無届けでサーバーを設置して逮捕されたと報道されていましたが、サーバーを設置しただけで犯罪になってしまうのでしょうか?

無届けでサーバーを設置しただけで犯罪になってしまうのでしょうか?  

質問

 無届けでサーバーを設置して逮捕されたと報道されていましたが、サーバーを設置しただけで犯罪になってしまうのでしょうか? 

回答

 おそらくは平成22年2月15日に報道された内容(中国人留学生が無届けでサーバーを設置したとして逮捕されたという報道)だと思われます。
 
 まず結論から申し上げますと、サーバーを設置しただけで当然に逮捕されるわけではありません
 
 では、今回、何故逮捕されてしまったのかと言いますと、「電気通信事業法」と呼ばれる法律に違反したからです。我々法律家でもあまり馴染みのない法律(?)かと思いますので、おそらく普段法律に関係しない方々にとっては初耳という方もいると思います。
 
 今回の件に当てはめれば、「電気通信事業」を行うのであれば、総務大臣に対して登録または届出が必要であるにもかかわらず、登録または届出を行っていなかったため逮捕されたということになりますが、そもそも「電気通信事業」とは何か?が疑問点になるかと思います。
 
 この点、電気通信事業法2条では、電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することを電気通信役務と呼び、この電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業を「電気通信事業」と呼ぶと定めています。具体的には、電話会社とかプロバイダーが代表例なのですが、要は、他人間の通信のやり取りに関与する(媒介)を行うとなると、電気通信事業に該当する可能性が生じると考えれば良いかと思います。
 従って、例えば、企業内でのLANシステムを構築するためにサーバーを設置することは、「他人」ではなく「企業自身」のやり取りを行うに過ぎない以上、電気通信事業には該当しません。また、ホームページやネットショッピングのためのWEBサイトを開設することも該当しないと考えられます。
 
 一方、電子メールマガジンの媒介やコンテンツの紹介等を行うためのサーバーを設置し、提供された情報を全く加工・編集することなく利用者に伝送する場合であれば、「電気通信事業」に該当し、登録または届出が必要になります。この観点からすると、ポータルサイトやSNSサイトについては、利用者のみで情報がやり取りされるようであれば、電気通信事業に該当する可能性があるということになると考えられます(ケースバイケースの判断になるかと思いますが…)。
 
 なお、具体的な判断方法については、総務省が公表している
電気通信事業参入マニュアル[追補版]― 届出等の要否に関する考え方及び事例 ―
を参照しつつ、総務省へ問い合わせを行うのが一番安全かと思います。
 
 いずれにせよ、サーバー設置により、他人の情報を媒介する形式となった場合は、電気通信事業法を意識した方が良さそうです。 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。