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AIで作った契約書を「使っていいのか」という不安
最近は、ChatGPTのような対話型AIや、契約書作成に特化したサービスに条件を入力するだけで、それらしい契約書案が数分で出力されるようになりました。紙のひな型を一から打ち込む必要もなく、条文の形式も整っていることが多いため、「これで十分ではないか」という声もよく聞かれます。しかし一方で、「本当にこのまま使ってよいのか」「あとで問題にならないか」という不安の声もあったりします。
この不安の声ですが、次のような問題が混在しています。
・AIが作成した契約書でも、普通の契約書と同じように効力があるのか
・AIが書いた内容を自分が細かく理解できていないまま相手方に提示してよいのか
・もしトラブルになった場合に誰がどこまで責任を負うことになるのか
本記事では、AIが作成した契約書を実務で利用する場面を念頭に置きながら、そもそも契約書とは何のための書面なのかという基本的なところから整理したうえで、AIで作った契約書が使えるのかという疑問に答えていきます。その際、AIが関わっていることだけを理由に、直ちに契約として成り立たなくなるのかという点と、形式上は契約として成り立つとしても、内容面でどのような危険があり得るのかという点を分けて説明します。
AIで作成した契約書を使うかどうかは、単に「危ないからやめた方がよい」「便利だから積極的に使うべきだ」という二択の問題ではありません。取引の内容や金額、相手方との関係、自社の体制などによって、適切な距離感や使い方は変わってきます。
本記事が、それぞれの立場でAIとの付き合い方を考える際の手がかりとなれば幸いです。
なお、本記事はAIによる契約書の「作成」に焦点を当てますが、AIによる契約書の「検証(リーガルチェック)」については、次の記事をご参照ください。
契約書のAIレビュー・チェックだけで万全!? 弁護士のリーガルチェックとの異同を解説
AIが作成する契約書のパターン整理
単純に「AIで契約書を作る」と言っても、実際にはいくつか異なるパターンがあり、それぞれ性質や注意点が違います。ここでは3パターンを挙げておきます。
①対話型AI(ChatGPT、Google Geminiなど)
このパターンでは、ユーザーが契約の目的や条件を文章で説明し、「〇〇契約書の案を作成してください」といった指示を出し、AIが契約書案を提示します。
ひな型のない契約類型でも、とりあえず文書の形にしてくれるため、ゼロから考えるより負担が少なくなる場面が多いと感じます。一方で、必要な情報の伝え方が不十分だと、重要な条件が文書に反映されないおそれがあります。
②契約書作成専用のクラウドサービス
画面上で契約の種類を選び、相手方の名称や金額、期間などをフォームに入力すると、定められた形式に沿った契約書が自動で作成されるソフトウェアが代表的なものとなります。
この種のサービスは、ある程度パターン化された取引に向いている一方で、標準的な形から外れる条件を盛り込みたい場合には、別途手作業で修正する必要が生じやすい点に注意を要します。
③自社オリジナルAI
例えば、企業が自社の契約書ひな型や社内ルールをもとに、クローズドな環境でAIを利用するパターンのことを言います。典型的には、自社がこれまでに作成してきた契約書やガイドラインを学習させたうえで、取引内容を入力すると、自社のスタイルに近い契約書案が出力される仕組みを構築することが挙げられます。
この方法は、自社の考え方や過去の運用に合わせた文案を得やすい反面、初期設定やデータの整備に手間がかかることがあります。また、社内でどこまでAIの提案を受け入れるかについて、あらかじめ方針を決めておく必要があります。
なお、相手方から提示された契約書をAIに読み込ませ、自社にとって不利と考えられる部分を洗い出させたり、自社案に書き換えるたたき台を作らせたりするパターンもあります。この場合、AIは「新しくゼロから作る」というよりも、「相手方案の整理と書き換えの補助」という位置付けになります。条文ごとの問題点の整理や、別案の候補の提示に役立つことがありますが、最終的には人が内容を確認して判断することが欠かせません。
自社や自身がどのパターンを利用しているか、または利用しようとしているかを意識しておくことがポイントです。同じ「AIで作った契約書」であっても、出力の背景や前提が異なれば、注意すべき点や人の関わり方も変わってくるからです。
AIで作った契約書は有効か?
(1)作成者が誰であるかは契約の有効性と無関係
契約そのものは、紙の契約書がなければ成り立たないわけではありません。一部例外を除いて、当事者同士が内容に合意すれば、口頭であっても契約は成り立ちます。あくまでも契約書は、その合意の内容を書き留めておくための道具であり、後から「言った、言わない」といった争いを避ける役割を果たします。
したがって、AIであれ人であれ、誰が文書を作ったかだけで契約の有効性が決まることはありません。相手方と署名や押印をし、お互いがその内容で取引することを受け入れているのであれば、契約は有効に成立することになります。
(2)契約の中身が重要
例えば、法律で禁止されている内容をそのまま書いてしまった場合には、その部分が後から問題になります。また、一方にだけ極端に重い責任を負わせていたり、相手方にとって重要な情報を分かりにくい形で書いていたりすると、後のトラブルの種になります。
この種の問題は人が作成しようとAIが作成しようと起こり得ます。
結局のところ、AIが作成した契約書の中身が妥当であれば、何ら問題なく有効な契約となります。
ただし、AIが作成した文章は、一見すると整った文書に見えることが多いため、そのまま信じてしまうことは大きな問題であることを押さえる必要があります。
(3)AIで作った契約書は有効かという疑問が生じる原因
執筆者が話を聞く限り、「裁判になったときに認められるのか」という不安と、「自社にとって不利な内容になっていないか」という不安が混在しているように感じます。
この点、前者については、AIを使ったからという理由だけで直ちに不利になることはありません。一方後者については、AIが一般的な場面を前提にした文章を出力する傾向がある以上、個別の事情や相手方との力関係まで十分に踏まえているとは限りません。そのため、「形式としては契約になっているが、自社の立場から見ると望ましくない内容になっている」ということがあり得ます。
(4)まとめ
以上の通り、AIで作成した契約書が有効か否かは、「契約として成り立つかどうか」という問題と、「自社の取引として受け入れられる内容かどうか」という問題を分けて考えることが重要です。
AIで作ったこと自体を過度に恐れる必要はありませんが、相手方に提示する前に、自分たちの言葉で内容を理解し、自社の方針を踏まえて問題がないかを確認する手間は欠かせません。
AIによる契約書起案と弁護士法72条
(1)自らのためにAIを使って契約書作成することはOK
企業や個人が自分の取引のためにAIを使って契約書案を作成すること自体は、特に問題となりません。あえて例えるなら、自社の担当者が、これまで本やインターネット上のひな型を参考に契約書を作っていた状況が、AIの提案を参考にする形に変わるだけだからです。
このような場合、あくまで自分自身の取引のために文書案を得ているに過ぎず、他人のために継続的に法律的な助言をしているわけではありません。
(2) AIを使って他人のために契約書を作成するサービスは大丈夫?
例えば、法律の資格を持たない事業者が、AIを組み込んだシステムを用いて、顧客の個別の事情を聞き取り、その内容に応じた契約書案を作成し、内容について相談にも応じるようなサービスがあったとします。このサービスは、実質的には法律に関する仕事を引き受けていると評価されますので、弁護士法違反となる可能性が高いと言わざるを得ません。
もっとも、AIを提供するだけで、契約書の内容について個別の助言を一切行わず、あくまでシステム利用の場を提供しているに過ぎないといったポジショニングを取ることで、弁護士法による規制を免れようとするサービスもあり得ます。この場合、弁護士法違反の問題は置くにしても、「専門家に相談しなくても安心です」といったセールストークを真に受けてよいかは十分検討する必要があります。ユーザーとしては、「このサービスはどこまでをしてくれるのか」「最終的な判断は自分で行う必要があるのか」を冷静に見極めることが大切です。
(3)まとめ
単純にAIを使うことそれ自体が問題となるわけではありません。
「誰が」「誰のために」「どこまでの判断をしているのか」という点が重要になります。
AIを取り入れたサービスを提供する側も利用する側も、その線引きに注意しながら、便利さと安全性のバランスを取っていくことが求められます。
なお、一般論としては、重要な取引や金額の大きい契約、長期にわたる契約などについては、AIの提案だけに頼るのではなく、必要に応じて資格を持つ専門家に直接相談することを検討した方がよいと考えます。
AIが作成した契約書で実務上問題になりやすいポイント
契約書を自動で作成するAIサービスは便利ではあるものの、やはり万能とは言えません。
ここでは現場実務でつまずきやすいポイントを5つ挙げておきます。
(1)学習情報に誤りがあること
特に対話型AI(ChatGPT、Google Geminiなど)で契約書を作成した場合に生じるのですが、対話型AIは海外の情報をもとに学習しています。このため、日本とは別の国の契約実務を前提に文章を作成する事例を度々見かけます。
その結果として、日本の取引慣行と合わない条文や、日本の裁判や交渉では使いづらい言い回しが紛れ込むことがあります。文面としては自然でも、日本でそのまま使うと意図しない形で解釈されるおそれがあります。
(2)用語の乱れ、繋がりを欠くこと
AIはそれらしい文を並べることは得意ですが、「この言葉が別の条文でも同じ意味で使われているか」「前の条文と後ろの条文の内容が合っているか」といった細かい整理は苦手なように感じます。
そのため、定義した言葉が本文でうまく使われていなかったり、途中で別の言い回しに変わってしまったりすることがあります。このようなずれは、トラブルになったときに解釈の違いを生みやすい点に注意が必要です。
(3)実態に合わない条文が混ざること
例えば、有体物を売買する場面を想定した契約書であるにもかかわらず、サービス提供を念頭に置いた条文が入り込んでしまうことがあります。
一見それらしく見えても、自社のビジネスの流れに当てはめて読んでみると、誰が何をするのかがはっきりしないケースが少なくないことに注意を要します。
(4)責任範囲が不均衡であること
AIは一般的なひな型を参考にするため、損害が発生した場合にどこまで支払うのか、いつまで責任を負うのかといった部分が、自社にとって重すぎる内容になっていることがあります。逆に、自社がお客様にサービスを提供する立場なのに、責任をほとんど負わない内容になってしまい、信頼を損ねるおそれが生じる場合もあります。
金額や期限に関する条文は、特に丁寧に確認する必要があります。
(5)情報漏洩がありうること
これまでの(1)から(4)までと趣向が異なるのですが、例えば、相手方の名前、契約金額、技術情報、個人に関する情報などをそのままAIに入力すると、その情報がどのように保存され、どのように利用されるかが問題になることがあります。特にサービスによっては、入力した内容が学習に使われたり、社外の担当者から閲覧できたりする場合もあります。
秘密保持の対象となる取引や、個人情報を含む取引では、入力する前に必ず利用規約や設定を確認することが大切です。
(6)まとめ
AIが作成した契約書を利用する場合は、上記で解説した事項を意識しながら読むことで、リスクをある程度抑えることができます。
結局のところ、AIの便利さを活かしつつ、重要な部分については人が内容を理解し、自社の状況に合っているかどうかを確かめる姿勢が欠かせないことになります。
トラブルが起きたときの「AI起案」の評価と責任の所在
(1)取引先との関係
結論としては、契約書をAIが作ったこと自体は問題となりません。
相手方からすれば、「合意した内容が書かれているかどうか」「その内容に従って取引を進めてよいかどうか」が重要であり、文案をAIが作ったか人が作ったかは関心事項とならないからです。
なお、当然のことですが、AIを利用した側が後で「AIが作成したので細かい意味までは理解していませんでした」という言い訳はできないことを押さえる必要があります。
(2)社内との関係
AIの提案をそのまま採用し、十分な確認をしないまま契約を結んだ結果として大きな損失が出た場合、社内では「なぜ内容をきちんと確認しなかったのか」という観点から評価されることになります。特に、金額が大きい取引や長期間続く取引では、担当者だけでなく、上長や経営陣がどこまで内容を把握していたかが問われやすくなります。
AIを使ったこと自体ではなく、AIの結果をどう扱ったかが評価されるという意識が大切です。
また、会社の規模によって求められる水準も変わってきます。小規模な取引であれば、AIが作成した契約書案を基に担当者が確認し、必要に応じて修正する運用で足りる場合もあります。しかし、会社全体に大きな影響を与える取引や、社会的な注目を集めるような取引では、AIが作成した契約書案をたたき台としつつ、社内の専門部署や外部の専門家の確認を経ることが望ましい場面が増えます。この線引きをあらかじめ決めておくことが、社内の責任分担を明確にするうえでも重要です。
(3)AIサービス提供事業者との関係
多くのサービスは、利用規約などで「最終的な判断は利用者が行うこと」「内容の正確さを保証しないこと」を定めています。
そのため、トラブルが起きたからといって、AIサービス提供事業者に責任を求めることは困難というほかありません。どのような範囲までAIサービス側が責任を負うとしているのかは、利用前に必ず確認しておく必要があります。
(4)まとめ
重要なのは、AIを利用した契約書作成を、会社としてどのような手順で行い、どこまでを誰が確認するかを決めておくことです。そのうえで、取引内容や金額に応じて、どの段階で専門家の意見を取り入れるかを検討していくことが望ましいと考えます。
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弁護士視点での「AIが作った契約書」の上手な使い方
執筆者(弁護士)の感覚に過ぎませんが、AIが作成する契約書をどのように使うとよいかにつき、ポイントを3つ挙げておきます。
①最初のたたき台と位置付ける
まっさらな状態から条項を起案、整理するのは時間も労力もかかりますが、AIに条件を入力して案を出してもらえば、全体の骨組みは短時間で用意できます。その上で、自社の事情や相手方との関係を踏まえて、人が一つ一つの条文を読み直し、足りない点や不要な点を調整していく流れが現実的だと考えます。
②補充的に利用する
多くの企業では、自社用の基本ひな型を準備していると思われます。
せっかくひな形があるのであれば、個別の案件で特別な条件を付けたい場合に、AIに対して「この条文を別の案に書き換えてください」などと指示し、候補をいくつか出してもらう使い方が現場に馴染みやすく、ミスも少なくなると考えます。
なお、どのような意図で修正したのか後で検証できるようにするため、プロンプトは残しておくことをお勧めします。
③取引の重要度に応じて使い分ける
例えば、
・少額で短期間の定型的な取引であれば、AIで契約書案を作成し、担当者が内容を確認する
・中規模で継続的な取引であれば、AIの契約書案を基にしつつ、社内の担当部署が二重に確認する
・会社全体に影響が大きい取引や長期の取引であれば、AIは参考資料の位置付けとし、契約書本体は社内担当者と外部の専門家で確認する
といった基準を定めておくことで、「今回はAIだけでよいのか」「専門家に相談すべきか」という判断で迷いにくくなります。
この場面でAI契約書は使える?(具体例の検討)
AI契約書をどこまで使えるかにつき、具体的な場面を挙げてQ&A形式で整理します。
Q1:フリーランスに数十万円規模で仕事を依頼します。AIで作った業務委託契約書でもよいですか。
A1:条件が比較的シンプルであれば、AIで作った案をたたき台として使うことは十分考えられます。ただし、AIがいわゆるフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)に基づく必要記載事項を網羅しているかは疑わしいところがあります。
したがって、内容面はもちろん、人が法定の必要記載事項に抜け漏れがないかを確認することをお勧めします。
Q2:取引の前に相手と秘密保持契約を結びます。AIに作ってもらった契約書で足りますか。
A2:秘密保持契約は比較的短く、形式も決まっているため、AIを使いやすい類型ではあります。ただし、次の点は自社の実態に合わせてしっかり確認する必要があります。
・どの範囲の情報を秘密として扱うか
・秘密を受け取る側が情報を使ってよい目的は適切か
・情報を渡せる社内の範囲と、社外に再度渡すことは可能か
・契約が終わった後に情報をどう扱うか(返却、消去など)
・どれくらいの期間、秘密として扱うか
AIが出した文案を読みながら、実際のやりとりを想像し、想定している情報の流れに合っているかどうかをチェックすることが重要です。
Q3:雇用契約書や就業規則をAIで作ってもよいですか。
A3:働き方や給料の決め方は、法律で細かく決められている部分が多く、AIだけで新しく作るのはリスクが高い分野です。
したがって、新しく雇用契約書や就業規則を作る場合や、大きく内容を変える場合には、専門家の関与を前提に考えた方が無難です。
Q4:自社が展開するWEBサービスの利用規約を改訂したいです。AIで修正してもよいですか。
A4:すでにある利用規約の一部につき、AIに読み込ませて修正案を出してもらう方法はあり得ます。ただし、修正した部分の内容が良くても、全体の整合性が取れている保証はありません(用語が乱れている、他の条項と矛盾が生じている等)。
したがって、AIが作成した条項案を採用するにしても、全体の整合性チェックは人が行った方が良いと考えます。
Q5:ECサイトを運営しています。返品規定などをAIに全部書き直してもらってもよいですか。
A5:AIに既存の規約を読み込ませ、「分かりやすい日本語に書き直してください」といった指示を出すことは有用な場合が多いと考えます。ただし、次の点は注意が必要です。
・元の規約で大事にしていた条件が消えていないかどうか
・返品やキャンセルの条件が、現実の運営と合っているかどうか
・お客様の立場から見て、不公平に感じられないかどうか
AIは読みやすい文章を作るのは得意ですが、運営の実情やお客様の感覚までは理解していません。書き直したあとに、「自分がお客様だったらどう感じるか」という視点で読み直し、必要であれば元の表現を残すなどの工夫が必要と考えます。
AIで契約書作成を考えている事業者が弁護士に相談・依頼するメリット
せっかくAIで契約書を作成するのに「弁護士に相談する必要があるの?」と思う方もいるかもしれません。
そこで、AIで契約書作成を考えている事業者が、弁護士に相談・依頼するメリットを解説します。
①自社の優先順位を整理できること
弁護士に相談する大きな意味の一つは、自社の状況に合わせて「何を優先するべきか」を整理できることです。AIが作成する契約書案は、一般的な場面を前提にした内容であることが多く、どの条件が自社にとって特に重要かまでは判断してくれません。
弁護士と話し合うことで、次のような点を一緒に整理できます。
・自社のビジネスモデルや取引の特徴
・相手方との力関係や今後の付き合い方
・「ここは譲れない」「ここは相手方に合わせてもよい」という線引き
この整理を踏まえてAIの契約書案を見直すことで、自社に合った契約内容に近づけやすくなります。
②見落としやすい危ない点を洗い出せること
弁護士は、契約書の中に潜んでいる「見落としやすい危ない点」を指摘する役割を果たします。AIが作る契約書は、一見すると整った文章に見えることが多いですが、次のような問題が紛れ込んでいることがあります。
・自社が負う責任の範囲が広すぎること
・相手方に有利な条件がさりげなく入っていること
・解約の条件が現実的ではないこと
例えば、損害が出たときにどこまで支払うのか、いつまで責任を負うのか、どのような手続きで解約できるのかは、条文を丁寧に読まなければ分かりにくいことが少なくありません。弁護士に相談することで、こうしたポイントを整理し、自社にとって受け入れられる内容かどうかを確認できます。
③時間と費用を抑えながら質を確保できること
AIを使ったうえで弁護士に依頼することで、「時間と費用を抑えながら契約書の質を確保する」という使い方も可能になります。
例えば、事業者側であらかじめAIに条件を入力し、たたき台となる契約書案を用意してから弁護士に見てもらう方法があります。この場合、ゼロから文案を作るのではなく、次のような進め方ができます。
・「AI案のここを直した方がよい」という指摘を受けること
・「この部分は削ってよい」「この部分は追加した方がよい」という助言を受けること
このように、AI案を前提に修正を加えていく形にすることで、相談時間を短くできる可能性があります。そして結果的に、相談費用を抑えながら、最低限押さえておきたいポイントをチェックしてもらえることが期待できます。
④交渉の進め方について助言を受けられること
契約書は文書そのものだけでなく、相手方とどのように交渉し、どの条件から話を始めるかも重要です。弁護士に相談することで、次のような観点から助言を受けることができます。
・どの条件から先に提示すると話がまとまりやすいか
・自社としてどの条件までは譲ってよいか
・相談なしに約束してはいけない条件がどこか
AIで作った契約書案と弁護士の意見を踏まえつつ、「現場がどこまで判断してよいか」という基準を整理しておくと、営業担当者や現場の担当者も動きやすくなります。交渉の方針づくりは、AIだけでは補いきれない部分です。
⑤トラブルになったときの備えを強くできること
トラブルが起きたときの備えという点でも、事前に弁護士と方針を共有しておくことには意味があります。万が一、契約の解釈をめぐって相手方と意見が合わなくなった場合、「この条文はもともとこういう場面を想定していた」という説明ができるかどうかで、話し合いの進み方が変わることがあります。
AIだけで作った文書では、そこまでの背景が共有されていないことが多いですが、弁護士と一緒に検討した契約書であれば、自社としての説明材料を持ちやすくなります。
リーガルブレスD法律事務所によるサポート内容
リーガルブレスD法律事務所は、システム・アプリ開発、クラウドサービス、プラットフォーム、SES・SIer など、ITビジネスに注力している法律事務所です。
年間100本以上のIT契約書の作成・審査、通算200社以上の顧問契約実績があり、ソフトウェアライセンス契約や利用規約、システム開発契約など、IT企業が日常的に直面する契約実務に深く関わってきました。そして、単に条文の形式だけを見るのではなく、「実際のビジネスの動き」と「業界の取引慣行」を踏まえて、リスクとメリットのバランスをとることを重視しています。
なお、代表弁護士は情報処理技術者の資格を保有し、AI・クラウド・個人情報管理などIT法務に関する書籍・論文の執筆実績があり、法改正や実務動向を踏まえたうえで、クラウドライセンス、サブスクリプション、データ利活用といったテーマにも対応しています。
(1)法律相談サービス
リーガルブレスD法律事務所では、これまでにお取引のない事業者様からのご相談を積極的に受け入れています。
早めのご相談であればあるほど、ダメージの少ない解決策をご提案することが可能です。
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ご相談内容例 |
・AIで作成した契約書案を相手方に提示する前に、「この条件で特に注意すべき点があるかどうか」「このまま提示してよいかどうか」を一度確認したい ・自社でAIを使って契約書を作成するにあたり、「どの場面まではAIだけで進めてよいか」「どの場面からは専門家に相談した方がよいか」というおおまかな目安を知りたい |
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サポート内容例 |
・ご相談時に契約の背景や取引の概要をうかがい、「このまま提示してよい部分」と「修正を検討した方がよい部分」を分けてお伝えし、相手方への伝え方のポイントを助言します ・現在の業務内容や契約書の種類、社内体制、取引金額や重要度などをお聞きしたうえで、「AIだけで進めやすい場面」と「人や専門家が関与した方がよい場面」を整理します |
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相談者が得られるメリット |
・AIで作成した契約書案について、特に注意した方がよい条文や表現を短時間で把握できるため、「このまま出してよいかどうか」で迷う時間を減らせます ・自社の業務内容や体制に合わせて、「どこまではAIだけで対応できるか」「どこからは専門家に相談すべきか」といった目安が分かるため、社内で判断をそろえやすくなります ・単発の相談を通じて、自社の今後の契約実務で気を付けるべき観点や、AIを活用するときの基本的な考え方を知ることができるため、その後の案件にも応用しやすくなります |
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弁護士費用 |
1回90分以内で15,000円(税別) |
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実施方法 |
①ご予約(お問い合わせフォーム又はお電話にて日程調整) ②事前準備(関係資料を共有いただきます) ③相談実施(オンライン又は対面) ④解決策提示(リスク診断、交渉方針などを具体的にご提示) ⑤アフターフォロー(別途契約の上、交渉代理や訴訟対応、継続支援へ移行) |
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(2)その他サービス(法律相談以外のサービス)
リーガルブレスD法律事務所では、法律相談サービス以外にも様々なサービスをご提供しています。
ここでは、AIで作った契約書を安全に使うためのサポートメニューをご案内します。
■AIで作った契約書を安全に使うためのサポートメニュー
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まずは「合っているかだけ知りたい」事業者向け |
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(3)法律顧問プラン(顧問弁護士サービス)のご案内
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ご依頼内容例 |
・AIを含む自社サービスの契約書、利用規約について、日常的に内容を確認しながら、変更や新サービス開始のたびに気軽に相談できる体制を整えたい ・社内でAIを使った契約書作成を進めるにあたり、AIに任せる範囲や社内承認の流れなどについて、継続的に相談しながら自社に合ったルールを作りたい ・クレームやトラブルが発生したときに、AIで作った契約書も含めて、すぐに相談できる窓口を持ち、日ごろから予防と事後対応の両方を支えてほしい |
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サポート内容例 |
・顧問弁護士として、自社サービスの内容や過去の契約経緯を踏まえつつ、新規取引や変更のたびに契約書案やAIが作成した文案を共有していただき、継続的にチェックと修正提案を行います ・現在の業務フローや担当者の体制をおうかがいしたうえで、AIに任せる範囲や人が確認する段階、金額や重要度に応じた相談の目安を一緒に整理し、社内ルールやマニュアルのたたき台となる案を作成します。 ・顧問先として平常時から事業内容と契約状況を把握し、クレームやトラブルのご連絡を受けた際には原則24時間以内の対応を心がけて、AIで作成した契約書も確認しながら初動方針と今後の対応案を具体的にお示しします。 |
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利用者が得られるメリット |
・契約書や利用規約について、AIで作成したものも含めて「日常的に相談できる専門家」がいることで、迷ったときにすぐに確認でき、判断のスピードを上げることができます ・自社の事業や社内事情を理解している顧問弁護士がいることで、個別の契約ごとにバラバラな対応にならず、AIの使い方も含めて一貫した方針で運用することができます ・問題が起きてから対応するだけでなく、日ごろから契約書や社内ルールを見直すことにより、トラブルを未然に防ぐ可能性を高めることができます ・中小企業やIT企業の顧問実績が豊富な事務所に継続的に相談できるため、自社の業種特有の事情や今後の事業展開も踏まえたアドバイスを受けることができます |
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実施方法 |
①お問い合わせ、オンライン面談(ご要望事項、プランの説明) ②顧問契約の締結 ③窓口の開設(専用メール、チャットの提供) ④日常的な対応(契約書レビュー、相談に即応(即日~数日以内対応可)) ⑤ミーティング(必要に応じて経営課題、法務リスクを総点検) ⑥追加支援(必要に応じて交渉代理、訴訟対応、研修実施などを提供) |
お問い合わせはこちら
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<2025年12月執筆>
※上記記載事項は弁護士湯原伸一の個人的見解をまとめたものです。今後の社会事情の変動や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。