インターネット取引において契約が成立するのはいつの時点か?

インターネット取引において契約が成立するのはいつの時点か?

質問

 インターネットを用いて契約申込みを行った場合、いつの時点で契約が成立したと考えれば良いのでしょうか?
 

 

回答

 申込みに対する承諾が、相手方に「到達」した時点で契約が成立します(民法の考え方とは異なります)。以下、解説します。
 
1.意思表示の到達
 まず、常識的に考えて、「この商品を下さい」と申込者(消費者)がいくら頭の中で考えても、販売者に伝わらない限り売買契約は成立のしようがありません。また、販売者も「売りますよ」と頭の中で考えているだけでは、売買契約が成立しようがありません。この様に、「この商品を下さい」「はい、売りましょう」と頭の中で考えている「意思」を、相手方に「表示」して、相手方が理解して初めて売買契約は成立するのです。

このことを、法律上、「意思表示」と呼んでいます。
 では、例えば、申込者(消費者)が「意思表示」を外部に発し、販売者も「売りますよ」と意思表示を外部に発したけれども、申込者(消費者)に伝達しなかった場合、売買契約は成立するのでしょうか? 

 申込者と販売者とのインターネット取引では、この問題について、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」という法律が規定しています。すなわち、販売者の「承諾」の通知が、申込者に「到達」した時点で売買契約は成立するとされているのです。

では、電子メールで取引きした場合に、具体的に「到達」とはどの様な状態を言うのでしょうか。また、Web画面で取引きした場合はどうなのでしょうか。
 

 

2.電子メールの場合
 電子メールの場合、メールを送信したけどトラブルで受信しなかったという場合もあれば、受信はしたけど未開封だったという場合など、色々な場面が想定されますが、一般的には、次の2要件を充足する状態になれば、「到達=契約成立」と考えて良いとされています。

① 申込者が指定した又は通常使用するメールサーバー中のメールボックスに記録されたこと
② 読み取り可能な状態で記録されたこと 

 具体的には、①については、メールサーバーの故障等で申込者が承諾通知メールにアクセスできない場合には要件充足とは言えないでしょう。一方、一度メールボックス中に記録されたのであれば、例え未開封状態であったがシステム障害でメールが消失し、結果的に申込者が内容を見ることができなかった場合であっても、要件充足といって良いと考えられます。
 ②については、例えば文字化けがひどく、一般人でも対応可能な文字コードの選択等の手段を講じても読み取り不可だったという場合には、要件充足とはいえないでしょう。
 

 

3.Web画面の場合
 Web画面についても電子メールの場合と同様に①②の双方の要件を充足すれば「到達」と考えて良いでしょう。
 例えば、申込者が利用する画面上に「注文承りました。」と表示されれば、①②を充足すると考えて良いでしょう。なお、申込み後、申込者側の電源トラブル等で、実際に上記画面を見られなかったとしても、「到達した」と法律上は解釈されると思われます(販売者側には関係のない事情ですので。)。

 

※上記記載事項は当職の個人的見解をまとめたものです。解釈の変更や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。

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