労働審判手続きの期日呼出状を受領したときの初動対応

1 第1回労働審判期日の確認と関係者の日程調整を行なうこと

  裁判所より資料一式を受け取った場合、まずは期日呼出し状に記載してある、第1回労働審判期日(日時)を確認し、関係者の日程調整と確保を行ってください。
  なぜなら、第1回労働審判期日を変更することは、ほぼ不可能な取り扱いとなっているからです。

 

  なお、弁護士に依頼する場合は、とにかく急いで依頼をすることが必要です。
  たとえ顧問弁護士がいるとしても、第1回労働審判期日は既に予定が入っていて調整不可ということも、実際にはよくあることです。したがって、顧問弁護士がいるから後で調整すればよいなどとは考えず、直ぐに顧問弁護士に連絡し、顧問弁護士に依頼することが難しいようであれば別の弁護士を確保できるよう即時に動いていくことが重要です。

 

2 タイトなスケジュールとなることを理解すること

  労働審判手続きの特徴として、上記①として「原則として3回以内で結論を出す」と記載しました。3回以内で結論を出すということは、手続きが非常にスピーディーに進むということですが、裏を返せば、会社側としても悠長に構えることできず、急いで反論事項をまとめ、証拠確保と整理を行わなければなりません。

 

  特に、労働審判の場合、第1回労働審判期日において、全ての主張したいことを主張させる(=答弁書では、申立人の主張に対する認否だけではなく、積極的な反論を含め全ての主張を記載する必要があります)、提出したい証拠はすべて提出させるという運用が取られています。通常の裁判のように、第1回裁判期日では1枚だけの「追って認否反論する」旨記載した答弁書を提出しておき、第2回裁判期日まで時間をかけて主張と証拠を整理していくという作戦を取ることができないことに注意が必要です。

 

  なお、答弁書の提出期限は、だいたい第1回労働審判期日の10日前後に設定されることが多いようです。したがって、答弁書作成期間は、労働審判申し立て書を受領してから3週間程度しかなく、非常にタイトなスケジュールになってしまうことに注意が必要です。

3 会社側で準備する事項

  弁護士に依頼する場合、各弁護士より整理・準備するべき事項について指示があるかと思いますが、最大公約数的な言い方をするとすれば、次のようなものは整理・準備しておけば協議をスムーズに進めやすいかと思います。

 

【前提事項を理解するために】

  ・会社案内(パンフレット)
  ・組織図(できれば担当者名が入ったもの)
  ・社内規程(就業規則、賃金規程など)
  ・労働協約、労使協定
  ・申立人の履歴書、労働契約書、労働条件通知書、入社時の誓約書、辞令など(入社時までに徴収した書類)
  ・申立人に対する辞令、業務指示・指導書、懲戒処分通知書など(入社後に申立人に対して発行した書類)

 

【背景事情を把握するために】

  ・入社から申立に至るまでの時系列表(5W1H形式、箇条書きでまとめる)

 

【答弁書作成のために】

  ・労働審判申立書に記載されている事項について認否反論(一文節ごとに認否をまとめる)