弁護士と税理士の間隙!? 印紙税のはなし(7)【委託契約、手形、株券と印紙税】

 

1.はじめに

前回、前々回と2号課税文書である請負契約について解説を試みました。今回は、請負契約に該当するのか少し判断に迷う契約類型に触れて2号課税文書に関する解説は終了し、3号課税文書(手形)、4号課税文書(株券等)に入っていきます。

 

 

2.委託契約と2号課税文書

前回、前々回と「委任」であれば2号課税文書に該当しないことに触れました。請負か委任かの判断は非常に迷うところがあるのですが、次のような契約の場合、基本的には2号課税文書に該当しないと判断してよいかと思われます。

 

(1)家事代行、業務支援、経営委託などのアウトソーシングサービス契約
家事代行については身の回りの世話(食事作り、清掃、洗濯、ペットの餌やり等)といった業務遂行に対して報酬が支払われる契約であり、個々の業務(仕事)の完成に対して報酬を支払う形態になっていないのが通常であることから、委任契約であり2号課税文書に該当しないと考えてよいかと思います。また、会社内の一部業務を外部に委託するアウトソーシングについても、一般的には個々の業務(仕事)の完成に対して報酬が支払われる形態になっておらず、業務遂行(業務遂行に要した時間)に対して報酬が支払われる形態になっていることが多いことから、委任契約であり2号課税文書に該当しないと考えてよいかと思います。

 

(2)秘密保持契約
開示された情報の取扱い方法を定めているのが通常であって、何らかの仕事の完成を目的とした契約にはなっていないと考えられることから、2号課税文書に該当しないと考えてよいかと思います。

 

(3)仲介契約
顧客を紹介し契約が成立することで初めて報酬が発生するので、仕事の完成を目的とした契約ではないかと思われるかもしれません。しかし、不動産の媒介について委任契約であると税務署が見解を出していることからすると、仲介契約については基本的に2号課税文書に該当しないと考えてよいものと思われます(おそらくは顧客の発掘が主たる業務でありこれ自体は仕事の完成ではないこと、報酬体系はいわゆる成果報酬にしているにすぎないこと、といった理由だと思います)。

 

 

3.3号課税文書(約束手形又は為替手形)

最近使用頻度が減少傾向にある手形ですが、これについては手形金額によって印紙が決まるということは比較的知られていることではないかと思われます。
ただ、意外なことかもしれませんが、外貨表示の手形の場合、実は金額によって印紙税額が決まるのではなく、一律200円(なお、円換算したときに10万円未満の場合は非課税)となります。

 

 

4.4号課税文書

最近では株券を発行しない法人も増加していますが、平成18年の会社法施行以前に設立された法人であれば株券発行会社になっていることが多いように思います(法人設立以来、定款を変更していない法人が実務上は多いため)。そして、M&A(株式譲渡など)や事業承継に関連して、あわてて株券を発行するという事例が散見されるのですが、株券を発行する場合、払込金額が記載されている場合はその金額に応じた印紙税額が、払込金額が記載されていない場合は「資本金の額+資本準備金の額の合計額に発行済み株式総数を除し、それに対して発行株券の株数を乗じ」た金額に応じた印紙税額の納付が必要となります。ちなみに、現行法上は額面株式は廃止されています。

 

(平成30年4月10日更新)

 

 

 

 

 

 

 

 

※上記記載事項は当職の個人的見解をまとめたものです。解釈の変更や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。