<会社への予防注射~Vol.5> 不動産管理の見直し③

<会社への予防注射~Vol.5> 不動産管理の見直し③


 


 会社が建物を借りて事業活動を行っている場合、当該不動産に関して、法的にどの様なことに留意すべきでしょうか。


 

 
 

 ポイント

 不動産の使用方法として一番多いパターンです。
 物件を見つけて終了!と思いがちですが、所有者と賃貸人の一致、中途解約の可否、更新の有無など色々と検討するべきことは多いと思います。
 
 

解説

社長(以下「社」) :本社機能の補完と新たな営業地域の確保の観点から、営業所を新たに設けようと思っているんだ。
 
弁護士(以下「弁」) :事業拡大ですね!おめでとうございます!! 
 
社 :別にそれほどでもないよ。ところで、不動産屋に勧められた物件とその契約書がこれなんだけど、どう思う? 
 
弁 :資料お借りしますね。フムフム…。定期建物賃貸借になっていますが、問題ないですか?
 
社 :何だい。その「定期…」って?
 
弁 :要は、賃貸借期間が終了したら、そこから絶対に出ていかなければならないという契約形式のことです。
 
社 :え、更新がないの? 
 
弁 :そうです。原則的には、借地借家法等で更新に関して借家人の保護が働くようになっているのですが、定期借家の場合、例外に当たりますので更新に関しては法的保護がないことになります。
 
社 :それは困るなぁ。そう頻繁に引っ越しするわけにはいかないしなぁ。
 
弁 :そうであれば、定期借家という形式にせず通常に建物賃貸借にするか、どうしても定期借家に家主さんが拘るのであれば、期間をもっと延長することで、交渉を行うが良いのではと思います。
 
社 :了解。他には何か気になることある? 
 
弁 :「期間延長」の問題と絡んできますが、中途解約が認められていないようです。
 
社 :つまり、途中で賃貸借契約を解消できないということか。 
 
弁 :その通りです。事業活動には何があるか分かりませんし、営業所を撤退させる場合には、これ以上の損失を拡大させないという観点から、中途解約条項を設けるべきではないかと思います。
 
社 :なるほどね。後は何かあるかい? 
 
弁 :そもそも論なのですが、建物所有者と賃貸人(家主)の名義が異なっているのですが、問題ないのでしょうか?
 
社 :あ~、それは所有者がお母さんで高齢なので、建物管理を息子に任せているからそうなったと、仲介業者が言っていたよ。
 
弁 :なるほど、背景事情は分かりました。ただ、貴社の立場は転借人であり、法律の大原則論は家主さんの承諾のない転貸借契約は保護されません。従って、きちんと家主であるお母さんから転貸借の承諾書を取っておいた方が良いと思います。
 
社 :仲介業者に指示しておくよ。ところで、この物件の敷引きって高いと思わないか?
 
弁 :高いか安いか分かりませんが、半分引かれるとなると、結構厳しいですよね。
 
社 :最近聞いたことがあるんだけど、敷引き特約って無効なので、全額取り返せるんじゃないの? 
 
弁 :近時話題になっていますね。ただ、あれはあくまでも賃借人が消費者の場合であり、消費者の場合消費者契約法等の法的保護が及びますが、事業主の場合、法的保護の差がありますので、必ずしも当てはまらないと思います。
 
社 :そうなのか…。
 
弁 :敷引きについては、条件交渉ではないでしょうか。
 
社 :そうだな。考えてみるよ。

 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

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