IT取引の契約解消トラブル-無効・取消し・解除の実務対応
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はじめに
IT取引では、契約の「無効」「取消し」「解除」を巡るトラブルが、取引の大小を問わず日常的に発生しています。
契約書にサインを交わした後でも、契約が有効でなくなる場合や、契約関係を途中で打ち切らざるを得ない場面は決して珍しくありません。
本記事では、IT業界で典型的に問題となるWEB制作、システム開発、SaaS、コンテンツ制作、SES取引などを題材に、契約の無効・取消し・解除が争点となる具体的な事例を解説しています。
さらに、委託者・受託者それぞれが紛争に巻き込まれないための予防策や、もし紛争になった際の実務的な対応方針についても、実際の交渉現場で求められる視点を含めて整理しています。
IT取引における契約解消の論点は、契約書の条文だけでなく、交渉経緯や取引履歴、証拠管理の方法など複合的に検討が必要です。法的評価を誤れば、想定外の責任を負うリスクが高まります。
契約の解消リスクを正しく理解し、交渉・紛争対応で優位に立つための実務知識を、ぜひ本記事で整理してください。
なお、契約の解消法として、①無効(心裡留保、虚偽表示、法令違反、公序良俗違反など)、②取消し(錯誤、詐欺、強迫など)、③解除(法定催告解除、法定無催告解除、約定解除など)、④中途解約権(準委任、請負)、⑤合意解約が考えられますが、本記事では①②③を念頭に置いて解説しています。
契約解消が問題になる場合の具体例
IT業界において、契約の解消が問題となる場面は次の通りです。
なお、「無効」となる場面は契約の成立自体に重大な問題があるとき、「取消し」となる場面は契約締結時の当事者の判断に問題があるとき、「解除」は契約に基づく業務遂行段階で問題が生じたとき、と分類することができます。
(1)WEB制作取引
①契約の無効
IT導入補助金を詐取する目的で、委託者と受託者が通謀して実態のないWEB制作契約を締結する場面など(虚偽表示、民法第94条)。
② 契約の取消し
委託者はLPサイトを制作してもらうつもりだったが、勘違いしてコーポレートサイトの制作を委託する契約を締結した場面など(錯誤、民法第95条)。
③ 契約の解除
季節限定品の通販サイトの制作を委託したにもかかわらず、当該季節になっても通販サイトを納品できなかった場面など(解除、民法第540条以下)。
(2)システム開発取引
①契約の無効
IT導入補助金を詐取する目的で、委託者と受託者が通謀して実態のないシステム開発契約を締結する場面など(虚偽表示、民法第94条)。
②契約の取消し
委託者の予算内で改修可能と勘違いして、システム改修契約を締結した場面など(錯誤、民法第95条)。
③契約の解除
委託者の協力義務違反、又は受託者のプロジェクトマネジメント義務違反によってプロジェクトが進行不能となった場面など(解除、民法第540条以下)
(3)SaaS(クラウドサービス)
①契約の無効
不正に取得した個人情報の利活用を目的としたサービス利用契約を締結する場面など(公序良俗違反、民法第90条)
②契約の取消し
意図的なダークパターンで、委託者が誤解することを知りながらサービスの申込みを行わせる場面など(詐欺、民法第96条)
③契約の解除
利用料の未払いが継続している場面など(解除、民法第540条以下)。
(4)コンテンツ制作取引
①契約の無効
反社会的なコンテンツ制作を目的とした契約を締結する場面など(公序良俗違反、民法第90条)。
②契約の取消し
オリジナルキャラクターの制作を依頼していたにもかかわらず、受託者は当初より盗作キャラクターを提供する意図で受注していた場面など(詐欺、民法第96条)。
③契約の解除
受託者が納品したコンテンツについて、第三者の著作権を侵害することが明らかとなった場面など(解除、民法第540条以下)
(5)SES取引(準委任)
①契約の無効
委託者と受託者が偽装請負になることを認識しながらSES契約を締結する場面など(公序良俗違反、民法第90条)
②契約の取消し
委託者が要請するスキルを満たさないことを受託者は認識していたにも関わらず、現場従事者に虚偽のスキル申告をさせた上で、SES契約を締結する場面など(詐欺、民法第96条)。
③契約の解除
委託者のプロジェクトが中止となり、作業が不要となった場面など(中途解約、民法第651条)。
契約の無効・取消し・解除トラブルにならないための視点(委託者側)
できれば契約の無効・取消し・解除トラブルなどには巻き込まれたくない…と考える方は多いかと思います。
ただ、残念ながら100%回避することは不可能です。
とはいえ、対策を講じることで、回避率をアップさせることは可能です。
以下では、IT取引全般における取引の流れに沿って、留意したいポイントを解説します。
(1)契約締結時
①受託事業者の能力、実績の確認
・受託事業者が示す過去の実績や開発能力の裏付けは取れるか
・特定の技術、開発言語、SaaSインフラ対応実績の裏付けは取れるか
・SES要員のスキル表記の裏付けは取れるか…など
②重要情報の説明、開示
・サービスの安定性や稼働率について裏付けは取れるか
・開発に必要な外部API、外部ライセンスの制約など事前に説明はあったか
・セキュリティリスクを過少に説明していないか…など
③契約自体が無権限、違法
・法令違反の可能性を事前検討しているか
・第三者が権利を有するものにつき、ライセンス権限の有無を確認しているか…など
(2)業務遂行段階
①納期遅延
・スケジュール管理が杜撰になっていないか
・進捗報告を怠っていないか、遅延を隠蔽していないか…など
②品質不良、成果物不具合
・要件定義との不一致はないか
・バグ、動作不良があった場合、直ちに委託者に通知しているか
・セキュリティの脆弱性が放置されていないか…など
③検収トラブル
・成果物の完成基準が曖昧になっていないか…など
④プロジェクト中断、頓挫
・受託者側の人員離脱やプロマネ交代が発生していないか
・委託者が後出しで要件を追加していないか(スコープクリープ)…など
⑤要員の質的問題(SES)
・SES要員の技能不足、勤怠不良、指示理解不足が生じていないか
・SES会社が管理責任を放棄していないか…など
(3)業務終了後
①ソースコード、成果物引渡し
・著作権の帰属につき契約書に明記されているか
・ソースコードの開示は契約書に明記されているか
・途中終了となった時点での成果物の引渡しにつき契約書に明記されているか…など
②修補拒否
・納品後の不具合修正の要件につき、認識の齟齬はないか…など
③秘密情報漏洩
・受託者が委託者の業務情報、ノウハウ、個人情報を保有したままになっていないか…など
④知的財産権侵害
・第三者から権利侵害主張を受けた場合のルールが契約書に明記されているか…など
契約の無効・取消し・解除トラブルにならないための視点(受託者側)
上記3.とは逆に、受託者視点で契約の無効・取消し・解除トラブルなどに巻き込まれないためのポイントを、IT取引全般における取引の流れに沿って解説します。
(1)契約締結時
①委託者からの情報提供
・委託者からの開発前提条件(現行システム情報、要件定義、運用実態等)の正確性を確認したか
・工数、費用見積もりに無理がないか…など
②委託者の期待値の言語化
・委託者が「当然できるもの」と思い込んでいるものを表に引き出せているか
・できないこと(受注対象外業務)を契約書等に明示できているか…など
③委託者による成果搾取
・契約書未締結のまま、作業を開始していないか…など
(2)業務遂行段階
①仕様変更、追加要件(スコープクリープ)
・委託者側の責任者(窓口担当者)は特定できているか
・仕様変更、追加作業が発生した場合、直ちに仕様変更、追加作業であることを委託者に伝えているか
・仕様変更、追加作業に伴う費用負担の協議が整う前に、事実上業務を進めていないか…など
②委託者側の検収遅延、拒否
・成果物の完成基準が曖昧になっていないか
・契約書に一定期間経過後は合格とみなす旨の規定を定めているか…など
③委託者都合の中途解約
・清算ルールを契約書に定めているか
・成果物の納品義務と報酬支払い義務は同時履行とされているか…など
④委託者側の協力義務
・委託者が極度に受託者に依存する関係となっていないか
・委託者に対応させるべき事項につき、期限を定めて指示しているか…など
⑤修補要求
・契約不適合責任の範囲について、明確なルールを契約書に定めているか
・契約不適合責任と保守対応との関係を整理できているか…など
(3)業務終了後
①成果物の利用範囲
・二次利用、再利用、転用についてルールを定めているか
・受託者の知らないところで二次開発等が行われた場合、責任を免れることを契約書に明記しているか…など
②損害賠償責任
・SLAを一義的に定めているか
・損害賠償責任について、適切な範囲に収まるよう契約書に明記しているか…など
③支払遅延、不払い
・委託者からの支払いがない場合、対抗措置を講じることを契約書に定めているか…など
契約の無効、取消し、解除を主張する場合のポイント
契約関係を解消するために、契約の「無効」、「取消し」、「解除」を主張するわけですが、相手は契約が有効であることを前提に行動をしている以上、当然のことながら相手の反発を招きます。
このため、契約の「無効」、「取消し」、「解除」を主張するに際しては、十分な事前準備と効果的な手段を用い、できる限り相手の抵抗を封じ込めることを念頭に置く必要があります。
以下では、各主張を行うに際してのポイントを解説します。
(1)契約の無効を主張する場合
契約が無効ということは、初めから契約が成立していない以上、改めて主張する必要がないのではという疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし、(正しいかどうかはともかく)現状では契約が有効に成立したことを前提に物事が動いている以上、それを阻止する必要があります。
現場実務では、黙っていては何も始まらないことをまずは意識する必要があります。
さて、契約の無効を主張できるのは、上記2.の具体例でも挙げた通り、明確な強行法規違反や誰の目から見ても悪質性の強い行為に限定されます。
したがって、本当に「無効」と言い得るのか厳格な検証が必要です。この検証は非法律家では難しいと言わざるを得ませんので、必ず弁護士に相談して確認することが求められます。
検証の結果、無効主張ができると判断した場合、契約の相手方に対し、配達証明付き内容証明郵便など無効主張したことを後で確実に確認できる手段を用いて、通知することが次に重要となります。
なお、通知に際しては、なぜ無効と結論付けることができるのか、その理由を明確にした上で、相手の説得を試みることも必要となります。少しでも綻びがあると、相手はその点を突いた反論を行ってきますので、緻密かつ論理的な理由付けを如何にして文章化するかがポイントです。文章化に際しては、できる限り弁護士の力を借りることをお勧めします。
そして最後に、契約は無効である以上、当方は今後契約に定められた義務を遂行しないこと、一方相手に対しては、契約を前提にした要求を当方に行わないこと、及び契約を前提に当方から提供されたものを返還することといった、今後求められる具体的な行動を指摘することがポイントです。
ときどき、契約の無効を主張することで満足してしまって、結局のところ何をしたいのか分からないという文面を見かけることがありますが、あくまでも当方はどういった利益を確保したいのか、最終ゴールを見据えて文章化することが肝要です。
(2)契約の取消しを主張する場合
契約の取消しを主張できるのは、法令上の根拠を必要とします(例えば、錯誤取消しを定める民法第95条、詐欺取消しを定める民法第96条など)。
したがって、まずは取消しを主張するための法令上の根拠を探し出すことが最初の作業となります。
法令上の根拠を見つけた場合、次にその根拠規定に定める要件に合致するよう事実関係を整理する必要があります。
誰が、誰に対し、いつ、どこで、何をしたのか、どうやってしたのか、なぜしたのか等を時系列でまとめ、要件充足性を判断することがポイントです。ただ、この要件充足性については高度な法的知識が求められることから、弁護士に相談の上判断することをお勧めします。
その他取消しを主張するに際しては、
・配達証明付き内容証明郵便など後日確実に確認できる手段を用いること
・取消しを主張できる根拠を文章化し明示すること
・契約を取消すことで相手に求める行動を文章化し明示すること
については、上記(1)で解説した内容と同じです。
なお、取消しの場合、ある程度取引が進んだところで主張する場合が多いところ、取引経過によっては、当方が相手より何らかの金銭や成果物などを受領していることもあります。この場合、当方は相手に返還する義務(原状回復義務)が発生しますので、原状回復義務を履行できる準備を整えておく必要があること、注意を要します。
(3)契約の解除を主張する場合
契約の解除を主張する場合、契約書に定めている解除事由に該当するのか、契約書がない又は契約書に定める解除事由に該当しない場合は法令上の解除事由に該当しないか、という二段階の検証が有用です。
なお、検証に際しては、現在発生している結果だけを捉えて解除事由に該当するかを判断するのはリスクを伴います。なぜなら、解除に際しては、①その結果が発生した原因は解除を主張する側にあるのではないか(事実経過の整理)、②解除事由に該当するとしても、いきなり解除するのは酷でないか(催告の必要性)、③軽微な違反に留まり、解除を認める必要性が乏しいのではないか(信頼関係の破壊)、等々の契約書や法令には明記されていない「規範」を考慮しなければならないからです(裁判例の積み重ねによって生じた判例法理と呼ばれるものです)。
規範の有無、内容を非法律家が知り、正しく運用することは難しいと言わざるを得ません。弁護士に相談しながら検証することをお勧めします。
その他取消しを主張するに際しては、
・配達証明付き内容証明郵便など後日確実に確認できる手段を用いること
・解除を主張できる根拠を文章化し明示すること
・契約を解除することで相手に求める行動を文章化し明示すること
・当方が負担する原状回復義務を履行できるよう準備しておくこと
については、上記(1)及び(2)で解説した内容と同じです。
契約の無効、取消し、解除と共に損害賠償請求を行う場合の注意点
契約の無効、取消し、解除が認められるのであれば、当然に損害賠償請求も認められるだろう…と考える方が多いのですが、決してそうではありません。
本記事の本旨とは外れる内容となりますので、本記事ではポイントを端的に指摘するのみに留めます。
(1)損害賠償請求するための法的根拠
債務不履行(契約違反)に基づく損害賠償請求と、不法行為に基づく損害賠償請求の2種類が存在します。
この点、「無効」と「取消し」の場合、そもそも契約が存在しませんので、不法行為に基づく損害賠償請求を根拠とすることになります。
一方、「解除」の場合、通常は債務不履行に基づく損害賠償請求を根拠としますが、不法行為に基づく損害賠償を根拠とすることも禁止されていません。したがって、どちらの法的根拠を用いるのか選択することが可能です。
(2)故意・過失が必要となること
不法行為に基づく損害賠償の場合、支払義務者の故意・過失によって損害が発生したことを、請求者が主張立証する必要があります。
一方、債務不履行に基づく損害賠償請求の場合、理論的には、支払義務者が自らの帰責性がないことを主張立証する必要があり、請求者に主張立証責任はありません。この点で不法行為と債務不履行とで差異が生じることになります。ただ、実際の裁判実務では、請求者が支払義務者の故意過失を指摘しないことには判断のしようがないため、不法行為と債務不履行とで大きな差異がないというのが実情です。
したがって、法的根拠の如何を問わず、支払い義務者に故意過失があることを裏付ける証拠を収集するのが請求者の鉄則となります。
(3)「損害の発生」と「損害額」は別問題であること
法的思考、特に裁判実務に慣れていないと、なかなか理解ができない事項かもしれません。
「損害の発生」とは、あえて誤解を恐れずに説明すると、損害の費目とイメージすると分かりやすいかもしれません。例えば、補修費、代替作業費、逸失利益、慰謝料などです。これらの損害が発生した裏付け証拠はあるのか、有るとして支払義務者の故意過失によって生じた損害と言えるのか(相当因果関係の有無)が主な議論対象となります。
一方、「損害額」とは、各損害費目の金銭評価のことです。例えば、裁判では、逸失利益が発生したことは認められるものの、具体的にいくら発生したのか証拠からは分からないためゼロ評価ということがあったりします。
この「損害の発生」と「損害額」は、検証不十分となっていることが極めて多いように思います。忘れることなく、準備したいところです。
(4)過失相殺による減額があること
過失相殺とは、支払義務者に帰責性がある以上、損害賠償支払い義務は免れないものの、全面的に支払義務者だけが悪いという訳ではない、請求者側にも一定程度の落ち度があるので、その落ち度分を損害賠償から差し引くという制度です。要は、双方の責任負担割合を定めて、その割合に応じた損害賠償額に調整するということです。
請求する側にとっては、自らのウィークポイントを確認し、効果的な反論を行うことができるのか準備をしておかないと、後で想定外の事態に陥りかねないことに注意を要します。
契約の無効、取消し、解除トラブルを弁護士に相談するメリット
本記事では詳しく書きませんでしたが、IT取引における契約の「無効」「取消し」「解除」を巡る紛争は、非常に複雑化しやすいという特徴を有しています。そして、これに伴う損害賠償請求が重なると、交渉の難易度とリスクは飛躍的に高まります。
したがって、このような局面こそ、専門性の高い弁護士に相談・依頼することが、極めて大きな意味を持ちます。
以下は、弁護士に相談・依頼することのメリットです。
■交渉履歴の整理・評価は専門家でなければ困難です
契約の有効性、取消原因の有無、解除要件の充足、いずれも契約書条項の解釈と事実経過の時系列整理が核心となります。
しかし、契約条文の読み方一つで結論が大きく異なり、相手方の主張にも巧妙なロジックが使われます。
弁護士は、契約条文・交渉経緯・業界慣行を総合的に評価し、有利な主張の組み立てを行います。
■損害賠償のリスク評価と請求額の精査が的確にできます
損害賠償請求では、相手が過大請求を仕掛けてくることが少なくありません。
弁護士は「損害の発生」「因果関係」「相手方過失」「過失相殺の余地」といった法律上の論点を精査し、請求額の妥当性を冷静に分析します。
早期に弁護士が関与することで、交渉時に不要な譲歩や過大な支払リスクを防ぐことが可能です。
■証拠確保のタイミングと内容を誤らないで済みます
契約紛争は 証拠を確保した者が圧倒的に有利です。
弁護士は、どのメール、議事録、チャット履歴、作業記録が後の紛争で武器になるかを熟知しており、相談初期から「証拠管理戦略」を立てられます。
証拠収集の初動を間違えれば、裁判・交渉で防御不能になることもあります。
■交渉方針を「法的論理」と「実務の落とし所」の両面で設計できます
IT取引は、契約書どおりに割り切れない事案も多く、法的主張と現実的な妥結点の両立が求められます。
弁護士は、法律論だけでなく、事業継続・取引関係・信用問題も踏まえた交渉戦略を構築します。
早期相談によって、感情的・短絡的な対応を避け、冷静な打開策を立てることが可能です。
■不利な条項がある契約でも防御策を講じられます
すでに交わしてしまった契約条項が一方的に不利でも、すぐに諦める必要はありません。
弁護士は、条項解釈の合理性、相手方義務違反の主張など、多様な防御アプローチを駆使できます。
特にIT取引は、相手方の義務違反や協力不足が絡むケースが多く、防御材料を丁寧に発掘します。
リーガルブレスD法律事務所が提供できるサポート内容
リーガルブレスD法律事務所では、IT企業の契約の無効、取消し、解除に関するトラブル案件に関与してきました。
実際の案件を通じて得た知見とノウハウを駆使して、ご依頼者様に最良の結果が得られるよう努めています。
リーガルブレスD法律事務所では、ご依頼者様のニーズに合わせて、次のようなサービスをご提供しています。
■IT契約リスク診断・レビュープラン
ご依頼内容(例) | ・IT取引契約を締結予定だが、将来の紛争リスクを減らしたい
・契約書の「落とし穴」を事前にチェックしてほしい |
サポート内容 | ・契約条項レビュー(解除条項の適切性など)
・成果物定義、検収条項、契約不適合責任、損害賠償上限などのIT取引特有の契約条項審査 ・リスク箇所の指摘と具体的な修正案の提示 ・相手方との交渉ポイント整理 |
主な利用者 | ・委託者、受託者いずれも
・ITシステム発注担当者、営業部門、法務部門、経営層など |
弁護士費用 | 1契約書当たり8万円(税別)~
(作業量、難易度に応じて変動します) |
実施方法 | ・契約書のデータ送付
・コメント、修正案を記載したデータの納品 ・必要に応じてオンライン打合せ |
■IT取引紛争の交渉代理・訴訟代理プラン
ご依頼内容(例) | ・相手方から契約解除、損害賠償請求を受けたので、裁判前に有利に交渉したい
・裁判前交渉が決裂し、訴訟提起or応訴が必要になった |
サポート内容 | ・相手方との交渉窓口代行、交渉代理
・訴訟代理 ・請求額妥当性の精査と反論資料作成 ・不当な過大請求の牽制、抑制 ・必要書類の作成 ・和解条件の設計、リスク評価 |
主な利用者 | ・紛争中の企業(委託者、受託者問わず)
・訴訟段階に進んだ企業(委託者、受託者問わず)など |
弁護士費用 | 別途お見積り |
実施方法 | ・相手方との直接交渉
・法廷活動 ・活動内容に関する定期報告 ・必要に応じてオンライン打合せ |
■スポット(単発)法律相談プラン
ご依頼内容(例) | ・契約書の一部分だけ確認してほしい
・紛争になりそうな事案について今後の対応方針を相談したい ・相手方からの通知書や請求書についてアドバイスが欲しい ・契約解除、損害賠償を検討しているが、踏み出す前に専門家の意見を聞きたい ・IT法務の専門知識が必要なポイントをピンポイントで確認したい |
サポート内容 | ・契約書や通知書等の内容確認、ポイント解説
・現状の法的リスク分析(契約の無効、取消し、解除、損害賠償に関する見立て) ・今後の交渉、対応方針に関する助言 |
主な利用者 | ・IT取引に関わる法務、営業、経営者
・契約締結、紛争発生の初期段階の企業担当者 ・個別案件依頼のハードルは高いが、とりあえず相談したい事業者など |
弁護士費用 | 1回90分当たり15,000円(税別) |
実施方法 | ・事前に関係資料の送付(契約書や通知書等)
・オンライン面談 or 対面面談 |
<2025年6月執筆>
※上記記載事項は弁護士湯原伸一の個人的見解をまとめたものです。今後の社会事情の変動や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。
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