外国人を雇用する場合の注意点

 

2018年に入管法が改正されたため、外国人を雇用するという機会は今後増加すると予想されます。

そこで、外国人を雇用するに際して、最低限知っておきたい知識を以下まとめました。

 

第1 日本国外にいる外国人を招聘し雇用する場合

 

大きなポイントは次の2点となります。

①上陸する際の在留資格で就労が可能かあらかじめチェックする。

②入国に際しての手続きを理解する(なお、一般的には次のような流れを取ることが多いです)。

・国内にいる招聘しようとする外国人代理人が在留資格認定証明書交付申請を行う。

・交付された証明書を現地の外国人に送付する。

・証明書を受け取った外国人が現地の日本大使館等でビザ(査証)発給申請を行う。

・ビザ(査証)の発給を受ける。

・日本に上陸する。

 

第2 日本国内に既に在留している外国人を雇用する場合

 

1.基本

次の3点は絶対に押さえておくべき事項となります。

①確認すべき資料

・在留カード(指定書を含む)、パスポート、就労資格証明書(あれば)

 

②確認するべき内容

・在留期間、在留資格(就労資格)の種類、就労制限の有無、資格外活動許可の有無

 

③在留資格変更の必要性の判断(いわゆる別表1の資格変更)

なお、許可変更については、法務省が公表している「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」を参照してください。

 

2.新卒予定者を採用する場合

・現時点では学生である以上、就労資格を保有していないので、在留資格変更が必要となります。

・学部・学科・専攻科目と職務内容の関連性がない場合は在留資格変更が認められないので注意が必要です。

 

3.留学生の場合

・原則的には就労不可です。必ず資格外活動許可を受ける必要あります。

・資格外活動許可を受けたとしても、労働時間は1週間につき28時間以内にする等の制限があることに注意が必要です。

 

4.事業者(使用者)のリスク

適切に処理しない場合、不法就労助長罪として刑事責任を問われるリスクがあります。

 

 

第3 採用後の法律関係

 

1.外国人だからといって日本の労働法が適用されないということにはなりません。

したがって、労働基準法、労働契約法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者派遣法、雇用保険法、労災保険法、健康保険法、厚生年金保険法などの適用があります。

 

2.なお、労働法の順守状況を監督する労働基準監督署は、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(いわゆる外国人指針と呼ばれる厚生労働省が公表しているガイドライン)に基づいて行政指導等を行うので、こちらの内容も理解しておいたほうがよいと考えます。

(記事作成日:2018年12月12日)