なぜSES業界で引き抜きが横行しているのか
様々な理由が考えられますが、現場実務を見ている執筆者が感じるのは、大まかに次の5つの理由に集約されます。
①属人化が進みやすく、「その人ごと」確保するのが最短だから
長期常駐で業務知識・暗黙知・社内関係が個人に溜まりやすく、引継ぎや採用育成よりも当該人材を迎え入れる方が即効性・確実性が高いと判断されやすいという意味です。
②多重下請けのマージン構造が、直接確保(中抜き)の動機を強めるから
上位や発注側は中間コスト・調整コストを省けるため、優秀な現場人材を自社枠に取り込みたくなるという意味です。
③契約更新サイクルが短く、乗り換えの節目が頻繁に来るから
月次~数か月の更新のたびに条件見直し・再配置が起き、勧誘や受け皿提示が実務上やりやすい環境にあるという意味です。
④客先常駐で実力も相性も日々見えるため、声掛けの判断がしやすいから
同じ現場で働くことで評価が確信に変わり、この人なら確実…という採用リスク低減が働くという意味です。
⑤慢性的な人材不足と内製化の加速で、今いる即戦力を迎えるのが最短ルートだから
新規採用・育成より、現場適応済みの人材を移籍させるほうがスピード・品質の面で合理的という判断に流れやすいという意味です。
具体的には…
■発注者…内製化を進めたい局面で中間コストと立ち上げ時間を削るため、長く常駐して業務知を持つ個人に直接声をかけ、準委任からの転籍や契約社員化など受け皿を用意して迎え入れようとする。
■上位の受託会社(元請、一次請けなど)…入札や体制評価で優位に立つため即戦力を自社枠に取り込みたいという思惑が強く、現場で評価した二次・三次の要員に対して、単価改善や上流工程へのキャリア提示を材料にステップアップ移籍を促す。
■現場で同列の同業他社…欠員や増枠に即応するため、同じ現場で働く他社メンバーに接触し、条件比較や紹介スキームを通じてピンポイントで移籍を誘う
といった理由で引き抜きが発生するのが実情です。
取引関係者と引き抜きを禁止する合意の有効性と注意点
引き抜きを防止したい場合、真っ先に思いつく対策が「引き抜きをしようとする関係者との間で引き抜き禁止の協定を結ぶ」ことです。
事業者間取引なので、このような取り決めは原則有効と考えられますが、いくつか注意点があります。
(1)内製化を目指す発注者(ユーザ)と合意する場合
発注者からすれば、現場で働くエンジニア等の当方の人材に関する日々の成果を見ることができるため、「そのまま自社に来てほしい」と声をかける誘因となります。
その点を考慮して、発注者と「互いに採用しない」と取り決めることが考えられるのですが、公正取引委員会は、人の動きを不必要に縛る内容であり、独占禁止法上の問題が生じるとの見解を公表しています。
そこで、独占禁止法上の疑義を少しでも解消するべく、例えば、
・合意の目的を「当該プロジェクトの円滑な運営と機密の保護」に絞る
・対象を「その現場で直接関わった当方メンバー」に限定する
・期間を案件が終わってから半年から1年ほどを上限とする
・社内人材が発注者からの誘い等なく、一般公開の求人からの応募してきた場合等は対象外とする
といった合意内容の工夫が求められます。
なお、実際の現場において、発注者の現場担当者が当方の社内人材に直接指示を出している場合、偽装請負と判断され、労働者派遣法に基づき労働契約の申込みを行ったとみなされることがあります(労働者派遣法第40条の6参照)。この場合、社内人材が申し込みを受諾することで、当方の社内人材は発注者の労働者となり、結果的に引き抜きが合法的に成立することになります。したがって、指示系統の流れや業務評価を契約の内容と整合するように定期的に見直すと共に、業務体制や責任分担を明確にするといった、偽装請負対策を行うことも肝要です。
(2)上位に位置する受託会社(元請け・一次請け等)と合意する場合
上位に位置する受託会社(元請け・一次請け等)は、プロジェクトの実行体制を自ら設計・更新できる立場にあり、人員の選定や下位事業者の構成を見直す裁量が大きいという特徴を有します。このため、評価の高い社内人材を自社との直接契約や別枠の再委託に切り替えたい誘惑が生まれやすいと言えます。
その点を考慮して、上位に位置する受託会社(元請け・一次請け等)と「互いに採用しない」と取り決めることが考えられるのですが、上記(1)で指摘した独占禁止法上の問題が生じてしまいます。
したがって、同様の合意内容の工夫が求められますし、偽装請負を起因として労働者派遣法に基づくみなし申し込み制度への対策も講じたいところです。
ところで、上位に位置する受託会社(元請け・一次請け等)の場合、レビュー会議等を通じて、当方人材のスキル・評価・単価感等に関する情報へ容易にアクセスできるという点で発注者と異なる立場にあります。そして、この情報こそが、引き抜きへの強い誘因となり得ます。
そうであれば、評価・単価等の内部情報を採用選考に転用しないといった規定を合意書に設けること、及び情報の目的外使用があった場合の是正措置を合意書に定めることが検討に値します。
(3)現場で同列の同業他社と合意する場合
同じ現場で肩を並べる同業の場合、最も「相互に採用しない」という取り決めに傾きがちですが、やはり独占禁止法上の問題は避けて通れません。しかも、同列の同業者間での合意は、競争相手同士が人の獲得を抑え合う構図になり、競争を弱めるおそれが最も高い点で上記(1)(2)より悪質性があるとみられがちです。
合意内容の工夫だけでは必要十分とは言い難い場面もあり得ることを認識した上で、それでもなお引き抜き禁止合意を行うかを判断する必要があります。
(4)まとめ
引き抜きを防止するためには、どうしても広範な規制をかけたいと考えがちです。
しかし、広範な規制であればあるほど独占禁止法上の問題がクローズアップされ、場合によっては合意自体が公序良俗に反し無効と判断されてしまうリスクが生じます。
当方の人材を守るには、相手ごとに「目的はプロジェクトの安定と機密保護」、「対象はその現場で接点のあった人だけ」、「期間は一定期間に限定」、「自発的な応募などは例外」という骨格を共有しつつ、現場運用の整合性(偽装請負防止)も合わせて整えることが重要です。
社内人材と引き抜きに応じない旨合意する場合の注意点
上記2.では、引き抜きを実行する者に対して何らかの予防策を講じることができないかという視点で解説しました。
ここでは、引き抜きの対象となる者との間で、「引き抜きの誘いに応じない」と約束させることで対策を講じることができないかを検討します。
(1)労働者と合意する場合
従業員に対し「引き抜きの誘いに応じない」旨の約束を求めるときは、職業選択の自由を不必要に妨げないか…という視点が重要となります。何らの制限をかけることなく、単に会社都合のみで引き抜きに応じてはならないと約束しても、無効と判断される可能性は高いと考えられます。
合意書を作成するに際しては、競業禁止特約の有効性を考慮する場合の判断要素に準じて、例えば
・目的の正当性(プロジェクトの混乱を避けたい、機密情報の流出を防ぎたい等)
・対象範囲(今の現場で直接一緒に仕事をしている取引先に限定する等)
・対象期間(退職後半年から1年程度に限定する等)
・代償措置(手当の加算や退職金の上積み等)
といった事項も合意書に定めたほうが無難です。
ところで、従業員との間で「引き抜きの誘いに応じない」旨の合意をしたにもかかわらず、当該従業員が誘いに応じてしまった場合に備えて、違約金条項を合意書に定めたいとご要望を受けることがあります。
しかし、これは明らかに労働基準法第16条が禁止する、労働契約が不履行の場合の違約金に該当します。引き抜きの誘いに応じたことで当方が損害を被ったのであれば、その実損額を証明した上で損害賠償請求するほかないことに注意を要します。
(2)業務受託者(フリーランス等)と合意する場合
形式上は事業者間での合意となりますので、引き抜きの誘いに応じない約束は原則有効と考えられます。また、労働者ではありませんので、契約違反の場合に違約金を定めておくことも原則有効です。
もっとも、取引の力関係を使って過度な縛りをかけるのであれば独占禁止法違反(拘束条件付き取引、優越的地位の濫用等)が問題となり得ます。また、違約金額が過大である場合は公序良俗違反により(一部)無効となる可能性が高くなります。さらに、フリーランス法の保護対象者であれば、報酬額より違約金を差し引いた場合、フリーランス法が禁止する報酬減額に該当しないかが問題となり得ます。
したがって、事業者間取引であるから、合意書に何を定めてもよいと考えるのは誤りです。
当事者間での合意以外に引き抜きを防止策
引き抜きを防止するための最善の策は、当事者間での合意であることは間違いありません。
しかし、上記までで解説した通り、合意だけでは必要十分とも言い切れません。また、合意を行うこと自体が難しい場合も想定されるところです。
そこで、ここでは合意以外で引き抜きを防止する対策を講じることができないかにつき、検討を行います。
(1)営業秘密を「法律で守れる状態」に整える
単価表や設計資料などの重要情報は、日ごろの管理を徹底することで不正競争防止法に定める「営業秘密」に該当させ、法の保護を受けられるようにすることが可能です。
例えば、アクセス権限を分け、秘密であることをはっきり表示し、社外への持ち出しを統制し、退職や契約終了時には返還と削除を義務づけます。
こうした十分な情報管理を行っていたのであれば、引き抜き行為の違法性ではなく、営業秘密侵害であることを根拠にした差止めや損害賠償を引き抜き先及び社内人材に対して求めることが可能となります。
(2)引き抜き先に対して業務妨害であることを伝える
社内人材を引き抜かれた場合であっても、当方は委託者に対し、直ちに人員を補充し、受託している業務を遂行する契約上の義務を負担しています。
しかし、実際のところ、人員を直ちに補充することは困難な場合が多いのが実情です。
引き抜き先は、こういった実情を知りながら引き抜き行為を行っていることが多いと思われますので、社会的相当を逸脱した行為(業務妨害行為)に基づく損害賠償請求権行使を指摘して、引き抜きの中止を要請するという方法が考えられます。
(3)社内の副業・兼業ルールを「納得感のある形」で整える
副業や兼業を一律に禁じるのではなく、健康、長時間労働、利益相反の観点から事前の届出や許可の仕組みを設けることも一案です。
社内人材が引き抜きに応じる大きな要因は、収入とキャリアアップと言われています。もちろん社内人材が満足できるよう当方の職場環境を整えることが一番なのですが、直ちに職場環境を変更することは難しいと思われます。
そうであれば、副業や兼業を認めて、社内人材の満足を図るという方策を打った方が離職率低下につながると考えられます。
引き抜きが行われた場合の対抗策は
(1)取引関係者(引き抜き実行者)に対する責任追及
①引き抜き禁止の合意がある場合
合意に反して人材を勧誘・受け入れた相手に対しては、契約違反を理由に損害賠償を求めることが可能です。もっとも、ここでいう「損害」とは何を指すのか(例えば、代替要員の採用・教育費、プロジェクト遅延による追加費用、逸失利益等が含まれるのか)については、専門的な知識を必要としますので、弁護士に相談することをお勧めします。
次に、合意文書に「差止」や「是正の手順(受入れ停止・原状回復)」を定めていたのであれば、その履行を求めることができます。
さらに、勧誘や受入れの過程で顧客名簿、単価表、設計資料などの営業秘密が使われていたのであれば、不正競争防止法に基づき、使用の停止、資料の返還・廃棄、将来の使用予防、そして損害賠償まで請求することが可能となります。
②引き抜き禁止の合意がない場合
合意がない場合でも、やり方が行き過ぎていれば不法行為責任(民法第709条)を問える場合があります。例えば、社内人材に対して虚偽情報を提供して退職を促す働きかけを行った、短期間に組織的・大量に社内人材を引き抜いた、引き抜くことで当方と委託者との契約が不履行になることを知りながらあえて実行した場合などが考えられます。ただ、この責任追及はケースバイケースの判断が求められますので、法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
次に、営業秘密の持ち出しや利用が絡むなら、不正競争防止法に基づく差止・返還・廃棄・損害賠償を検討することになります。但し、「営業秘密」該当性が必ず問題となりますので、十分な検証が必要です。
(2)社内人材(引き抜きに応じた者)に対する責任追及
①引き抜きに応じない合意がある場合
契約違反に基づく損害賠償、営業秘密の不正使用等がある場合は不正競争防止法に基づく各種請求が考えられることについては、上記(1)①と同じです。
②引き抜きに応じない合意がない場合
営業秘密の不正使用等がある場合は不正競争防止法に基づく各種請求が考えられます。
しかし、不正競争防止法を適用することができない場合、原則的には責任追及が難しいと言わざるを得ません。
例外的に不法行為責任追及が考えられますが、「人材が享有する法的利益(職業選択の自由)<引き抜かれた側の法的利益」という場面、すなわち社内人材の引き抜きに応じた行為が社会的相当性を逸脱した行為といえる場面はかなり限定されるように思われます。
引き抜きを合法的に実行するには?
上記1.~5.までは、自社の人材引き抜きを如何にして防止するのかという観点からの解説でした。
しかし、現場実務では、逆に他社に属する人材より、様々な理由で「自分を雇ってもらえないか」とアピールを受ける場合もあります。
この場合、人材の受け入れに際して、どのような点に注意すればよいのか簡単にまとめておきます。
(1)対象者がどんな約束をしているか確認する
候補者が現在の勤務先と結んでいる約束を確かめることが重要です。
特に、退職後の働き方をしばる約束(いわゆる競業や勧誘の制限)があるか、あるなら対象業務や期間がどの程度かを、本人の説明と書面の両方から確認します。内容が妥当かどうかを見極めたうえで、入社時期や担当範囲を調整すると安全です。
(2)引き抜きのやり方が「自由競争の範囲」を外れないようにする
別の会社にいる人へ声をかけること自体は、原則として自由な採用活動の一部です。
ただし、相手の会社の利益を違法に害するやり方(短期間に大量に引き上げる、虚偽の情報で退職をあおる、在職中に課せられた特別な業務遂行義務を知りながら故意に妨げる等)は、損害賠償の対象になり得ます。勧誘の事実関係(いつ・誰が・どの媒体で)を丁寧に残し、行き過ぎた誘い方を避けることが肝心です。
(3)元の会社の秘密や資料に触れない・使わせない
前職の単価表、見積の根拠、顧客一覧、設計書などは、不正競争防止法に定める営業秘密に該当する可能性があることはもちろん、相手の会社が定める「秘密保持義務の対象となる秘密情報」に当たる可能性が極めて高くなります。
面接の場や入社後に、こうした資料の持ち込みや流用をしない方針を明言し、万一に備えて受領拒否や返還の手順を決めておきます。
社内人材の引き抜き問題について弁護士に相談・依頼するメリット
代表的なメリットを挙げておきます。
①予防で“勝ち”を作れる引き抜きは起きてから止めるより、起きにくい設計に変える方が圧倒的に効果的で安上がりです。弁護士は、現場の運用や契約のどこに“穴”があるかを洗い出し、法的に有効で、しかもやり過ぎにならない形へ整えてくれます。結果として、トラブルの芽を早い段階で摘めます。 ②合意や規程を“実効性のある文言”にできる「引き抜き禁止」「応じない誓約」「秘密保持」などは、書きぶり次第で実効性が大きく変わります。強すぎると無効になり、弱すぎると抑止力が出ません。期間や対象の絞り方、例外の置き方、代償の設計まで含めて、実際に裁判で通る水準で作り直せます。 ③独禁法や労務、個人情報の“地雷”を避けられる同業他社や取引先との「相互に採用しない」取り決めは、やり方を誤ると独占禁止法の問題になります。従業員の私物端末の調査や過度な監視は、個人情報や労務の問題に発展します。弁護士が関与すると、合法的な落としどころを見極め、不要な副作用を避けられます。 ④証拠の集め方と残し方がブレなくなる後から差止や損害賠償を求めるには、時系列と証拠が命です。どの連絡を、どの媒体で、誰が行ったのか。どの情報が営業秘密に当たるのか…弁護士は、取得してよい範囲と保全の手順を設計し、後の交渉や訴訟で通用する形に整えます。 ⑤迅速な差止と交渉で“被害の拡大”を止められる引き抜きが進行中なら、営業秘密使用停止や人材受入れ停止、資料の返還などの即効策が必要です。弁護士は事実を固めつつ、相手方への警告や協議を並行して進め、事業への影響を最小化します。感情的な対立を避けながら、実効性のある合意に落とし込みます。 ⑥損害額の算定が現実的になる「何人抜けた=損害」では裁判は通りにくく、代替要員の採用・教育費、案件の遅延コスト、逸失利益などを合理的に積み上げる必要があります。弁護士は計算根拠を整理し、社内の数字とつじつまが合う形で請求できるようにします。 ⑦受入れ側としての“合法な採用”も設計できる自社が他社の人材を迎える場面でも、競業や非勧誘の約束、秘密情報の持ち込み、委託と派遣の線引きなどのリスクがあります。弁護士が関与していれば、合法な採用プロセスと受入れ運用を同時に整えられ、後日の争いを避けられます。 ⑧取引先との関係を壊さずに解決へ導ける相手が発注者や元請けのことも多く、強硬に出るだけでは関係が切れてしまいます。弁護士は、法的選択肢と事業リスクの両方を見ながら、将来の取引を残す形での着地点(是正、再配置、清算)を設計します。 |
つまるところ、弁護士に相談・依頼する最大の価値は、“攻め”と“守り”を同時に設計できる点にあります。
引き抜かれないための契約と運用を整え、引き抜かれたときの止め方と回収の道筋を用意し、同時に自社の採用活動も合法な形に整える。これらを一連の設計としてまとめることで、現場の負担を増やさずにリスクを大きく下げられます。
リーガルブレスD法律事務所によるサポート内容
(1)リーガルブレスD法律事務所の5つの特徴
リーガルブレスD法律事務所は、多数のSES事業に関与して培われた現場感を元に、流出予防から差止・損害回収、そして合法な受入れ設計までワンストップで伴走します。
リーガルブレスD法律事務所の強み
①IT/SES領域に通じた実践知派遣・請負の線引き、フリーランス取引の新ルール、独禁法の「ノーポーチ」論点など、よくある落とし穴を前提に設計します。②「守る契約」と「回る運用」をセットで提案引き抜き禁止や応じない誓約だけに頼らず、秘密情報の管理、退職時の手順、証拠の残し方まで実装レベルで整えます。 ③スピード重視の紛争対応進行中の流出には、仮処分を含む差止や受入停止の交渉など、事業影響を最小化する打ち手を検討・実行します。 ④攻めと守りのバランス取引先(発注者・元請・同業)との関係を壊さない落としどころを探りつつ、必要な場面では厳格に権利行使します。 ⑤分かりやすい説明・見通し何が違法になり得るのか、どれだけ止められるのか、回収できる可能性はどの程度かを、数字と選択肢で提示します。 |
(2)法律相談サービス
リーガルブレスD法律事務所では、これまでにお取引のないSES事業者様からのご相談を積極的に受け入れています。
早めのご相談であればあるほど、ダメージの少ない解決策をご提案することが可能です。
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ご相談内容例 |
・発注者や元請けから現場メンバーに直接アプローチがあり、どこまでが合法か確認したい ・既に複数名の離脱が進行し、今すぐ止める手段と相手方への申し入れ方法を知りたい ・「相互に採用しない」取り決めを提案されたが、法的に問題がないか判断したい ・「引き抜きに応じない」誓約や就業規則・委託契約の条文を見直し、実効性を高めたい ・自社が他社人材を迎えたいが、候補者の前職の約束や情報持ち込みリスクを点検したい |
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サポート内容例 |
・合法、違法の線引きを解説しつつ、接触の仕方や記録の残し方を含む対処法をアドバイスします ・事実関係の時系列化、証拠保全、相手方への通知文案、受入れ停止、資料返還の初動交渉を支援します ・競争法リスクを避けるため、対象、期間、例外を絞った合意案へリライトし、運用フローをご提案します ・誓約、就業規則、委託契約、秘密保持、退職時チェックリストの修正ポイントをアドバイスします ・受け入れ側のためのチェック事項(前職の約束確認、秘密持込の拒否手順、現場の指示系統整理)をご説明します。 |
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相談者が得られるメリット |
・直ちに実行できる初動(止める・戻す)の手順が明確になり、事業への影響を最小化できます ・差止や損害請求に進む際、証拠・文書・交渉の流れが一本化され、時間とコストのムダを減らすことができます ・取引先との関係を壊さずに、法的に安全で現場に馴染む再発防止策を仕組みとして導入可能となります ・合法な採用と受け入れの設計も同時に整い、攻めと守りの両面で競争力を高めることが可能となります ・社内の不安や混乱が収まり、意思決定が数字と選択肢に基づく透明なものになります |
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弁護士費用 |
1回90分以内で15,000円(税別) |
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実施方法 |
①ご予約(お問い合わせフォーム又はお電話にて日程調整) ②事前準備(利用規約など関係資料を共有いただきます) ③相談実施(オンライン又は対面) ④解決策提示(リスク診断、交渉方針などを具体的にご提示) ⑤アフターフォロー(別途契約の上、交渉代理や訴訟対応、継続支援へ移行) |
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(3)その他サービス(法律相談以外のサービス)
リーガルブレスD法律事務所では、法律相談サービス以外にも様々なサービスをご提供しています。
ここでは、エンジニアが「引き抜かれた」後の法的措置支援サービスをご案内します。
■エンジニアが「引き抜かれた」後の法的措置支援サービス
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ご依頼内容例 |
・営業秘密や社内資料が持ち出された疑いがあり、差止、返還、廃棄を求めたい ・取引先(発注者/元請/同業他社)に対し、契約違反や不法行為を理由に損害賠償を請求したい ・当方従業員(在職中・退職後)の関与が疑われ、社内処分や請求の可否を判断したい ・相手方との交渉、和解を主導し、事業を止めずに早期解決へまとめたい ・追加流出を防ぐため、契約、規程、退職手続、証拠保全の体制を至急見直したい |
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サポート内容例 |
・受入れ停止、接触中止、資料返還を求める通知書の起案、送達、緊急時の仮処分申立て(差止・返還)を実施します ・契約違反(非勧誘・守秘・再委託)や不法行為、営業秘密侵害を根拠とする内容証明郵便の作成、訴状の作成と訴訟手続きの代理を行います ・損害額の算定(代替要員費、遅延・再実装コスト、逸失利益)を行います ・取引先との協議、和解の主導(是正措置、再配置、清算条件、将来の再発防止条項の組込み)を支援します ・社内規程、委託契約、退職時のチェックリスト、情報管理ルールの緊急改定と運用フローの導入を支援します |
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相談者が得られるメリット |
・事業影響を最小化する即応プラン(止める・戻す)が明確になり、初動の迷いがなくなります ・差止や返還の法的手続きを用いることで、追加流出と被害拡大を一定程度抑えられます ・請求の根拠と損害計算が整理され、交渉や訴訟で的確に主張しやすくなります ・取引先との関係を壊さない解決策(是正・再配置・将来条項)が選べ、現場への悪影響を抑止できる可能性が高まります ・仕組み面(契約・規程・手順)が同時に強化され、再発リスクの低下を得られる可能性が高くなります |
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弁護士費用 |
別途お見積り ※緊急度、難易度などを考慮して見積書をご提示します |
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実施方法 |
①オンラインヒアリング(30分程度)を実施し、問題点の抽出とご要望事項を確認します ②実施計画案とお見積りを提示します ③ご依頼者様にて検証して頂き、ご要望を踏まえて実施計画を確定させます ④実施計画に沿って、順次作業を進めていきます |
お問い合わせはこちら
(4)法律顧問プラン(顧問弁護士サービス)のご案内
リーガルブレスD法律事務所では、SES事業者を取り巻く様々なリスクを事前に防止し、リスクが発現した場合は素早く除去することを目的とした、継続的な伴走支援サービスをご提供しています。
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ご依頼内容例 |
・契約書の作成、レビュー(SES基本契約、準委任、請負、秘密保持、再委託など) ・取引先との条件交渉の相談(単価改定、責任分担、損害の範囲、検収トラブルなど) ・人材の引き抜き、競合移籍の兆候対応(初動、差止の可否、社内規程の整備など) ・常駐現場の運用整理(指示系統、勤怠・評価の線引き、委託と派遣の混同防止など) ・フリーランス、副業人材の契約と運用(募集表示、条件明示、支払期日、囲い込み回避など) ・労務、ハラスメント対応(調査フロー、就業規則の改定、懲戒・退職面談など) ・紛争の火種の早期消火(内容証明、協議・和解設計、仮処分や訴訟の見極め) ・自社が人材を迎えるときの安全設計(候補者の約束の確認、秘密情報の持込み防止など) |
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サポート内容例 |
・実務に即した雛形の提供と、案件に合わせた修正案を作成します ・契約交渉の支援、必要に応じて同席交渉などを行います ・引き抜き、移籍対策の初動設計(時系列整理、証拠保全、通知文案、受入停止の交渉)を支援します ・現場運用の適法化プラン(指示の出し方、窓口一本化、業務体制の整備、教育資料の作成)の策定と実行支援を行います ・フリーランスや副業人材の安全運用(募集文面、契約書、支払運用の整備、よくあるNGの回避)を支援します ・労務トラブルへの対処法を支援します ・早期解決のための支援と必要に応じて代理交渉を行います ・安全な採用、受入れの設計(候補者の合意確認チェックリスト、持込み資料の拒否プロセス)を支援します |
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利用者が得られるメリット |
・日常の疑問に即応でき、素早い経営判断が可能となります ・紛争回避可能性が高くなり、解決コストが下がります ・いざ紛争になっても、証拠、手順、文書が揃っており、短期解決の可能性が高くなります ・取引先や社内向けに、理論的な理由を説明できるようになり、説得力を持たせることが可能となります |
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実施方法 |
①お問い合わせ、オンライン面談(ご要望事項、プランの説明) ②顧問契約の締結 ③窓口の開設(専用メール、チャットの提供) ④日常的な対応(契約書レビュー、相談に即応(即日~数日以内対応可)) ⑤ミーティング(必要に応じて経営課題、法務リスクを総点検) ⑥追加支援(必要に応じて交渉代理、訴訟、研修実施などを提供) |
お問い合わせはこちら
<2025年10月執筆>
※上記記載事項は弁護士湯原伸一の個人的見解をまとめたものです。今後の社会事情の変動や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。