目次
ITサービスやSaaS、アプリ、Web制作、広告運用、AI関連サービスなどの分野では、自社サービスの特徴を分かりやすく伝えるために、他社サービスとの比較を用いた広告・表示が行われることがあります。
例えば、「他社より低価格」「導入実績No.1」「乗り換えでコスト削減」「競合サービスにはない機能を搭載」「満足度第1位」といった表現は、利用者にとってサービス選定の参考になる一方、表示の仕方を誤ると、景品表示法上の問題を生じさせる可能性があります。
比較広告は、それ自体が直ちに禁止されているわけではありません。むしろ、客観的な根拠に基づき、公正な方法で比較が行われていれば、利用者の商品・サービスの選択に役立つ有益な情報となります。
しかし、IT業界では、料金体系、機能の有無、導入実績、セキュリティ水準、AIの精度、サポート体制など、比較対象となる項目が多く、しかもサービス内容や料金プランが頻繁に変更されることがあります。そのため、過去の情報をもとにした比較表、条件を揃えていない料金比較、根拠の曖昧なNo.1表示などが、利用者に誤った印象を与えるおそれがあります。
本記事では、特にIT業界で用いられる比較広告を念頭に、景品表示法を中心とした法規制の基本、問題となりやすい表示例、広告作成時に確認すべき実務上のポイントについて解説します。
比較広告とは何か
比較広告とは、一般に、自社の商品・サービスについて、競合他社の商品・サービスと比較しながら、その特徴、性能、価格、実績、利用条件などを訴求する広告・表示をいいます。
比較の対象は、広告内で他社名を明示する場合に限られません。「他社製品と比べて」「一般的なサービスより」「従来型システムより」といった表現のように、比較対象が暗示されている場合も、比較広告として問題になることがあります。
(1) 比較広告は直ちに違法ではない
比較広告は、それ自体が当然に違法となるものではありません。利用者にとっても、複数のサービスを比較検討する際、料金、機能、導入実績、サポート体制などの違いを把握できることは有益です。
もっとも、比較広告は、自社の優位性を強調する性質を持つため、表示内容や比較方法によっては、景品表示法上の優良誤認表示又は有利誤認表示の問題が生じます。
特に注意すべき点は、次のとおりです。
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・比較内容について、客観的な根拠があること ・比較対象、比較時点、比較条件が明確であること ・実証された事実や数値を正確に引用していること ・自社に有利な条件だけを取り上げ、利用者に誤った印象を与えていないこと ・競合他社の商品・サービスを不当に低く評価する内容になっていないこと |
つまり、比較広告で重要なのは、「比較している内容が一応事実かどうか」だけではありません。その比較表示を見た利用者が、サービスの品質、機能、料金、契約条件などについて、実際よりも著しく優れている、又は有利であると誤認しないかが問題となります。
(2) IT業界でよく使われる比較広告の例
IT業界では、サービスの内容や料金体系が比較されやすいため、比較広告が用いられる場面は少なくありません。例えば、次のような表示が考えられます。
・SaaSやクラウドサービスの料金プランを比較する表示
・自社サービスと競合サービスの機能比較表
・「導入社数No.1」「継続率第1位」「満足度No.1」などの表示
・「他社からの乗り換えでコストを削減できる」とする表示
・「競合サービスでは対応できない機能を搭載」とする表示
・「初期費用0円」「月額〇円から」などの価格優位性を訴求する表示
・セキュリティ水準、サポート体制、稼働率などを比較する表示
・AIサービスについて、精度、回答品質、処理速度などを比較する表示
・比較サイト、ランキング記事、レビュー記事を用いた表示
これらは、サービスサイト、ランディングページ、広告バナー、営業資料、ホワイトペーパー、メールマガジン、SNS広告など、さまざまな媒体で問題になり得ます。
ITサービスは、機能追加、料金改定、プラン変更、外部サービスとの連携状況の変更が生じやすい分野です。そのため、比較広告を行う場合は、掲載時点の正確性だけでなく、公開後の更新管理も含めて検討する必要があります。
比較広告が問題となる主な法規制
比較広告を検討する場合、中心となるのは景品表示法ですが、それだけを確認すれば足りるわけではありません。特にIT業界では、競合サービスの名称、ロゴ、画面、料金表、機能一覧、口コミ、レビューなどを用いて比較することがあるため、不正競争防止法、著作権法、商標法、さらには各サービスの利用規約も問題となることがあります。
なお、景品表示法は、主に一般消費者向けの表示を規制する法律です。このため、BtoB取引の場合は景品表示法の適用がありませんが、不正競争防止法、著作権法、商標法等はなお問題となり得ます。
(1) 景品表示法
比較広告で最も問題になりやすいのは、景品表示法上の不当表示です。
特に注意すべきなのは、次の2つです。
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■優良誤認表示 自社サービスの品質、機能、性能、安全性、導入実績、サポート体制などについて、実際よりも著しく優れていると誤認させる表示
■有利誤認表示 料金、割引、無料期間、契約条件、解約条件、キャンペーン内容などについて、実際よりも著しく有利であると誤認させる表示 |
例えば、SaaSの機能比較表で、自社サービスだけが特定機能に対応しているように表示しているものの、実際には競合サービスもオプションで対応可能である場合、利用者に誤った印象を与えるおそれがあります。
また、「月額〇円から」と表示しながら、実際には初期費用、最低利用期間、オプション費用、従量課金が別途必要となる場合には、価格面で有利であるかのような誤認が問題となります。
(2) 不正競争防止法
比較広告では、競合他社の商品・サービスに言及することがあります。この場合、表示内容によっては、不正競争防止法上の信用毀損行為が問題となる可能性があります。
特に注意すべきなのは、次のような表示です。
・「A社サービスはセキュリティが弱い」
・「B社のシステムは障害が多い」
・「C社のサポートは機能していない」
・「D社製品は旧式であり、現在の業務には適さない」
これらの表示が、競争関係にある他社の営業上の信用を害する虚偽の事実に当たる場合、不正競争防止法上の信用毀損行為として問題となる可能性があります。また、事実の一部を取り上げている場合でも、広告全体として競合他社を不当に低く見せる構成になっていれば、紛争化するリスクがあります。
比較広告では、自社の優位性を説明することと、他社を不当に貶めることを区別する必要があります。
(3) 著作権・商標・利用規約上の問題
IT業界では、比較広告を作成する際に、競合サービスのWebサイト、管理画面、料金表、機能一覧、ロゴなどを参照することがあります。
この場合、次の点にも注意が必要です。
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・他社サイトの文章、表、画像、画面キャプチャを無断転載していないか ・他社ロゴやサービス名を、出所の混同を招く形で使用していないか ・競合サービスの管理画面やUIを広告素材として掲載していないか ・他社の料金表や機能表を、そのまま複製していないか ・利用規約でベンチマーク結果の公表、スクレイピング、画面利用などが制限されていないか |
特に、SaaSやクラウドサービスでは、料金・機能・仕様が頻繁に変更されます。そのため、他社サイトから取得した情報を広告に用いる場合には、著作権・商標の問題だけでなく、情報の正確性、取得方法、更新管理についても確認が必要です。
比較広告は、単なる広告表現の問題にとどまりません。景品表示法上の誤認防止、不正競争防止法上の他社信用の保護、著作権・商標・利用規約上の利用制限をあわせて検討することが重要です。
適法な比較広告に必要な3つの要件
比較広告は、それ自体が禁止されているわけではありません。もっとも、比較広告を適法かつ適切に行うためには、少なくとも、①比較内容が客観的に実証されていること、②実証された数値や事実を正確に引用していること、③比較方法が公正であることが重要です。
特にIT業界では、機能、料金、処理速度、セキュリティ、導入実績、AIの精度など、比較対象となる項目が多く、表示内容が専門的になりやすいという特徴があります。そのため、単に「事実と異なることを書かない」というだけでは足りず、利用者が誤った印象を持たない表示設計が必要です。
(1) 比較内容が客観的に実証されていること
比較広告では、自社サービスの優位性を示す根拠が必要です。営業担当者の経験、社内の感覚、利用者からの一部の好意的な声だけでは、客観的な実証として不十分な場合があります。
例えば、次のような表示を行う場合には、根拠資料を確認できる状態にしておく必要があります。
・「他社より処理速度が速い」
・「導入により作業時間を50%削減」
・「満足度No.1」
・「セキュリティ水準が高い」
・「AIの回答精度が高い」
・「競合サービスより低コスト」
この場合、何を、いつ、どの条件で、どのように測定又は調査したのかが重要です。例えば、処理速度の比較であれば、対象機能、データ量、利用環境、測定回数、比較対象サービスのバージョンなどが問題になります。AIサービスの精度比較であれば、評価対象タスク、評価データ、評価指標、判定方法を明確にする必要があります。
(2) 実証された数値や事実を正確に引用すること
根拠資料が存在していても、その内容を広告上で正確に示していなければ問題となります。特に、調査結果やベンチマーク結果の一部だけを切り出し、広告上ではより広い意味に見えるように表示することは避けるべきです。
注意すべき例としては、次のようなものがあります。
・特定業種の調査結果にすぎないのに「業界No.1」と表示すること
・一部プランの料金比較にすぎないのに「他社より安い」と表示すること
・無料期間中の条件を、通常利用時の条件であるかのように表示すること
・限定的な環境での処理速度を、一般的な利用環境でも再現できるかのように表示すること
・古い調査結果を、現在も有効な比較結果であるかのように掲載し続けること
ITサービスでは、料金プラン、機能、API連携、サポート内容、セキュリティ認証の対象範囲などが変更されることがあります。そのため、比較広告では、調査時点、比較対象、比較条件、対象プラン、注記を明示し、根拠資料と広告上の表現が対応しているかを確認する必要があります。
(3) 比較方法が公正であること
比較広告では、比較内容が一部事実であっても、比較方法が不公正であれば、利用者に誤認を与える可能性があります。特に、比較表は見やすい反面、項目の選び方や表示方法によって印象が大きく変わります。
例えば、次のような比較方法には注意が必要です。
・自社の上位プランと他社の下位プランを比較すること
・自社はオプション込み、他社は標準機能のみで比較すること
・自社に有利な項目だけを並べること
・他社にも代替機能があるのに「非対応」と表示すること
・競合サービスの旧バージョンや旧料金を比較対象にすること
・用途や顧客層が異なるサービスを同列に比較すること
・重要な制限事項を小さな注記にとどめること
比較広告で重要なのは、「個々の記載が形式的に事実か」だけではありません。広告全体を見た利用者が、自社サービスについて、実際よりも著しく優れている、又は有利であると受け取らないかを検討する必要があります。
したがって、比較広告を作成する際は、根拠資料の有無、比較条件の公平性、表示全体から受ける印象をあわせて確認することが重要です。
IT業界で特に問題となりやすい比較広告
IT業界では、機能、料金、導入実績、セキュリティ、サポート体制、AIの精度など、比較しやすい項目が多くあります。その一方で、サービス内容が専門的であり、料金体系や機能も頻繁に変更されるため、比較広告の作り方によっては、利用者に誤った印象を与えるおそれがあります。
ここでは、IT業界で特に問題となりやすい比較広告の類型を整理します。
(1) No.1表示・第1位表示
ITサービスの広告では、次のような表示が用いられることがあります。
・「導入社数No.1」
・「利用者満足度第1位」
・「継続率No.1」
・「中小企業に選ばれているSaaS No.1」
・「IT担当者が選ぶ〇〇ツール第1位」
・「口コミ評価No.1」
このようなNo.1表示は、利用者に強い印象を与えるため、根拠が曖昧なまま用いることは避けるべきです。
特に確認すべき事項は、次のとおりです。
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・誰を対象に調査したのか ・いつ調査したのか ・何社、何名を対象にしたのか ・比較対象となるサービスの範囲はどこまでか ・何についてのNo.1なのか ・調査方法に偏りがないか ・「No.1」と表示できるだけの根拠資料があるか |
例えば、特定の業種や地域に限定した調査であるにもかかわらず、広告上は「業界No.1」と広く表示する場合には、利用者に過大な印象を与えるおそれがあります。
また、「イメージ調査」や「アンケート調査」による第1位であるにもかかわらず、実際の導入社数、売上、シェア、利用継続率で1位であるかのように見せる表示も問題になり得ます。
No.1表示を行う場合には、少なくとも、調査対象、調査期間、調査方法、比較対象、調査機関、No.1の意味を明確にする必要があります。
(2) 料金比較・コスト削減表示
SaaS、クラウドサービス、アプリ、広告運用ツールなどでは、料金比較やコスト削減効果を訴求する広告が多く見られます。
例えば、次のような表示です。
・「他社より月額料金が安い」
・「乗り換えでコスト50%削減」
・「初期費用0円」
・「月額〇円から利用可能」
・「業界最安水準」
・「既存システムより運用コストを削減」
料金比較では、単純な月額料金だけを比較してよいとは限りません。ITサービスでは、初期費用、月額費用、従量課金、オプション費用、サポート費用、データ移行費用、最低利用期間、解約時費用など、総コストに影響する要素が複数存在するためです。
特に注意すべき点は、次のとおりです。
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・比較対象となる料金プランが同等か ・初期費用やオプション費用を除外していないか ・従量課金や超過料金を考慮しているか ・最低利用期間や解約条件を明示しているか ・キャンペーン価格と通常価格を混同していないか ・「〇円から」の条件を分かりやすく表示しているか ・競合サービスの料金情報が最新か |
例えば、「月額〇円から」と表示していても、実際にその金額で利用できる機能が極めて限定されている場合や、多くの利用者にとってオプション契約が事実上必要となる場合には、表示全体として誤認を招く可能性があります。
また、「コスト50%削減」と表示する場合には、どのような利用条件、利用期間、比較対象、計算方法に基づく数値なのかを説明できる必要があります。
(3) 機能比較表
IT業界では、自社サービスと競合サービスを一覧表で比較する広告がよく用いられます。比較表は利用者にとって分かりやすい形式ですが、表示方法によっては誤認を生じやすい形式でもあります。
例えば、次のような比較が問題となり得ます。
・自社に有利な機能だけを比較項目として選ぶ
・他社にも代替機能があるのに「×」と表示する
・他社ではオプション対応可能であるのに「非対応」と表示する
・自社は上位プラン、他社は下位プランで比較する
・他社サービスの旧仕様を前提に比較する
・「○」「△」「×」の判断基準が不明確である
・重要な制限事項を小さな注記にとどめる
機能比較表を作成する場合には、単に「自社の方が多機能に見える表」を作るのではなく、利用者が適切にサービスを比較できる情報になっているかを確認する必要があります。
特に、次の点を明示することが重要です。
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・比較対象サービス名 ・比較対象プラン ・比較時点 ・「○」「△」「×」の基準 ・標準機能か、オプション機能か ・利用条件や制限事項 ・参照した情報源 |
ITサービスでは、同じ名称の機能であっても、対応範囲、利用条件、処理件数、API連携の有無、サポート対象などが異なることがあります。そのため、機能の有無だけで単純に優劣を示すと、実態と異なる印象を与えるおそれがあります。
(4) セキュリティ・信頼性に関する比較
ITサービスでは、セキュリティや信頼性は重要な訴求要素です。そのため、広告上、次のような表示が用いられることがあります。
・「他社より安全」
・「最高水準のセキュリティ」
・「情報漏えいリスクをゼロに」
・「大企業も安心して利用」
・「堅牢なセキュリティ体制」
・「〇〇認証取得済み」
・「稼働率99.9%」
セキュリティや信頼性に関する表示は、専門的な印象を与える一方で、利用者が内容を正確に検証しにくい分野です。そのため、抽象的な表現であっても、広告全体として実際以上に安全性や信頼性が高いように見える場合には注意が必要です。
特に確認すべき事項は、次のとおりです。
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・認証取得の対象範囲はどこまでか ・認証は自社全体か、特定サービス・特定拠点に限られるのか ・「最高水準」「万全」「ゼロリスク」といえる根拠があるか ・稼働率の計算方法や対象期間は明確か ・障害・保守時間をどのように扱っているか ・競合他社の安全性を不当に低く見せていないか |
例えば、グループ会社や一部部門で取得した認証を、自社サービス全体が認証対象であるかのように表示することは避けるべきです。また、「情報漏えいリスクをゼロに」といった断定的な表示は、技術的にも法的にも慎重に検討する必要があります。
(5) AIサービスの精度・性能比較
近年は、生成AI、AIチャットボット、AI契約書レビュー、AI画像解析、AI需要予測など、AIを用いたサービスでも比較広告が用いられています。
例えば、次のような表示です。
・「他社AIより高精度」
・「人間を超える精度」
・「誤回答を大幅削減」
・「業界最高レベルのAI」
・「〇%の業務を自動化」
・「法務・人事・経理業務に完全対応」
・「専門家レベルの回答が可能」
AIサービスの比較では、評価条件によって結果が大きく変わる点に注意が必要です。AIの精度や性能は、入力データ、評価データ、対象業務、評価指標、バージョン、利用環境によって変動するためです。
特に確認すべき事項は、次のとおりです。
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・どの業務、タスクを対象に比較したのか ・どのデータセットを用いたのか ・どの評価指標で判断したのか ・どのバージョンのAIを比較したのか ・人間による確認を前提としているのか ・実運用環境でも同じ結果が期待できるのか ・誤回答、限界、利用上の注意を適切に表示しているか |
例えば、特定のテストデータで高い精度が出たとしても、それをもって「あらゆる業務で高精度」と表示することは適切ではありません。また、「専門家レベル」「人間を超える」といった表現は、利用者に過度な期待を抱かせやすいため、根拠資料と表示内容の対応関係を慎重に確認する必要があります。
AIサービスでは、広告上の表示が導入後のトラブルにも直結します。したがって、精度・性能を訴求する場合には、比較条件、評価方法、利用上の限界を分かりやすく示すことが重要です。
比較サイト・ランキング記事・アフィリエイト広告の注意点
ITサービスでは、自社サイト上の広告だけでなく、比較サイト、ランキング記事、レビュー記事、アフィリエイト広告を通じて集客を行うことがあります。特に、SaaS、クラウドサービス、アプリ、Web制作会社、広告運用サービスなどでは、「おすすめ〇選」「人気ランキング」「料金比較」「口コミ評価」といった形式の記事が用いられます。
このような表示も、実質的に自社サービスへの申込みを促すものであれば、景品表示法上の問題が生じ得ます。形式上は第三者の記事に見えても、事業者が表示内容の決定に関与している場合や、広告・PRであることが分かりにくい場合には、ステルスマーケティング規制との関係でも注意が必要です。
特に確認すべき事項は、次のとおりです。
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・広告、PR、アフィリエイト記事であることが分かりやすく表示されているか ・ランキングの基準が明確に示されているか ・報酬額や契約関係によって順位が左右されていないか ・実際の利用実態がないのに、体験談やレビューのように表示していないか ・口コミや評判を恣意的に選別していないか ・比較対象サービスの範囲が明確か ・料金、機能、実績などの情報が最新か ・自社又は委託先が運営するサイトであることを隠していないか |
例えば、「おすすめランキング」と表示しながら、実際には広告報酬の高い順に掲載している場合や、調査根拠がないにもかかわらず「利用者満足度が高いサービス」として紹介する場合には、利用者に誤った印象を与えるおそれがあります。
また、アフィリエイターや外部メディアに記事作成を依頼する場合でも、広告主が一切責任を負わないとは限りません。広告主が表示内容に関与している場合や、問題のある表示を把握しながら放置している場合には、広告主側の管理体制も問われ得ます。
比較サイトやランキング記事を利用する場合は、単に集客効果だけを見るのではなく、表示主体、広告表示、ランキング根拠、情報更新、外部委託先の管理まで含めて確認することが重要です。
問題のある比較広告を掲載してしまった場合の対応
比較広告について、掲載後に誤りや不適切な表示が判明した場合は、単に広告を削除すれば足りるとは限りません。表示内容、掲載期間、掲載媒体、利用者への影響、競合他社との関係を踏まえ、早期に対応方針を整理する必要があります。
まず確認すべき事項は、次のとおりです。
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・どの媒体に、どの表示が掲載されているか ・表示の掲載開始日、掲載終了日、閲覧数、広告配信範囲はどの程度か ・比較対象、比較条件、調査時点に誤りがないか ・表示の根拠資料が存在するか ・実際のサービス内容、料金、機能と表示内容が一致しているか ・利用者の申込みや契約判断に影響を与えた可能性があるか ・競合他社から指摘、警告、削除要請を受けているか |
問題がある可能性が高い場合には、表示の修正、削除、注記の追加、広告配信の停止などを検討します。もっとも、表現を一部修正するだけで足りる場合もあれば、比較の前提自体に問題があり、比較表全体を差し替えるべき場合もあります。
また、広告代理店、Web制作会社、アフィリエイター、外部メディアなどが関与している場合には、誰が表示内容を作成し、誰が根拠資料を準備し、誰が法令適合性を確認し、誰が公開後の更新・修正を担当していたのかも確認する必要があります。比較広告を外部事業者に依頼する場合には、契約書や発注書において、情報提供、最終承認、修正対応、第三者から指摘を受けた場合の対応窓口や費用負担を明確にしておくことも重要です。
競合他社から警告書が届いた場合には、感情的に反論するのではなく、事実関係、根拠資料、表示全体から受ける印象を確認したうえで、修正、削除、反論、再発防止策の提示などを検討することが重要です。
まとめ
比較広告は、自社サービスの特徴や優位性を利用者に伝える有効な手段です。特にIT業界では、SaaS、クラウドサービス、アプリ、Web制作、広告運用、AI関連サービスなどにおいて、料金、機能、導入実績、セキュリティ、サポート体制、精度・性能などを比較して訴求する場面が少なくありません。
もっとも、比較広告は、表示の仕方によって利用者に強い印象を与えます。そのため、比較内容の一部が事実であっても、比較条件や見せ方によっては、サービス全体について実際よりも優れている、又は有利であると誤認させるおそれがあります。
比較広告を行う場合には、特に次の点を確認することが重要です。
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・比較内容について客観的な根拠があること ・比較対象、比較時点、比較条件が明確であること ・調査結果や数値を正確に引用していること ・自社に有利な情報だけを切り出していないこと ・料金、機能、仕様、サポート範囲などが最新情報に基づいていること ・No.1表示、最安表示、最高水準表示などの強い表現に十分な根拠があること ・注記や条件表示が分かりやすく配置されていること ・比較表、LP、広告バナー、営業資料、ホワイトペーパーなどの表示内容に矛盾がないこと ・根拠資料、調査日、比較条件、参照元情報を保存していること ・公開後の更新・修正体制が整っていること |
また、比較広告では、景品表示法だけでなく、不正競争防止法、著作権法、商標法、利用規約、広告代理店・Web制作会社との契約上の責任分担も問題となり得ます。特に、競合他社の名称、ロゴ、画面、料金表、機能一覧などを用いる場合には、広告表現だけでなく、情報の取得方法や利用方法にも注意が必要です。
ITサービスは変化が速く、掲載時点では正確だった比較広告が、料金改定、機能変更、サービス仕様の変更によって、後に不適切な表示となることもあります。比較広告を安全に活用するためには、公開前の法的確認に加え、公開後の定期的な見直しを行うことが重要です。
リーガルブレスD法律事務所のご案内
比較広告は、自社の商品・サービスの特徴を伝える有用な手法ですが、料金、機能、導入実績、ランキング、口コミ、AIの精度・性能などを比較して訴求する場合、根拠資料、比較条件、調査方法、表示の見せ方によって、景品表示法その他の法令上の問題が生じる可能性があります。
また、比較サイト、ランキング記事、アフィリエイト広告、インフルエンサー投稿などを利用する場合、第三者が作成した表示であっても、広告主側の管理体制が問題となることがあります。
リーガルブレスD法律事務所では、IT企業法務、Webサービス、EC、SaaS、D2C、アフィリエイト広告、インフルエンサー施策など、インターネット上で商品・サービスを訴求する事業者向けに、広告表示に関する法務支援を行っています。
主な対応内容は、次のとおりです。
・比較広告、No.1表示、ランキング表示、口コミ表示のリスク確認
・LP、サービスサイト、広告文、キャンペーン表示、比較表のリーガルチェック
・比較サイト、アフィリエイト記事、インフルエンサー投稿に関する管理体制の整理
・広告代理店、Web制作会社、ASP、外部メディアとの契約上の責任分担の整理
・景品表示法、不正競争防止法、著作権法、商標法、利用規約上の問題の横断的確認
ご相談内容やご希望に応じて、主に次のような形でご利用いただけます。
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比較広告のリスク、景品表示法上の責任主体、社内確認体制を整理したい場合 |
法律相談サービス |
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LP、広告文、商品ページ、キャンペーン表示、比較表、口コミ・ランキング表示のリーガルチェックを依頼したい場合 |
スポットサービス |
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広告代理店、Web制作会社、ASP、インフルエンサーとの契約整備や広告表示管理について継続的に相談したい場合 |
法律顧問サービス |
広告表示は、公開後に問題が顕在化すると、表示の修正・削除だけでなく、競合他社からの警告、消費者・利用者への説明、広告配信の停止、再発防止体制の整備などが必要になる場合があります。特に比較広告は、競合他社の商品・サービスに言及する性質上、表示内容が不正確であった場合に紛争化しやすい分野です。
比較広告を安全に活用するためには、公開前の段階で、根拠資料、比較条件、表示内容、外部委託先との契約関係、公開後の更新体制を確認しておくことが重要です。ITサービス、Web広告、アフィリエイト広告、ランキング表示、口コミ表示などに関する法的確認をご希望の場合は、リーガルブレスD法律事務所までご相談ください。
(1) 法律相談サービス
比較広告では、表示内容が適法かどうかだけでなく、比較の根拠、表示方法、広告主と外部事業者との責任関係を整理することが重要です。特に、比較サイト、ランキング記事、アフィリエイト広告、インフルエンサー投稿などが関与する場合、「第三者が作成した表示である」というだけで、広告主側の管理が不要になるとは限りません。
比較広告のリスクや、外部事業者を利用した広告施策の注意点を整理したい場合には、法律相談サービスをご利用いただけます。広告出稿前の確認、問題表示を発見した後の初期対応、広告運用体制の見直しにも対応しています。
※法律相談サービスでは、主にリスクの整理と対応方針の助言を行います。広告文、LP、比較表の具体的な修正案作成や、継続的な広告表示管理については、必要に応じてスポットサービス又は法律顧問サービスとして対応します。
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ご相談内容例 |
・自社のLP、サービスサイト、広告文、比較表について、景品表示法上の注意点を整理したい ・No.1表示、ランキング表示、口コミ表示、料金・機能比較について、根拠資料や表示方法に問題がないか確認したい ・比較サイト、アフィリエイト広告、インフルエンサー投稿について、広告主としてどこまで管理すべきか相談したい |
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サポート内容例 |
・LP、広告文、サービスサイト、比較表などを確認し、優良誤認表示、有利誤認表示、ステルスマーケティング規制との関係で注意点を整理して助言します ・比較広告の根拠資料、比較対象、比較条件、調査時点を確認し、表示内容のリスクや見直しの方向性を助言します ・広告主、広告代理店、Web制作会社、ASP、アフィリエイター、インフルエンサー、外部メディアの関係を確認し、広告主側で管理すべき事項を整理します |
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相談者が得られるメリット |
・比較広告で問題となり得る表示を早期に把握しやすくなる ・No.1表示、ランキング表示、料金比較、機能比較の注意点を整理しやすくなる ・広告主、外部委託先、投稿者、媒体運営者の責任関係を確認しやすくなる ・「外部事業者に任せているから大丈夫」という誤解を避けやすくなる ・表示内容の修正で対応すべき事項と、契約・運用体制の見直しで対応すべき事項を切り分けやすくなる |
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弁護士費用 |
1回90分以内で15,000円(税別) |
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実施方法 |
①ご予約(お問い合わせフォーム又はお電話にて日程調整) ②事前準備(関係資料を共有いただきます) ③相談実施(オンライン又は対面) ④対応方針の提示(リスク診断、交渉方針などを具体的にご提示) ⑤アフターフォロー(ご希望内容に応じて別途契約の上、交渉代理や訴訟対応、継続支援へ移行) |
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(2) スポットサービス(法律相談以外のサービス)
LP、サービスサイト、広告文、キャンペーン表示、比較表、ランキング表示、口コミ表示、アフィリエイト広告、インフルエンサー投稿など、特定の広告表示や個別の場面について確認したい場合には、スポットサービスをご利用いただけます。
比較広告の確認では、実際に使用する広告文や比較表の内容だけでなく、広告代理店、Web制作会社、ASP、アフィリエイター、インフルエンサー、外部メディアなどがどのように関与しているかを確認することも重要です。誰が表示内容を作成し、誰が根拠資料を準備し、誰が公開前に確認・承認するのか、問題が見つかった場合にどのように修正・削除するのかも整理しておく必要があります。
リーガルブレスD法律事務所では、SaaS、クラウドサービス、Webサービス、EC、D2C、AI関連サービスなど、インターネット上で商品・サービスを訴求する事業者について、広告表示のレビュー、関連文書の作成・確認、個別案件への助言を行っています。
例えば、スポットサービスとして、次のようなご依頼に対応しています。
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・LP、サービスサイト、広告文、キャンペーン表示、比較表、ランキング表示、口コミ表示のレビュー ・優良誤認表示、有利誤認表示、ステルスマーケティング規制に関するリスク確認 ・No.1表示、料金比較、機能比較、AIサービスの精度・性能比較に関する表示内容の確認 ・アフィリエイト広告、インフルエンサー投稿、口コミ・レビュー施策に関する表示ルールの作成・レビュー ・広告代理店、Web制作会社、ASP、インフルエンサー、外部メディアとの契約書・発注条件・投稿依頼文の作成・レビュー ・問題のある比較広告を発見した場合の修正方針、削除依頼、再発防止策に関する助言 |
いずれについても事前に簡単にお話をお伺いした上で、お見積書をご提示します。
お見積書の作成は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
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(3) 法律顧問サービス(顧問弁護士サービス)のご案内
比較広告は、LPや広告文を作成した時点で確認すれば足りるものではありません。料金プラン、機能、キャンペーン内容、競合サービスの仕様、ランキング根拠、口コミ・レビュー表示などは、運用状況に応じて継続的な確認が必要です。
リーガルブレスD法律事務所では、SaaS、クラウドサービス、Webサービス、EC、D2C、AI関連サービスなど、インターネット上で商品・サービスを訴求する事業者について、広告運用の実態を踏まえた法務支援を行っています。
顧問弁護士サービスでは、比較広告、No.1表示、ランキング表示、口コミ表示、アフィリエイト広告、インフルエンサー施策などについて、表示内容の事前確認、外部委託先との契約・運用ルールの整備、問題表示を発見した場合の初期対応、社内確認体制の見直しを継続的にサポートします。広告表示のリスクを日常的に相談できる体制を整えたい場合にご利用いただけます。
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ご依頼内容例 |
・LP、サービスサイト、広告文、比較表、キャンペーン表示などを継続的に確認できる体制を整えたい ・比較サイト、ランキング記事、アフィリエイト広告、インフルエンサー投稿について、広告主としての管理体制を整えたい ・広告代理店、Web制作会社、ASP、外部メディアとの契約内容や運用ルールを継続的に見直したい |
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サポート内容例 |
・LP、サービスサイト、広告文、比較表、キャンペーン表示について、優良誤認表示、有利誤認表示、ステルスマーケティング規制との関係で注意すべき点を継続的に助言します ・比較広告の根拠資料、比較条件、調査時点、更新管理について、広告運用の実態に合わせた確認体制の整備を支援します ・広告代理店、Web制作会社、ASP、アフィリエイター、インフルエンサー、外部メディアとの契約条項、事前確認フロー、修正・削除対応ルールの見直しを支援します |
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依頼者が得られるメリット |
・比較広告について、問題が生じる前に相談しやすくなる ・LP、広告文、比較表、ランキング表示、アフィリエイト広告などを継続的に確認しやすくなる ・外部委託先や投稿者との責任分担を整理しやすくなる ・景品表示法対応と実際の広告運用を結び付けて検討しやすくなる ・広告表示の修正、契約整備、社内確認体制の見直しを継続的に進めやすくなる |
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実施方法 |
①お問い合わせ後、オンライン面談(30分程度、無料)を実施し、ご要望事項の聞き取りやプランの説明を行います ②ご提案書(見積書)の提示 ③顧問契約の締結 ④窓口の開設(専用メール、チャットの提供) ⑤サービス開始 ・日常的な対応(契約書レビュー、相談に即応(即日~数日以内対応可)) ・ミーティング(必要に応じて経営課題、法務リスクを総点検) ・追加支援(必要に応じて交渉代理、訴訟対応、研修実施などを提供) |
お問い合わせ
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<2026年5月執筆>
※本記事は、執筆時点における一般的な法的整理を示すものであり、個別案件への適用は具体的な事情により異なります。