弁護士と税理士の間隙!? 印紙税のはなし(8)【合併・分割、定款、継続的取引①】

 

 

1.はじめに

今回は、5号課税文書である合併契約書、分割契約書、6号課税文書である定款について簡単に触れたのち、7号課税文書である継続的取引の基本となる契約書について解説を行います。

 

 

2.合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書(5号課税文書)

M&A手続きの1つとして合併や会社分割手続きがあることはご存知だと思うのですが、その際に作成される合併契約書や吸収分割契約書は一律4万円の印紙税と決まっています。

なお、注意を要するのは新設分割“計画書”にも印紙税が生じるということです。あくまでも計画書であり契約書ではないのですが、新設分割契約においては相手方の契約当事者が存在しない以上、そもそも契約書を作成することがあり得ません。しかし、吸収分割手続きに際して記載される契約書内容が、新設分割手続きの場合は新設分割計画書に記載されることになります。この結果、新設分割計画書に対して印紙税が生じることになります。

 

 

3.定款(6号課税文書)

株式会社を設立した方であればご存知だと思うのですが、定款については一律4万円の印紙税が発生します。

ただ、注意を要するのが、6号課税文書である「定款」は、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社又は相互会社に限定されているという点です。つまり、例えば一般社団法人を設立する際に作成する定款は、課税対象となりません。

 

 

4.継続的取引の基本となる契約書(7号課税文書)

(1)継続的取引の基本となる契約書については実務上よく問題となってくるのですが、印紙税法上の取扱いとして、「契約期間が3か月以内」かつ「更新に関する規定がない」契約書である場合、継続的取引の基本となる契約書(7号課税文書)として取り扱わないこととなっています。
この点は法務的な視点と(印紙)税務的な視点とで異なる話となりますので、注意が必要です。

 

(2)勘違いされることがあるのですが、継続的取引に関する契約書であれば何でもかんでも7号課税文書に該当するわけではありません。継続的取引の基本となる契約書については定義があり、「特約店契約書、代理店契約書、銀行取引約定書その他の契約書」という絞り込みがなれています。銀行取引約定書は事業者側で作成することがないのでこの点の解説は省略しますが、7号課税文書に該当する取引のキーワードは次のようなものとなります。
・売買、売買の委託、売買に関する業務
・運送、運送取扱い
・請負
よく委任・委託契約であれば、たとえ継続的取引であっても7号課税文書に該当しないといわれるのは、上記のキーワード上「委任」「委託」が入っていないことに由来します(但し、キーワードにもある通り「売買」については別論となります。また、その他にも売買以外のすべての業務委託契約が7号課税文書に該当しないという訳でもありません。金融関係の業務委託契約は7号課税文書に該当することが多いのですが、特殊であるためいったん省略します)。

 

(3)具体的な内容は次号で解説を試みたいと思います。

 

 

(平成30年5月11日更新)

※上記記載事項は当職の個人的見解をまとめたものです。解釈の変更や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。