IT企業・インターネットビジネスの法律相談

リーガルブレスD法律事務所(大阪弁護士会所属)地下鉄本町駅より徒歩 1 分
06-4708-7988
営業時間:平日9:15〜18:00(土日応相談)

IT業界で注意したい偽装請負問題について

1.偽装請負とは

(1)定義

偽装請負とは、形式的には請負契約や準委任契約(業務委託契約)とされているにもかかわらず、その実態が労働者派遣となっているものをいいます(偽装請負という用語は、個人事業主との業務委託契約について、契約の相手方が実態上は労働者と判断される場合を含めて用いられることもあります。本記事では、主として、発注者が受託者の雇用する労働者に直接指揮命令を行い、実態が労働者派遣となっている類型を取り上げます)。

要は、委託者が受託者の個々の担当者に対し、作業等に関する直接的な指揮命令を行いたいのであれば、労働者派遣契約を締結しなければならないにもかかわらず、それが守られていないということです。

大手企業を含む製造業などを中心に2000年代に大きな社会問題となり、都道府県労働局による取締り強化、派遣法の改正、集団訴訟等による認知度向上などを通じて、一時期よりはマシになったとは言われるものの、偽装請負はまだまだ行われているのが実情です。

(2) 業務委託契約であれば偽装請負に該当しないのか

「偽装請負」という名称から、民法上の請負契約だけが問題となり、準委任契約やその他の業務委託契約であれば問題にならないと考える方もいるかもしれません。

しかし、この理解は正確ではありません。

そもそも、「業務委託契約」は民法上の特定の契約類型を示す名称ではなく、外部の事業者に業務を委託する契約の総称として用いられています。業務委託契約は、その具体的な内容に応じて、仕事の完成を目的とする請負契約や、業務の遂行を目的とする準委任契約などに分類されます。

偽装請負という場合の「請負」は、民法上の請負契約だけを意味するものではありません。準委任契約、委任契約その他の業務委託契約であっても、発注者が受託者の個々の担当者に対して直接指揮命令を行い、実態が労働者派遣となっていれば、偽装請負と判断される可能性があります。

したがって、契約書の名称を「業務委託契約書」「準委任契約書」「SES契約書」などとしておけば、偽装請負を回避できるわけではありません。契約の名称や形式ではなく、発注者と受託者の担当者との間に指揮命令関係があるか、受託者が自己の責任と裁量によって業務を処理しているかといった、実際の業務遂行状況によって判断されます。

請負契約と準委任契約では、仕事の完成義務の有無など、民法上の権利義務に違いがあります。しかし、いずれの契約であっても、発注者が受託者の担当者に対し、具体的な業務遂行方法、作業の割当て、労働時間等について直接指揮命令することができないという点は共通しています。

どのような行為が指揮命令に該当し、どのような体制を整備すれば偽装請負を防止できるかについては、以下で詳しく解説します。

(3) なぜ問題なのか

正直なところ、委託者からすれば、受託者の個々の担当者に対して直接的な指揮命令を行ったほうが、業務を管理しやすくかつ業務の効率化を図ることができます。また、受託者からしても、委託者より直接指揮命令を受けた上で業務遂行したほうが、委託者の満足度アップにつながります。

したがって、偽装請負は、委託者と受託者双方にとってメリットがあるが故に根絶することが難しいところがあります。

しかし、偽装請負を許してしまうと、雇用主としての管理責任が曖昧となってしまい、個々の担当者の健康面へのケア等が損なわれてしまいかねません。

例えば、委託者は、自ら雇用するものではない以上、受託者の個々の担当者に対し、負荷や時間のかかる業務であっても一切配慮せずに指示することが可能となります。一方、受託者は、委託者が個々の担当者に対する現場指示を行っている以上、委託者に任せっきりになってしまい、個々の担当者へのフォローを行わないようになります。

このような状況が続いた場合、個々の担当者が肉体的にも精神的にも不調を来してしまうことにもなりかねません。

以上のような事態を防止する必要があることから、偽装請負に対しては厳しい規制が課せられています。

2.IT業界で偽装請負が多い背景

上記1.で記載した通り、偽装請負に対しては厳罰で処断するというのが法のスタンスですが、IT業界、例えばシステム開発やインフラの運用や保守の現場では横行していると言わざるを得ないのが実情です。

色々と理由は考えられますが、主に次の3点が考えられます。

・成果物を完成させるに当たっては、委託者と受託者の意思疎通を十分にする必要がある。特に、プログラム制作の場合、契約類型を問わず、民事上は委託者には協力義務、受託者にはプロジェクトマネジメント義務が課せられており、積極的な意思疎通がむしろ推奨されていること(労働法視点と契約法視点との相違)。

1つのプロジェクトに対して多数の事業者が関与するため、効率的な指示命令系統が現場では求められていること(多重下請構造による業務の効率性)。

・客先常駐に代表される、委託者の管理支配下にある空間内で受託者の個々の担当者が業務遂行する環境になりやすいこと(委託者側の従事者と受託者側の従事者との混在)。

なお、近時はアジャイル開発と呼ばれる手法が用いられることも多く、ますます委託者担当者と受託者の個々の担当者同士のコミュニケーションが求められる傾向にあることから、IT業界は常に偽装請負リスクと隣り合わせという状況に陥っています。

3.偽装請負の判断基準

IT業界で偽装請負を防止するには、一般論として

  • 委託者と受託者の役割分担及び委託業務の範囲を明確にすること
  • 双方の責任者及び基本的な連絡経路を明確にすること
  • 会議、電子メール、チャット等を利用する場合のルールを定めること

が挙げられます。

ただ、これらを形式的に適用してしまうと、現場作業が回らなくなる恐れがあります。どこまでがセーフで、どのラインを超えたらアウトなのかは手探りにならざるを得ないところ、1つの参考資料となるのが厚生労働省公表の「37号告示」です。

以下では、この「37号告示」を踏まえながら、IT業界において偽装請負とならないための注意点を解説します。

(1) 判断基準

37号告示では、「一」及び「二」のいずれについても該当する場合に限り、偽装請負に該当しないとしています。

請負の形式による契約により行う業務に自己の雇用する労働者を従事させることを業として行う事業主であっても、当該事業主が当該業務の処理に関し次の各号のいずれにも該当する場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主とする。

 

一 次のイ、ロ及びハのいずれにも該当することにより自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するものであること。

イ 次のいずれにも該当することにより業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。

(1) 労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。

(2) 労働者の業務の遂行に関する評価等に係る指示その他の管理を自ら行うこと。

ロ 次のいずれにも該当することにより労働時間等に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。

(1) 労働者の始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する指示その他の管理(これらの単なる把握を除く。)を自ら行うこと。

(2) 労働者の労働時間を延長する場合又は労働者を休日に労働させる場合における指示その他の管理(これらの場合における労働時間等の単なる把握を除く。)を自ら行うこと。

ハ 次のいずれにも該当することにより企業における秩序の維持、確保等のための指示その他の管理を自ら行うものであること。

(1) 労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと。

(2) 労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。

 

二 次のイ、ロ及びハのいずれにも該当することにより請負契約により請け負つた業務を自己の業務として当該契約の相手方から独立して処理するものであること。

イ 業務の処理に要する資金につき、すべて自らの責任の下に調達し、かつ、支弁すること。

ロ 業務の処理について、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべての責任を負うこと。

ハ 次のいずれかに該当するものであつて、単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。

(1) 自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。

(2) 自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること。

 

やや長文ですが、ポイントは、「一」は受託者が自己の労働者を自ら管理しているかを判断する基準であり、「二」は受託者が事業者として発注者から独立して業務を処理しているかを判断する基準、とイメージすれば分かりやすいかと思います。

この37号告示を補完するものとして、厚生労働省より疑義応答集が公表されています。

(参考)

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)関係疑義応答集(厚生労働省)

(2)IT業界で特に留意したい事項

疑義応答集の内、IT業界で特に注意を要する事項につき、ここではピックアップします。

なお、「システム開発」については、令和8525日に厚生労働省が新たなQAを公表していることから、後述4.もご参照ください。

①管理責任者について

疑義応答集(第2集)のQA8では、受託者の個々の担当者が客先にて業務遂行している場合において、管理責任者が常駐していない場合と偽装請負との関係に関する質問につき、次のように回答しています。

請負業務を行う労働者が1人しかいない場合、当該労働者が管理責任者を兼任することはできず、当該労働者以外の管理責任者又は請負事業主が、作業の遂行に関する指示、請負労働者の管理、発注者との注文に関する交渉等を行う必要があります。しかし、当該管理責任者が業務遂行に関する指示、労働者の管理等を自ら的確に行っている場合には、多くの場合、管理責任者が発注者の事業所に常駐していないことだけをもって、直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。(以下省略)

この回答を踏まえると、客先常駐による業務遂行の場合の注意点は次の通りとなります。

・客先常駐の担当者が1名の場合、その担当者に管理責任者を兼任させることはできず、別の管理責任者または受託事業者自身が、業務遂行上の指示や労務管理等を行う必要があること

・管理責任者の常駐は必須ではないこと

 

なお、疑義応答集(第1集)のQA4では、管理責任者と作業実施者の兼任の可否に関する質問につき、次のように回答しています。

請負事業主の管理責任者は、請負事業主に代わって、請負作業場での作業の遂行に関する指示、請負労働者の管理、発注者との注文に関する交渉等の権限を有しているものですが、仮に作業者を兼任して通常は作業をしていたとしても、これらの責任も果たせるのであれば、特に問題はありません。(以下省略)

この回答を踏まえると、管理責任者が現場作業を行うこと自体は禁止されていないということになります。したがって、上記疑義応答集(第2集)のQA8と合わせて考えると、注意点は次の通りとなります。

・客先に複数の担当者が配置されている場合、管理責任者としての職務を的確に遂行できるのであれば、現場作業を兼務することも可能であること

②発注者からの情報提供等

疑義応答集(第2集)のQA1では、委託者の都合(スケジュール)確認を要する業務の遂行につき、受託者の個々の担当者より問い合わせがあった場合の対応の可否に関する質問につき、次のように回答しています。

請負(委任及び準委任を含みます。以下同じ。)の業務では、請負事業主が自ら業務の遂行方法に関する指示を行う必要があります。ただし、例えば、通信回線導入の営業業務を行う請負労働者から、請負業務に必要な範囲で、工事スケジュールについての問い合わせを受け、発注者が情報提供することに限られるのであれば、それ自体は発注者からの指揮命令に該当するとは言えないため、直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。

一方、発注者が、工事スケジュールの情報提供に加えて、顧客への営業上の対応方針等を請負労働者に直接指示している場合は、労働者派遣事業と判断されることとなります。

委託者が個々の担当者に対して、どこまで情報提供してよいのか、現場実務では悩むことが多いのですが、この回答を踏まえると、注意点は次の通りとなります。

・受託者による業務遂行方法それ自体に対して、委託者が口出しする場合は偽装請負に該当すること

・受託者による業務遂行を行う上で必要不可欠な委託者側保有の情報提供にとどまるのであれば、偽装請負に該当しないこと

 

ただ、業務遂行方法に対する指示なのか、単なる情報提供にすぎないのか、その判断は難しいところがあります。

この点の具体例について、疑義応答集(第1集)のQA7では作業工程の指示に関する質問に対し、次の通り回答しています。

(省略)発注者が請負業務の作業工程に関して、仕事の順序・方法等の指示を行ったり、請負労働者の配置、請負労働者一人ひとりへの仕事の割付等を決定したりすることは、請負事業主が自ら業務の遂行に関する指示その他の管理を行っていないので、偽装請負と判断されることになります。

また、こうした指示は口頭に限らず、発注者が作業の内容、順序、方法等に関して文書等で詳細に示し、そのとおりに請負事業主が作業を行っている場合も、発注者による指示その他の管理を行わせていると判断され、偽装請負と判断されることになります。

例えば、委託者施設内での常駐型のインフラの運用保守業務の場合、委託者より作業の順序・方法等について要望が提示されることが通常ですが、委託者が一切要望を伝えてはならないという趣旨ではありません。

あくまでも、受託者が、何も考えず・判断せず、委託者の言われるがまま作業を行っているにすぎないという状態であれば、偽装請負になるという当然のことを指摘している回答となります。

したがって、これらの回答を踏まえると、注意点は次の通りとなります。

・委託者の要望を踏まえ、受託者において独自に考案した作業手順書等を作成し、実施するのであれば、偽装請負には該当しないこと

 

ところで、作業を行っている受託者の個々の担当者においてやり方が分からず右往左往しているにもかかわらず、委託者による情報提供が一切できないとなると、業務に支障を来すことがあります。とはいえ、委託者が、管理責任者を飛び越えて受託者の個々の担当者に対して情報提供することは、偽装請負であることを強く推認させる事情にもなりかねません。

この点、疑義応答集(第1集)のQA10及びQA11では技術指導という名の下での情報提供に関する質問について、次の通り回答しています。

A10】(省略)発注者が、労働者に対して技術指導等を行うことはできませんが、一般的には、発注者が請負労働者に対して行う技術指導等とされるもののうち次の例に該当するものについては、当該行為が行われたことをもって、偽装請負と判断されるものではありません。

[例ア]請負事業主が、発注者から新たな設備を借り受けた後初めて使用する場合、借り受けている設備に発注者による改修が加えられた後初めて使用する場合等において、請負事業主による業務処理の開始に先立って、当該設備の貸主としての立場にある発注者が、借り手としての立場にある請負事業主に対して、当該設備の操作方法等について説明を行う際に、請負事業主の監督の下で労働者に当該説明(操作方法等の理解に特に必要となる実習を含みます)を受けさせる場合のもの

[例イ]新製品の製造着手時において、発注者が、請負事業主に対して、請負契約の内容である仕様等について補足的な説明を行う際に、請負事業主の監督の下で労働者に当該説明(資料等を用いて行う説明のみでは十分な仕様等の理解が困難な場合に特に必要となる実習を含みます)を受けさせる場合のもの(以下省略)

 

A11】請負業務の内容等については日常的に軽微な変更が発生することも予想されますが、その場合に直接発注者から請負労働者に対して変更指示をすることは偽装請負にあたります。一方、発注者から請負事業主に対して、変更に関する説明、指示等が行われていれば、特に問題はありません。ただし、新しい製品の製造や、新しい機械の導入により、従来どおりの作業方法等では処理ができない場合で、発注者から請負事業主に対しての説明、指示等だけでは処理できないときには、Q10[例ア]又は[例イ]に準じて、変更に際して、発注者による技術指導を受けることは、特に問題ありません。

例えば、一定規模以上のプログラム制作の場合、委託者からのUIや機能などの変更要望などが頻繁に出されたりします。ただ、これらの変更要望は、当初策定した業務とは異なるものであり、本来的には受託者が応じなければならない事項ではない以上、管理責任者を通じて要望を伝え、委託者の責任者と受託者の責任者とで協議するというのが鉄則となります。

一方、例えば、受託者が制作するプログラムにつき委託者が保有する別のシステムとの連携を前提にしている場合、その別のシステムが存在する場所において、作業に従事する個々の担当者がその仕様や内部構成等につき委託者より説明を受けないことには業務遂行に支障を来します。このような現場実情を踏まえ、一定の場合に限り、委託者は受託者の個々の担当者に対して、情報提供することができるということを明らかにしたのがQA10及びQA11の回答と考えられます。

したがって、これらの回答を踏まえると、注意点は次の通りとなります。

・委託者が受託者の個々の担当者に対して、直接情報提供することは原則NGと考えたほうが無難であること

・業務を遂行する上で必要不可欠な情報であり、かつ現場で実施しなければ教育効果が薄いと考えられるものにつき、一時的に個々の担当者に対して直接の技術指導(情報提供)を行うことは、例外的に許される場合があること

 

受託者の個々の担当者への直接連絡につき上記のように整理した場合ですが、委託者と受託者の管理責任者との協議の場に受託者の個々の担当者が同席していた場合において、委託者より受託者への情報提供があった場合に受託者の個々の担当者への直接的な指示と評価されてしまうのか気になるところです。あるいは、電子メールであれば管理責任者宛のメールにccで受託者の個々の担当者を含めて情報提供する場合や、ビジネスチャットやLINE等で管理責任者と受託者の個々の担当者の両名が所属するグループ内に委託者が投稿した場合、偽装請負に該当するのか気になるところです。

この点、疑義応答集(第2集)のQA9及びQA10では、次のような回答を行っています。

A9】発注者・請負事業主間の打ち合わせ等に、請負事業主の管理責任者だけでなく、管理責任者自身の判断で請負労働者が同席しても、それのみをもって直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。

ただし、打ち合わせ等の際、作業の順序や従業員への割振り等の詳細な指示が行われたり、発注者から作業方針の変更が日常的に指示されたりして、請負事業主自らが業務の遂行方法に関する指示を行っていると認められない場合は、労働者派遣事業と判断されることになります。

 

A10】発注者から請負事業主への依頼メールを、管理責任者の了解の下、請負労働者に併せて送付したことのみをもって、直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。

ただし、メールの内容が実質的に作業の順序や従業員への割振り等の詳細な指示が含まれるものであったり、作業方針の変更が日常的に指示されたり、あるいは発注者から請負労働者に直接返信を求めている場合など、請負事業主自らが業務の遂行方法に関する指示を行っていると認められない場合は、労働者派遣事業と判断されることになります。(以下省略)

 

要は、会議に同席するだけや電子メール等で同時送信するだけでは、直ちに偽装請負と判断されるわけではないということです。

ただ、受託者の個々の担当者が委託者に対し、直接応答しなければならない内容である場合は、偽装請負と判断される可能性が高くなります。

この回答を踏まえると、注意点は次の通りとなります。

・会議への同席や電子的手段により同時送信する場合であっても、受託者の個々の担当者が応答せざるを得ない内容であれば、偽装請負と判断される可能性が高まること

・委託者が提供する情報内容が、受託者による作業遂行の裁量性を否定するものであれば、偽装請負と判断されること(なお、上記で記載した疑義応答集(第2集)のQA1及び疑義応答集(第1集)のQA7への回答も参照)

③技能確認

疑義応答集(第2集)のQA13では、委託者が受託者の個々の担当者の技能を確認することの可否に関する質問につき、次のように回答しています。

(省略)発注者が請負労働者の職務経歴書を求めたり事前面談を行ったりする場合は、一般的には当該行為が請負労働者の配置決定に影響を与えるので、労働者派遣事業又は労働者供給事業と判断されることがあります。特に、職務経歴書の提出や事前面談の結果、発注者が特定の者を指名して業務に従事させたり、特定の者について就業を拒否したりする場合は、発注者が請負労働者の配置等の決定及び変更に関与していると判断されることになります。(省略)

これ自体は当然の結論であり、特に疑義が生じるものではないかと思います。

ただ、委託者としては、スムーズに業務を進めることができるよう、特定の技能や能力を保有している担当者を希望することは当然あり得ることだと思います。

したがって、この回答を踏まえると、注意点は次の通りとなります。

・委託者が希望する技能や能力を受託者に伝える場合、属人的なものとならないようにすること(事実上特定の個人を指名するような要望は行わないこと)

④料金体系

疑義応答集(第2集)のQA7では、労働者の人数や労働時間に比例する料金体系と偽装請負の関係性に関する質問について、次のように回答しています。

…(省略)マネキンを含め、販売、サービス又は保安等、「仕事を完成させ目的物を引き渡す」形態ではない請負業務では、当該請負業務の性格により、請負業務を実施する日時、場所、標準的な必要人数等を指定して発注したり、労働者の人数や労働時間に比例する形で料金決定したりすることに合理的な理由がある場合もあります。このような場合には、契約・精算の形態のみによって発注者が請負労働者の配置決定に関与しているとは言えず、労働者派遣事業又は労働者供給事業と直ちに判断されることはありません。(省略)

一時期、労働者の人数や労働時間に比例する料金体系を定めるだけで、労働基準監督署より偽装請負と指摘されることがあったのですが、この回答が公にされたことで、IT業界で多い料金体系である人日人月であっても、それだけで偽装請負と指摘されるリスクは低減されました。

ただ、上記回答は準委任契約に限定したものであり、プログラム制作、システム開発等の成果物の完成が目的となる請負契約を念頭に置いたものではないことに注意を要します。また、この回答が公表されたとはいえ、形式的な労働者の人数や労働時間に比例する料金体系は「単に肉体的な労働力を提供する」と評価される可能性は残っています(上記回答でも、料金体系の合理性を要求されているところです)。

この回答を踏まえると、注意点は次の通りとなります。

・労働者の人数や労働時間に比例する料金体系を採用する場合、準委任契約であることを前提に、専門的技術や経験を有する業務でありかつ作業時間が重要な算定要素を占めること等(合理性の裏付け)を説明できるようにすること

⑤専門的な技術・経験に基づく業務処理

疑義応答集(第2集)のQA14では、「自己の有する専門的な技術・経験に基づく業務処理」の例としては、次のように回答しています。

デパートや美術館などの受付案内業務のように、「仕事を完成させ目的物を引き渡す」形態ではない請負業務は、のような自己負担すべき設備や材料等がなく、に該当する場合もあると考えられます。これに関しては、例えば、様々な場所の受付における来客対応、案内の方法、様々な客層に対する接遇手法やトラブル発生時の対応等のノウハウを蓄積し、これを基に業務対応マニュアル等を自ら作成した上で、労働者に対する教育訓練を自ら実施し、かつ、当該業務が的確に行われるよう自ら遂行状況の管理を行っているような場合は、請負事業主が自らの企画又は専門的技術・経験に基づいて業務処理を行っていると判断できます。

一方、例えば、発注者から、来客への対応マナーや応答ぶり等をすべて事前に文書等で詳細な指示を受けており、トラブルが発生した場合にはその都度発注者に対応方針の指示を仰ぐこととされているなど、契約上の業務内容に請負事業主の裁量の余地がない場合は、単なる労働力の提供と認められ、労働者派遣事業と判断される可能性が高まります。

上記はあくまでも受付業務に関するものですが、IT業界の場合、例えば現場常駐型の保守業務などは、自己負担すべき設備や材料等が想定されず、「自己の有する専門的な技術・経験に基づく業務処理」への該当性が問題となります。

この点、一般的には、保守業務はプログラム等の専門知識を必要とし、不具合が発生した場合の原因究明には高度な経験則を要求され、正常稼働に戻すには特有の技術力を有するものであることからすると、「自己の有する専門的な技術・経験に基づく業務処理」に該当することはほぼ間違いないと考えられます。もっとも、保守業務とはいえ、単なる定点観測を行うにすぎず、何かあれば委託者に報告を行うにすぎないといったものであれば、偽装請負に該当する可能性は生じると考えられます。

この回答を踏まえると、注意点は次の通りとなります。

・「自己の有する専門的な技術・経験に基づく業務処理」とは、受託者の裁量判断による業務遂行が認められていることが前提となること

4.システム開発と偽装請負-アジャイル型開発を中心に

もともと厚生労働省が公表していた疑義応答集(第3集)は、アジャイル開発を念頭にしたものでした。

ところが、令和8525日にQA8が追加され、「アジャイル型開発以外のシステム開発を請負業務とする場合」も疑義応答集(第3集)QA1からQA7が適用される旨明記されました。

ただ、次の(1)の前提条件を満たすシステム開発に限定されること、注意を要します。

(1)基本的な考え方

疑義応答集(第3集)のQA2では、基本的な考え方・発想法として次のような回答が行われています。

キーワードは「対等性」と「自律性」です。

…(省略)発注者側と受注者側の開発関係者が相互に密に連携し、随時、情報の共有や、システム開発に関する技術的な助言・提案を行っていたとしても、実態として、発注者と受注者の関係者が対等な関係の下で協働し、受注者側の開発担当者が自律的に判断して開発業務を行っていると認められる場合であれば、偽装請負と判断されるものではありません。(省略)

(2)従来までの考え方との比較対照

①管理責任者について

疑義応答集(第3集)のQA3では、次のような回答が行われています。

…(省略)両者が対等な関係の下で協働し、受注者側の開発担当者が自律的に開発業務を進めている限りにおいては、受注者側の管理責任者が会議や打ち合わせに同席していない場合があるからといって、それだけをもって直ちに偽装請負と判断されるわけではありません。(省略)

この回答は、管理責任者がすべての会議や打ち合わせに同席しているかだけで判断するのではなく、受注者側が必要な指揮命令を自ら行う体制が実際に確保されているかが重要であることを示しています。

②現場担当者への情報提供等

疑義応答集(第3集)のQA4では、次のような回答が行われています。

…(省略)両者が対等な関係の下で協働し、受注者側の開発担当者が自律的に開発業務を進めている限りにおいては、そのプロセスにおいて、発注者側の開発責任者が受注者側の開発担当者に対し、その開発業務の前提となるプロダクトバックログの内容についての詳細の説明や、開発業務に必要な開発の要件を明確にするための情報提供を行ったからといって、それだけをもって直ちに偽装請負と判断されるわけではありません。(省略)

この回答は、発注者が受注者側の担当者に対して直接情報提供を行ったという形式だけで判断するのではなく、その内容が開発要件等の説明にとどまるのか、具体的な業務遂行方法や労働時間等に関する指示に及んでいるのかを区別する必要があることを示しています。

③現場担当者への指導

疑義応答集(第3集)のQA5では、次のような回答が行われています。

…(省略)実態として、両者間において、対等な関係の下でシステム開発に関する技術的な議論や助言・提案が行われ、受注者側の開発担当者が自律的に開発業務を進めているのであれば、偽装請負と判断されるものではありません。(省略)

この回答は、発注者と受注者側の担当者との間で技術的な議論や助言・提案が行われたことだけで、直ちに偽装請負となるわけではないことを示しています。重要なのは、両者が対等な立場で議論しているか、受注者側の担当者が自律的に開発方法を判断しているか、それとも発注者が実質的に業務遂行方法等を指示しているかという点です。

④打ち合わせへの参加

疑義応答集(第3集)のQA6では、次のような回答が行われています。

…(省略)会議や打ち合わせ、あるいは、電子メールやチャットツール、プロジェクト管理ツール等の利用において、発注者側と受注者側の双方の関係者が全員参加している場合であっても、それらの場面において、実態として、両者が対等な関係の下で情報の共有や助言・提案が行われ、受注者側の開発担当者が自律的に開発業務を進めているのであれば、偽装請負と判断されるものではありません。(省略)

この回答は、会議、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール等に双方の担当者が参加していることだけで偽装請負となるわけではなく、そこで行われているやり取りの内容が指揮命令に当たるかが重要であることを示しています。

⑤技能確認

疑義応答集(第3集)のQA7では、次のような回答が行われています。

…(省略)発注者が特定の者を指名して業務に従事させたり、特定の者について就業を拒否したりする場合は、発注者が受注者の労働者の配置等の決定及び変更に関与していると判断されることになり、適正な請負等とは認められません。

他方で、アジャイル型開発において、受注者側の技術力を判断する一環として、発注者が受注者に対し、受注者が雇用する技術者のシステム開発に関する技術・技能レベルと当該技術・技能に係る経験年数等を記載したいわゆる「スキルシート」の提出を求めたとしても、それが個人を特定できるものではなく、発注者がそれによって個々の労働者を指名したり特定の者の就業を拒否したりできるものでなければ、発注者が受注者の労働者の配置等の決定及び変更に関与しているとまではいえないため、「スキルシート」の提出を求めたからといって直ちに偽装請負と判断されるわけではありません。

この回答は、スキルシートの提出を求めること自体ではなく、スキルシートによって個人を特定し、発注者が特定の担当者を指名又は排除できる状態になっているかが重要であることを示しています。個人を特定できない形で受注者側の技術力を確認するにとどまる場合には、直ちに担当者の配置決定への関与とは評価されません。

なお、アジャイル開発と偽装請負との関係については、次の記事もご参照ください。

(参考)

その指示アウトかも? アジャイル開発と偽装請負の関係を徹底解説  

5.偽装請負の罰則

委託者と受託者との取引実情が偽装請負と判断された場合、例えば次のようなペナルティが課せられることになります。

【委託者】

・都道府県労働局による調査、指導等の対象となる可能性がある

・違反の内容によっては、勧告や企業名の公表等の対象となる可能性がある

・労働者派遣法等の適用を免れる目的で偽装請負等を行った場合には、労働契約申込みみなし制度の対象となる可能性がある(労働契約申込みみなし制度とは、一定の条件を満たす偽装請負を行った委託者は、受託者の個々の担当者に対して、直接の労働契約を締結するよう申込んだものとして取り扱われる制度のことをいいます。個々の担当者が当該申込みを承諾すれば、委託者と個々の担当者との間で労働契約が成立することになります)

・助成金の申請が困難となる(支給除外事由に該当することが多いため)

【受託者】

・実態が労働者派遣であるにもかかわらず、許可を受けずに労働者派遣事業を行った場合には、刑事罰の対象となる可能性がある

・行政機関による調査、指導等への対応が必要となる

・労働契約申込みみなし制度が適用され、担当者が委託者からの申込みを承諾した場合には、人材が流出する可能性がある

・助成金の申請が困難となる(支給除外事由に該当することが多いため)

6.偽装請負を防止するための実務対応

前述のとおり、偽装請負に該当するかは、契約書の名称や記載内容だけではなく、実際の業務遂行状況に基づいて判断されます。

このため、契約書に直接指揮命令を禁止する条項を定めるだけでは、十分な対策とはいえません。委託する業務の内容、双方の役割分担、責任者及び連絡経路を明確にした上で、契約内容と現場での運用を一致させる必要があります。

また、契約締結時には適切な体制が整えられていたとしても、プロジェクトの遅延、障害の発生、仕様変更、担当者の交代等をきっかけとして、委託者から受託者の担当者への直接的な指示が増加することがあります。

したがって、契約開始後も、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール、会議記録等を定期的に確認し、契約内容と実際の運用に乖離が生じていないかを点検することが重要です。問題となり得る運用が確認された場合には、責任者、連絡経路、業務の進め方等を速やかに見直す必要があります。

さらに、業務の性質上、委託者が受託者の個々の担当者に対して、日常的かつ具体的に作業方法を指示する必要がある場合には、業務委託契約として運用すること自体に無理がある可能性があります。このような場合には、契約書上だけ直接指揮命令を禁止するのではなく、労働者派遣契約の利用を含め、契約形態自体を見直す必要があります。

個別の行為が偽装請負と判断されるかについては、前記3.及び4.で解説した判断基準を参照してください。以下では、契約締結時及び契約開始後に確認しておきたい事項を、チェックリストとして整理します。

契約締結時・業務開始時のチェックリスト

□ 委託する業務の内容及び範囲が具体的に定められている

□ 委託者と受託者の役割及び責任範囲が明確になっている

□ 委託者側及び受託者側の責任者が定められている

□ 通常の業務依頼、仕様変更、追加作業及び緊急連絡の方法が定められている

□ 具体的な作業方法、作業手順及び作業の優先順位を受託者が決定する仕組みになっている

□ 個々の担当者への作業の割当てを受託者が決定する仕組みになっている

□ 担当者の選定、配置及び交代を受託者が決定できる

□ 始業・終業、休憩、休日、休暇等を受託者が管理することが明確になっている

□ 委託者が受託者の個々の担当者を直接評価する仕組みになっていない

□ 委託者による日常的かつ具体的な直接指揮命令を前提とする業務内容になっていない

契約開始後のチェックリスト

□ 委託者が個々の担当者に対して、作業の順序、方法又は優先順位を直接決定していない

□ 個々の担当者への作業の割当てを受託者が行っている

□ 委託者が担当者の出退勤、休憩、休日、休暇等を直接管理していない

□ 委託者が特定の担当者を指名し、又は特定の担当者の交代を直接求めていない

□ 委託者が担当者の技術、経験等に関する条件を示す場合、特定の個人の指名又は排除につながる運用になっていない

□ 会議、電子メール、チャット又はプロジェクト管理ツールが、個々の担当者に対する詳細な作業指示の手段になっていない

□ 委託者と受託者の担当者間で情報共有、要件説明又は技術的な助言・提案が行われる場合でも、委託者が具体的な作業方法、作業の割当て又は労働時間を直接決定する運用になっていない

□ 受託者が自らの専門的知識及び経験に基づき、具体的な業務遂行方法を判断している

□ 仕様変更及び追加作業が、あらかじめ定めた責任者及び手続を通じて処理されている

□ 障害対応、納期の遅延その他の事情を理由として、委託者による直接指示が常態化していない

□ 契約書に定めた役割分担と実際の業務遂行状況が一致している

□ 電子メール、チャット、会議記録等を定期的に確認する体制が設けられている

□ 問題となり得る運用が確認された場合に、責任者、連絡経路、業務の進め方等を速やかに是正できる

□ 委託者による直接指揮命令が業務上不可欠となっている場合に、契約形態の見直しを検討している

③注意事項

上記のいずれかの項目に該当しないことだけで、直ちに偽装請負と判断されるわけではありません。反対に、形式的にすべての項目を満たしていても、実際には委託者が受託者の担当者を直接指揮命令している場合には、偽装請負と判断される可能性があります。

チェックリストは、個々の項目のみで適法性を判定するためのものではなく、契約内容、業務実施体制及び現場での運用を総合的に点検するためのものとして利用する必要があります。

7.弁護士に相談するべきタイミング

偽装請負に該当するかは、契約書の記載だけではなく、実際の指示内容、連絡方法、担当者の管理状況等を踏まえて判断されます。このため、契約書だけを確認しても、現場で行われている運用上の問題を発見できない場合があります。

特に、次のような場合には、弁護士への相談を検討することが望ましいと考えられます。

・客先常駐型の業務を新たに開始した、又は契約を更新する場合

・委託者から受託者の担当者への直接連絡や作業依頼が日常的に行われている場合

・プロジェクトの遅延、障害対応、仕様変更等により、当初予定していた指示系統が維持できなくなっている場合

・スキルシートの提出や事前面談、担当者の交代要求等の取扱いに疑問がある場合

・社内のチェックリストで問題となり得る項目が確認されたものの、具体的な改善方法が分からない場合

・行政機関から調査、資料提出その他の対応を求められた場合

偽装請負の問題は、行政機関から指摘を受けた後に契約書だけを修正しても、既に行われた業務の実態を変更できるものではありません。また、連絡方法や指示系統を急に変更すると、プロジェクトの進行に支障を来すこともあります。

そのため、問題が顕在化してから対応するのではなく、契約締結前又は現場運用に疑問が生じた段階で、契約内容と実際の業務遂行状況を併せて確認することが重要です。

弁護士に相談する際には、契約書だけでなく、業務の実施体制、責任者の役割、会議の運営方法、電子メールやチャットによる連絡状況等を伝えることで、現場の業務を継続しながら実行可能な改善策を検討しやすくなります。

8.当事務所のサポート

ご相談内容やご希望に応じて、「法律相談サービス」「スポットサービス」「法律顧問サービス」をご利用いただけます。

(1) 法律相談サービス

リーガルブレスD法律事務所では、IT企業における業務委託契約、SES契約、システム開発契約等について、偽装請負に該当するリスクの確認及び改善に関するサポートを行っています。

偽装請負に該当するかは、契約書に直接指揮命令を禁止する条項があるかだけでなく、実際の業務内容、責任者の役割、担当者間の連絡方法、作業の割当て、労働時間の管理等を踏まえて判断されます。

このため、ご相談に際しては、基本契約書や個別契約書だけでなく、必要に応じて、業務実施体制図、作業手順書、会議の運営方法、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール上のやり取り等を確認し、次の点を整理します。

・契約書の内容と実際の業務運用との整合性

・委託者と受託者との役割分担

・責任者及び担当者間の連絡経路

・直接指揮命令と評価される可能性のある運用

・現場業務を継続しながら実施可能な改善策

・業務委託契約を継続すべきか、契約形態を見直すべきか

新たに客先常駐型の業務を開始する場合、現在の現場運用に問題がないか確認したい場合、又は行政機関から偽装請負に関する指摘や調査を受けた場合には、当事務所にご相談ください。

ご相談内容例

・新たにSES契約又は客先常駐型の業務委託契約を締結する予定であるため、契約書の内容や管理責任者、指示系統等に問題がないか確認したい

・委託者と受託者の担当者が、会議、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール等で日常的に直接やり取りしており、現在の運用が偽装請負に該当しないか確認したい

・行政機関から業務委託の実態について説明や資料提出を求められたため、偽装請負に該当する可能性、提出資料及び今後の対応方針について相談したい

サポート内容例

・基本契約書、個別契約書、業務仕様書等を確認し、業務内容、役割分担、管理責任者、連絡経路、担当者の配置及び労務管理に関する条項を検討した上で、修正方針を提示します

・会議の運営方法、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール上のやり取り等を確認し、情報提供や要望の提示と、直接指揮命令と評価される可能性のある行為とを整理した上で、現場で実施可能な運用改善策を提案します

・契約書、業務実施体制、指示及び連絡の記録等を確認し、問題となり得る事実関係、追加で確認すべき事項、行政機関に対する説明方針及び提出資料を整理し、必要に応じて行政対応を支援します

相談者が得られるメリット

・契約書だけでなく、実際の現場運用を含めて偽装請負リスクを確認しやすくなる

・問題となり得る指示や連絡と、業務上必要な情報提供や協議とを区別しやすくなる

・現場業務への影響を抑えながら、責任者、連絡経路及び業務の進め方を見直しやすくなる

・発注者と受託者との役割分担を明確にし、契約内容と現場運用の不一致を防ぎやすくなる

・業務委託契約を継続するか、労働者派遣契約を含む別の契約形態へ変更するかを判断しやすくなる

・行政機関から調査や資料提出を求められた場合に、確認すべき事実及び対応の優先順位を整理しやすくなる

弁護士費用

1回(90分以内)15,000円(税別)

実施方法

ご予約(お問い合わせフォーム又はお電話にて日程調整)

事前準備(関係資料を共有いただきます)

相談実施(オンライン又は対面)

対応方針の提示(法的な問題点、追加で確認すべき事項及び今後の対応方針を具体的にご提示)

別途サービスのご案内(ご希望に応じて、別途契約の上、書面作成、交渉代理、訴訟対応または継続支援に移行します)

ご相談はこちら>>

(2) スポットサービス(個別案件対応)

偽装請負について、特定の取引やプロジェクトを対象として契約書の作成・修正、業務実施体制の点検、運用ルールや報告書の作成まで依頼したい場合には、スポットサービスをご利用いただけます。

法律相談サービスが、相談時間内で偽装請負に該当する可能性や対応の方向性を整理するものであるのに対し、スポットサービスでは、対象となる契約、プロジェクト又は問題となっている運用を特定し、関係資料を確認した上で、契約書その他の具体的な成果物の作成・レビューまで対応します。

偽装請負を防止するためには、契約書に直接指揮命令を禁止する条項を定めるだけでは十分ではありません。委託業務の内容、双方の役割分担、管理責任者、連絡経路、仕様変更の手続等を契約書に反映するとともに、会議、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール等の実際の運用と整合させる必要があります。

スポットサービスでは、対象となる案件の契約内容と業務実態を確認し、問題となり得る事項を整理した上で、その案件に必要な契約書、運用ルール、調査報告書その他の書面を作成します。

例えば、次のようなご依頼に対応しています。

・新たに開始するSES、客先常駐、システム開発又は保守運用案件について、基本契約書、個別契約書、業務仕様書等を一式で作成又は修正する

・特定のプロジェクトについて、管理責任者、指示系統、会議、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール等の運用を確認し、連絡・指示に関する運用ルールや社内マニュアルを作成する

・既に進行しているプロジェクトについて、契約書、体制図、メール、チャット、会議記録等を確認し、偽装請負リスクと改善事項を整理した調査報告書又は意見書を作成する

・委託者から受託者の担当者への直接指示が常態化している案件について、責任者、連絡経路、作業の割当て、仕様変更手続等を見直し、契約書及び運用ルールを修正する

・取引先から管理体制や偽装請負への対応について説明を求められた場合に、業務実施体制、役割分担及び改善策を記載した説明書又は回答書を作成する

・行政機関から業務委託の実態に関する資料提出や説明を求められた場合に、事実関係を整理し、提出資料、説明書、回答書等を作成又はレビューする

・業務委託契約による運用を継続することが難しい案件について、労働者派遣契約その他の契約形態への変更を検討し、必要となる契約書や移行手順を整理する

ご依頼内容を簡単にお伺いした上で、対象となる契約又はプロジェクト、確認する資料、作成又は修正する書面、対応範囲、納期及び費用を整理し、お見積書をご提示します。

特定案件の契約書を整備したい場合、現場の連絡・指示方法を運用ルールとして明文化したい場合、既存案件の偽装請負リスクを調査報告書として整理したい場合、又は取引先・行政機関に提出する説明書や回答書を作成したい場合は、リーガルブレスD法律事務所までお問い合わせください。

 

スポット相談の詳細はこちら>>

(3) 法律顧問サービス(顧問弁護士サービス)のご案内

偽装請負を防止するためには、業務委託契約やSES契約を締結する際に契約書を確認するだけでは十分ではありません。契約締結時には適切な内容となっていても、プロジェクトの進行、担当者の交代、仕様変更、障害対応等をきっかけとして、委託者から受託者の担当者への直接的な指示が増え、契約内容と現場での運用が次第に乖離することがあります。

また、取引先、業務内容、開発手法、連絡ツール、担当者の配置等は継続的に変化します。以前作成した契約書や社内ルールが、現在の取引実態に適合しなくなっている場合もあります。そのため、契約締結前の確認に加え、個別案件の開始時及び契約開始後の運用についても、継続的に見直すことが重要です。

リーガルブレスD法律事務所では、業務委託、SES、システム開発、保守運用等を行うIT企業を対象に、偽装請負の予防、契約書の整備、プロジェクト運営上の法務確認及び現場運用の改善に関する継続的な支援を行っています。新規案件や契約更新の都度確認を受けたい場合、現場で生じる疑問を随時相談できる体制を整えたい場合、又は複数の取引先・プロジェクトを含めた管理体制を構築したい場合にご利用いただけます。

ご依頼内容例

・業務委託契約書、SES契約書、個別契約書、業務仕様書等のひな形を整備し、新規案件や契約更新の際に、業務内容や取引条件に応じた確認を継続的に受けたい

・客先常駐、アジャイル開発、保守運用等のプロジェクトについて、責任者、指示系統、会議、チャット、スキルシート、事前面談等の運用に問題がないか随時相談したい

・複数の取引先やプロジェクトについて、契約内容と実際の業務運用を定期的に確認し、偽装請負リスクが高まっている案件を早期に把握して改善したい

サポート内容例

・基本契約書、個別契約書、業務仕様書等のひな形を確認し、業務範囲、役割分担、管理責任者、連絡経路、仕様変更、担当者の配置及び労務管理等に関する条項を整備します。また、新規案件や契約更新の都度、個別の業務内容に応じた修正事項を助言します

・プロジェクトの開始又は運営方法の変更に際し、責任者の配置、担当者間の連絡方法、会議やチャットの運用、スキルシートの提出、事前面談、障害対応等を確認し、業務上必要な情報提供と直接指揮命令とを区別するための運用方法を助言します

・契約書、業務実施体制、電子メール、チャット、プロジェクト管理ツール、会議記録等を定期的に確認し、契約内容と現場運用の乖離や偽装請負リスクが高まっている事項を整理した上で、責任者、連絡経路、業務の進め方又は契約形態の見直しを支援します

依頼者が得られるメリット

・新規案件や契約更新の段階で、偽装請負につながる契約上・運用上の問題を把握しやすくなる

・現場で判断に迷う指示、連絡、面談、担当者の選定等について、問題が拡大する前に相談しやすくなる

・契約書、業務実施体制及び実際の現場運用を継続的に一致させやすくなる

・取引先やプロジェクトごとに異なる業務内容を踏まえ、実行可能な運用ルールを整備しやすくなる

・プロジェクトの遅延、障害、仕様変更、担当者の交代等により、偽装請負リスクが高まった場合に早期に対応しやすくなる

・行政機関から調査や資料提出を求められた場合にも、契約内容や過去の検討経緯を踏まえて継続的な支援を受けやすくなる

実施方法

お問い合わせ後、オンライン面談(30分程度、無料)を実施し、ご要望事項の聞き取りやプランの説明を行います

ご提案書(見積書)の提示

顧問契約の締結

窓口の開設(専用メール、チャットの提供)

サービス開始

・日常的な対応(契約書レビュー、相談に即応(即日~数日以内対応可))

・ミーティング(必要に応じて経営課題、法務リスクを総点検)

・追加支援(必要に応じて交渉代理、訴訟対応、研修実施などを提供)

 お問い合わせ

下記のフォームを入力してください。

202311月執筆、20267月一部修正>

※上記記載事項は弁護士湯原伸一の個人的見解をまとめたものです。今後の社会事情の変動や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。

 

ご相談のご予約はこちらから
06-4708-7988
営業時間:平日9:15〜18:00(土日応相談)
ご相談のご予約は
こちらから
06-4708-7988
営業時間:平日9:15〜18:00(土日応相談)