下請法の適用範囲(資本金)

質問

「下請」というと、主として建設関係で用いられる用語のように思うのですが、「下請法」は建設関係以外の業種にも適用されるのでしょうか。

 

回答

イメージと逆になるかもしれませんが、下請法(正式名称は下請代金支払遅延等防止法)は、建設業には適用されません。下請法が適用されるのは、業種ではなく、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託および役務提供委託と呼ばれる4種類の取引に該当するかがポイントとなります。また、親事業者と下請事業者との資本関係も検討する必要があります。

ちなみに、建設業については、建設業法という法律によって、下請法の趣旨・目的が規定されています。

 

解説

言葉のイメージのためか誤解されることが多いのですが、「下請法」は建設業のための法律ではありません。これは下請法が、前回触れた独占禁止法にある優越的地位の濫用の一部内容について、具体的な法律にしたという位置づけに該当するからです。

つまり、業種を問わず適用されるのが独占禁止法である以上、独占禁止法を具体化した下請法も業種を問わないという関係になります。ただ、建設業については、もともと建設業法によって下請業者の保護が図られていますので、建設業についてはむしろ適用が無いという形になっています。

 

さて、下請法が適用されるためには、前述のとおり、①親事業者と下請事業者との資本関係、②製造委託、修理委託、情報成果物作成委託および役務提供委託と呼ばれる4種類の取引該当性を検討する必要があります。今回は、①について解説し、②については次回解説します。

 

資本関係についてですが、親事業者に該当する資本金はいくらかについては下請法2条7項、下請事業者に該当する資本金はいくらかについては下請法2条8項がそれぞれ規定しています。ただ、対応関係などが若干読みづらいので、表形式でまとめると次のようになります。

 

◆物品の製造委託・修理委託、プログラムの作成委託、および運送,物品の倉庫における保管及び情報処理に係る役務提供委託の場合

親事業者 下請事業者
資本金3億円超の法人 資本金3億円以下の法人又は個人事業主
資本金1000万円超3億円以下の法人 資本金1000万円以下の法人又は個人事業主

 

 

◆情報成果物作成委託(プログラムの作成を除く)及び役務提供委託(運送,物品の倉庫における保管及び情報処理を除く)の場合

親事業者 下請事業者
資本金5000万円超の法人 資本金5000万円以下の法人又は個人事業主
資本金1000万円超の法人 資本金1000万円以下の法人又は個人事業主

 

<現場担当者が知っておきたいポイント>

 

◆委託者側

⇒自社の資本金がいくらなのか予め把握すると共に、受託者のWEB等から資本金額を認識することで、下請法の適用の有無について事前に調査しておきましょう。

◆受託者側

⇒自社の資本金を把握すると共に、委託者のWEB等から資本金額を確認することで、下請法の適用の有無について契約交渉段階前から知識を有しておきましょう。

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

 

下請法に関する記事はこちら

下請代金の減額禁止

下請法の効果(親事業者への義務①)

下請法の効果(親事業者への義務②)

下請法の適用範囲(情報成果物作成委託・役務提供委託)

下請法の適用範囲(製造委託・修理委託)

下請法の適用範囲(資本金)

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