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<会社取引と金融②>社長である父親の死亡により会社を引継ぐことで、連帯保証債務はどうなるか

 

 A社の代表取締役である父が亡くなり、息子である私がA社を継ぐことになりました。父はA社の事業資金の銀行借入に際し連帯保証人となっていたのですが、この連帯保証はどうなるのでしょうか?

 

 
 
 

ポイント

 会社を引継ぐことと連帯保証契約の承継は全く別問題です。ただし、本件の場合、相続により連帯保証債務を負担することになります。
 
 

解説

社長(以下「社」):父が亡くなり、会社を引継ぐことになったんだけど、銀行借入についてはどの様に考えれば良いんだろうか。
 
弁護士(以下「弁」):問題を整理するために、①会社を引継ぐ=社長になることの問題と、②父親の相続の問題を分けて考えた方が良いかと思います。
 
社:どういうこと!?
 
弁:まず、①の問題ですが、端的に申し上げれば、銀行の了解を得ることなく、法定の手続き(一般的には株主総会による取締役選任を経て、取締役会で代表取締役に選任される一連の手続き)によって社長に就任することは可能です。
従って、銀行借入に対する連帯保証人にならなくても、社長になることはできます
 
社:へぇ、そうなんだ。だから、銀行は新たに連帯保証人になるよう強く要請してきているわけか。
 
弁:社長就任と連帯保証人の承継は別問題である以上、銀行はその様な対応を取るでしょうね。
ところで、お父様が亡くなったとなると相続問題が発生していることになりますが、この点は解決できているのでしょうか。
 
社:相続人は、母親と子供である私だけなので、父の財産は全て母親に帰属させようと思っているよ。
 
弁:なるほど…。ただ、残念ながら、債務(=借金など)については、相続人間の話合い、つまり遺産分割協議で勝手に誰かに帰属させることはできず、法定相続分に基づいて債務は分割帰属することになります。従って…
 
社:???どういうこと?
 
弁:専門用語を乱発してしまいました。要は、お母様に借金の2分の1、息子である社長にも借金の2分の1を負担してもらうという結果になります。
 
社:とすると、連帯保証についても…。
 
弁:お父様が亡くなられた時点で既に発生している具体的な債務については、2分の1ずつ負担することになります。
ちなみに、いわゆる包括根保証と呼ばれるパターンの場合、将来的な連帯保証人の地位は相続対象になりませんので、お父様死亡後に発生した債務については相続により負担することにはなりません
 
社:それはまずいなぁ。あ、そうだ、相続放棄したらどうなるの?
 
弁:たしかに相続放棄の手続きを取れば、お父様の借金や連帯保証債務については負担する必要は無くなりますね。ただ、会社を引継ぐに際し、株式の処理はどうなっていますでしょうか。
 
社:株式は父親のものだったけど。
 
弁:となると、相続放棄により負債の承継はなくなりますが、株式という資産も手放すことになってしまいますので、会社を引継ぐことが事実上不可能になってしまうかと思います。そうすると、会社を引継ぐことを大前提にする以上、相続放棄という手続きは使えないことになりますね。
 
社:そっか…。なかなか上手くいかないなぁ。
 
弁:お母様にせめて負担させたくないというのであれば、社長が新たに連帯保証人になることを条件に、お母様への連帯保証債務の請求を放棄するよう銀行と交渉するのが、落としどころになってしまうかもしれませんね。
 
社:分かった。検討してみるよ。

 



 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

 

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