<会社への予防注射~Vol.4> 不動産管理の見直し②

<会社への予防注射~Vol.4> 不動産管理の見直し②


 


 会社が土地を借りて、その土地上に建物を保有している場合、法的にどの様なことに留意すべきでしょうか。


 

 
 

ポイント

 今回は、土地を借りて、その上に建物を保有しているパターンで留意したい事項、すなわち、借地借家法上の保護が受けられる借地権とは何か、事業用借地権とは何かについて、解説を行います。
 
 

解説

社長(以下「社」) :当社は土地を借りて、その土地上に工場を建設しているんだけど、何か気にしておいた方がいい事項はあるのかな?
 
弁護士(以下「弁」) :まずは気にして欲しいのが、借地人名義と建物名義が同一になっているかという点ですかね。
 
社 :土地を借りている人と建物所有者の名義人が同一でなければいけないのかい?
 
弁 :絶対にダメという訳ではないですが、同一名義でないと、借地借家法による借地権者としての保護が受けられなくなります。この結果、土地を借りている人は、何か拍子(例えば土地のオーナが替わった等)に建物をどけて土地を明け渡せ!と言われた場合、法的な反論が行なえない可能性が発生します。
 
社 :え!?建物取り壊さなくちゃいけないの?
 
弁 :そういうことです。
 
社 :え~と。当社は…うん、借地契約の借地人と建物登記簿上の所有者は同一になっているな。いや~よかった、よかった! 
 
弁 :社長、契約書と登記簿をお借りできますか。フムフム…。土地の「地番」と建物登記上の「所在」欄が異なっているようですが…。
 
社 :あ、土地の一部は工場だけど、半分以上は従業員や運搬車両の駐車場及び資材置場になっているので、建物がないんだわ。
 
弁 :なるほど。そうすると、建物が無い部分については、先ほど申し上げた借地借家法に基づく保護が受けられない可能性がでてきますね。
 
社 :え、何故? 
 
弁 :土地の「地番」と建物の「所在」が同一である範囲内に限って、借地権の対抗力があるとされているんです。なので、問題があると言わざるを得ないのですが、現実の使用方法からすると、如何ともしがたいかと…。
 
社 :じゃ、何かあったらきっちりと助けてよ!! 
 
弁 :うっ…ガンバリマス。。。ところで、借地契約を見る限り、「事業用借地」となっていますが、この意味内容は理解されていますか。
 
社 :バカにするなよ!事業活動用として土地を利用するから、事業用借地権っていうんだろ!。
 
弁 :実は、半分当たっているんですが、半分ハズレなんです。
 
社 :なぬ?どういうこと!?
 
弁 :実は、法律上「事業用借地権」というと、一定期間は土地を貸すけど、当該期間が満了したら一切の更新は無いので、その時になったら土地を返してね、という意味なんです。
 
社 :…。契約期間はいつまでになっている?
 
弁 :30年契約ですので、あと○年ですね。
 
社 :いや、あの工場は当社の主力工場だから、明け渡しなんて困るわ。
 
弁 :更新はありませんが、再度契約を締結すること自体は妨げられませんので、地主さんと要協議ですね。
 
社:その際は、立ち会い頼むよ。
 
弁:了解しました。
なお、借地借家法上の借地権として保護を受けようとする場合、「建物所有目的で土地を借りること」が要件となります。従って、資材置場として使用する場合は、どうしても限界がありますので、費用はかかりますが、別途借地権の登記を行うなどして対策を講じた方が、より安心ではないかと思います。

 


 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。