クリックを原因として、突然請求書がメール送信されてきた場合の対処法

クリックを原因として、突然請求書がメール送信されてきた場合の対処法

質問

 Web上で某サイトを閲覧し、「もっと詳しく見たい人はここをクリック」と記載されたところをクリックしたところ、突然、「会員制アダルトサイトへの承認」画面が表示され、間髪入れずに、電子メールで5万円の支払い請求が来ました。

 

 この電子メールには、「支払わない場合、回収業者等を利用して自宅や勤務先まで取り立てに行く」ことが記載されており、精神的に参っています。

 

 5万円なら払えなくもない金額なので、支払ってしまおうとも考えているのですが、どうすればよいでしょうか? 

 

回答

 おそらくは不正請求の類と思われることから、支払う必要ないと考えます。

 対処法としては、メールで督促が来ても、返信することなく無視するのが一番と考えます。 

 以下、説明します。

 

 

 まず、本件の場合ですが、契約が成立しているのか?という観点から検討する必要があります。この点、Web上での取引については、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」(よく民法特例法なんて言われたりします)という法律の適用があります。

 具体的には、同法の第3条において、クリックの押し間違い等の錯誤による申込みは無効が原則と規定してあります。もっとも、例外として、申込み内容を確認できる措置(典型的にはネット通販等でよく見られる、注文内容の再確認画面など)を講じていれば、錯誤無効の主張はできないと規定されています。


 本件では、画面上も有料サイトへの申込みであることが明示されておらず、単にクリックしたら一方的に承認画面が表示されたと言うことですので、同法3条の原則通り、契約は無効と考えて良いと思われます。


 なお、いわゆる「架空請求、不当請求」の類は、最初から「欺す」つもりで承認画面を表示させ、電子メールにて請求を行ってきているはずですので、そもそもWeb利用者には「契約の申込み」に関する意思表示がないという理論構成も可能かもしれません(契約は申込みと、当該申込みに対する承諾により成立しますので、申込みがない以上、契約が成立しようがないということです)。

 

 ちなみに、電子メールの中に、「家まで押しかけるぞ!」とか「勤務先まで行ってやる!」等々色々書いてあるようです。

 しかし、私も技術的なことはよく分からないのですが、質問者が電子メールアドレスのみしか情報を出していないのであれば、電子メールアドレスが分かっているからといって、住所や電話番号等が分かることはほぼあり得ません(プロバイダーが管理していると思われる住所・連絡先情報が、サイト運営者・不正請求者に対して、開示されることは通常考えられません。もちろん、電子メールアドレスの文字情報から容易に推測できるのであれば別ですが…)。

 

 以上のことから、5万円は支払う必要なしということになります。

(最近は手口が巧妙で、ちょっと頑張れば支払えそうな金額を請求してくるようです。が、理不尽な請求には断固として応じないという対応が必要です)

 

 

※上記記載事項は当職の個人的見解をまとめたものです。解釈の変更や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。