いサイクルで繰り返し、途中の変更も前提にしながら成果を積み上げる開発の進め方です。代表例として「スクラム」があり、短い期間(スプリント)ごとに動くものを見せて合意し、優先順位を入れ替えながら前に進みます。
アジャイル開発の特徴は、固定仕様を前提とせず、発注側による素早い意思決定を行う体制が重要となります。このため、発注側で「プロダクトオーナー(PO)」を置き、機能の優先順位づけや受入れ判断を行う必要があります。
アジャイル開発で進める場合、発注側は、受託側に任せておけばシステム開発は進む(完成する)という意識を捨…
2025.10.14
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AI開発・利活用に関する法務対応
AI開発・利活用に関する法務対応
AI開発、利活用に関する法務対応業務を弁護士に依頼すべき理由(メリット)
AI技術が加速的に進んでいる昨今において、AI開発及び利活用は今後のビジネスを遂行する上で必須のものになると予想されています。
一方、急激なAI技術の普及のため、法制度が追いついておらず、AIの開発及び利活用を巡る法務課題は、既存の法律の組み合わせ又は解釈論によって、その場しのぎ的に対処しているのが実情です。この結果、違法・適法の判断が難しく、グレーゾーンの中でAI開発及び利活用ビジネスを取り組まざるを得ないところがあります。
このような状況下で、少しでもリスクを減らそうとするの…
2025.08.04
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その「免責条項」は本当に意味があるのか?契約リスクを左右する責任条項の考え方
その「免責条項」は本当に意味があるのか?契約リスクを左右する責任条項の考え方
現代のビジネス契約において、「免責条項」はごく当たり前のように使われています。
取引先が作った契約書にも、自社のサービス利用規約にも、こんな文言があるはずです。
「当社は一切の責任を負いません」
「損害賠償は●●円を上限とします」
「バグやトラブルが起きても補償はできません」
しかし、実は、法律の観点から見ると無効になる免責条項や、実質的に意味をなさない条項も少なくありません。
免責条項は、リスクヘッジ策として非常に強力なツールですが、書き方や使い方を誤ると、かえってトラブルの火種になることもあります。…
2025.07.24
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そのSLA、本当に機能していますか? 弁護士が教えるSLAの法的リスクと設計の勘所
そのSLA、本当に機能していますか? 弁護士が教えるSLAの法的リスクと設計の勘所
クラウド、SaaS、AIサービスがビジネスの中核にある今、
「障害が起きたとき、サービス提供者はどこまで責任を負うのか」
「SLAがあるけど、いざというとき役に立つのか」
…そんな不安を抱えたことはありませんか?
SLA(サービスレベルアグリーメント)は、単なるサービス説明書ではありません。
契約書に添付される文書である以上、サービス提供者の損害賠償責任や信頼を左右する法的拘束力のある文書になります。
特に近年、AIを活用したソフトウェアや生成系サービスにおいては、「SLAが現実と噛み合っていない…
2025.07.10
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契約書は誰が作成すべきか? 作成側・受領側が押さえたいポイントを弁護士が徹底解説!
契約書は誰が作成すべきか? 作成側・受領側が押さえたいポイントを弁護士が徹底解説!
契約書をどちらの当事者が作成するか。
一見シンプルなこの問いには、実は明確なルールが存在しません。
「雛形をもらったから」、「相手が先に送ってきたから」といった受け身の対応を続けていると、自社にとって重大なリスクを見落としてしまう可能性があります。
本記事では、契約書作成に関する実務慣行、法的な整理、そして一方当事者が契約書を作成・提示する際に押さえるべき視点を、わかりやすく解説します。
さらに、契約書を受け取った側が見落としがちなチェックポイントや、弁護士に依頼することで得られる具体的なメリットにつ…
2025.07.10
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偽装請負に該当するとどうなる? 契約形態・運用・制裁・是正策を弁護士が徹底解説
偽装請負に該当するとどうなる? 契約形態・運用・制裁・是正策を弁護士が徹底解説
1.はじめに
契約書に受託者が独立かつ裁量で業務遂行可能と定めていても、現場での運用が「指揮命令型」になっていれば、偽装請負に該当し、違法行為として処分を受けることになります。特にIT業界では、エンジニアの常駐や多重下請構造の中で、知らぬ間に偽装請負の状態に陥っている企業も少なくありません。
この記事では、偽装請負の定義や典型事例、発覚時の法的制裁、適正な契約と運用の在り方、さらには弁護士による是正支援の内容まで、実務に即した視点で徹底的に解説しています。
「自社の契約が適法か不安」、「行政指導を受けた」、…
2025.06.26
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IT取引の契約解消トラブル-無効・取消し・解除の実務対応
IT取引の契約解消トラブル-無効・取消し・解除の実務対応
はじめに
IT取引では、契約の「無効」「取消し」「解除」を巡るトラブルが、取引の大小を問わず日常的に発生しています。
契約書にサインを交わした後でも、契約が有効でなくなる場合や、契約関係を途中で打ち切らざるを得ない場面は決して珍しくありません。
本記事では、IT業界で典型的に問題となるWEB制作、システム開発、SaaS、コンテンツ制作、SES取引などを題材に、契約の無効・取消し・解除が争点となる具体的な事例を解説しています。
さらに、委託者・受託者それぞれが紛争に巻き込まれないための予防策や、もし紛争になった際の実務的な対応方…
2025.06.13
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