<会社への予防注射~Vol.8> 知的財産権に関する見直し①

<会社への予防注射~Vol.8> 知的財産権に関する見直し①


 


 最近は「モノの時代」ではなく、「知の時代」なんて言われて、知的財産権が重要だと聞きます。
 ところで、中小企業にとって、知的財産権とはどの様にかかわっていけばよいのでしょうか。


 

 

 

ポイント

 今回は、情報管理にまつわる特許権と不正競争防止法について解説を行います。
 ところで、特許権は出願しただけでは足りず、審査請求を行い、特許査定を受け、特許料を支払う事で初めて権利として成立します。
 一方、不正競争防止法上の「営業秘密」として保護を受けるためには、有用性・非公知性・秘密管理性という3要件を充足する必要があります
 この様に、知的財産権として保護を受けるためには、一定の条件が必要となります。

 

解説

社長(以下「社」) :実にけしからん!!(怒)
 
弁護士(以下「弁」) : どうしたんですか!?
 
社 :取り乱してスマン。競業会社が当社一押し商品の類似品を売り出してきたんだ。しかも、当社のオリジナル特許技術を用いているようで、腹が立って立って…。
 
弁 :なるほど…。ところで、オリジナル特許技術って何ですか。
 
社 :カクカクシカジカで…。
 
弁 :すいません…。技術畑じゃないんでよく分かっていないんですが、特許明細はありますか?
 
社 :待てよ…。これじゃよ。
 
弁 :出願資料ですね。審査請求の結果が分かる資料はありますか。
 
社 :なんじゃい、その審査請求って。
 
弁 :え!?特許権が成立するためには、出願後3年以内に審査請求する必要があるんです。特許庁のWEBで検索かけてみますね。あ…、特許権成立していません…。
 
社 :何だって!!!アワワ…。
 
弁 :う~ん…。残念ながら特許権侵害で競業他社を攻撃することは難しいと思います。
 
社 :ま…。仕方ないわ。競業よりもっと良い商品作って勝つしかないな。
ところで、特許権を取得するに際し、審査請求が別に必要以外に何か注意するべきことはあるのかい?
 
弁 :そうですね…。詳細は弁理士の先生に聞いた方が良いかと思いますが、よく私が出くわす事例としては、一旦は特許権として認められたけど、特許料が支払われていないので、結局は特許権として消滅したというパターンですかね。
 
社 :特許料は出願の際に支払うんじゃないの?
 
弁 :いや、そうではないんです。特許庁が特許として認めてから、特許料を支払う必要があるんです。
 
社 :なるほどね。
 
弁 :ところで、今回の類似品ですが、「オリジナル技術」と仰っていましたが、技術漏洩の防止策を講じていましたか。
 
社 :そりゃ、超極秘技術だから技術情報は秘密金庫にしまい込んでいたし、わしの決済がないことには誰も触ることができない状況だよ。それなのにどうして漏洩…。あ!もしかして…。
 
弁 :どうしました?
 
社 :そういえば、半年くらい前に技術部の××君が競業会社に転職したような噂を聞いたぞ。
 
弁 :もしかすると、そこから情報漏洩したとか。
 
社 :ありうるかもしれない…。
 
弁 :その技術って、リバースエンジニアリング等で解析可能ですか?
 
社 :おそらくできないと思うよ。
 
弁 :じゃあ、疑ってみる必要はあるかもしれませんね。場合によっては、不正競争防止法違反で対処できるかもしれませんし。
 
社 :何だ、その不正競争防止法って?
 
弁 :ものすごく大雑把に言えば、企業としてやっちゃいけない不正行為を列挙している法律です。その一類型として、営業秘密の持出や利用行為を禁止しています。
 
社 :営業秘密ってなんだい?
 
弁 :①有益で②非公知でかつ③秘密管理されている情報のことです。この3要件を充足するのであれば、競業会社への商品販売差し止め等も検討できるかもしれません。
 
社 :よし。早速検討してみよう。


 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。