弁護士と税理士の間隙!? 印紙税のはなし(1)

 

1.はじめに

「契約書に印紙を貼る必要がある」という話はどこかで耳にしたことがあるかと思います。特に、不動産を購入した方であれば分かると思うのですが、かなり高額な印紙代がかかることは経験しているのではないでしょうか。
さて、弁護士業務やっていると契約書の作成やチェックというものが発生するのですが、時々いくらの印紙をはればいいですか?というお問い合わせを受けることがあります。実はこのお問合せいは非常に難儀であるというのが、少なからずの弁護士が感じているような気がします。
というのも、貼り付ける印紙=印紙税という税務の問題、という認識があるため、税務であれば税理士さんに聞いてほしいという弁護士側の意識があるからです。
しかし一方で、税理士さんから言わせれば、契約書の内容、法的性質が分からないことにはいくらの印紙が必要か計算しようがない、したがって弁護士に聞いてほしいという回答が行われることもあるようです。
つまり、弁護士と税理士との間で、双方の知識を照合しないことには分からない(悪くいえば責任を押し付けあっている?)という事態になっているのが実情です。
そこで、今回から数回にわたって、印紙税に関する知識について整理を行っていきたいと思います(私自身の勉強のためという意味合いが強いですが…)。

 

 

2.印紙をめぐる間違った知識?

具体的な課税対象となる文書とはどういったものを指すのか、という点については次回以降で解説を行うものとし、今回は印紙に関して意外と知られていない!?情報をまとめておきたいと思います。
(1)印紙を貼らないと契約書は無効?
⇒結構多い質問なのですが、回答は印紙を貼るか貼らないか関係なく、署名押印があれば契約は有効です。あくまでも印紙の貼り付けは税務の問題であり、法的有効性とは異なる問題と考えればよいかと思います。

 

(2)電子データ上での契約についても印紙が必要?
⇒これも最近多い質問なのですが、電子データであれば印紙は不要です。印紙税の課税対象は「文書」であり、「データ」ではないからです。最近では印紙税を削減するため、あえて電子データ上での契約締結を進めている事業者もいますので、今後は契約書という文書形式は減少してくかもしれません。

 

(3)契約書の「写」、「副本」、「謄本」には印紙の貼り付けは不要?
⇒契約書2通を作成し、それぞれを「正本」とするのであればどちらにも印紙の貼り付けは必要と認識される方が多いのですが、「写」、「副本」、「謄本」では不要と思われる方も多いようです。しかし、「写」、「副本」、「謄本」であっても印紙が必要というのが税務当局の見解です。

 

(4)契約書のコピー(署名押印を行わずコピーだけのもの)には印紙の貼り付けが不要?
⇒少しややこしいのですが原則的には印紙の貼り付けは不要です。
ただし、契約書のコピーに例えば「正本と相違がないこと」という一文を添えて押印(割印を含む)した場合、印紙税の課税対象文書になってしまいます。印紙税を削減するという観点からすれば上記のような文言を添える等することは回避するべきという話にはなるのですが、一方で、契約書のコピーしか保有したい当事者にとっては、本当に原本とコピーが同一内容なのか、裏付け証拠がなくなってしまうことになります。非常に悩ましい話にはなってしまうのですが、ケースバイケースで判断するしかなさそうです。

 

(平成30年1月16日更新)

 

 

 

 

 

 

 

※上記記載事項は当職の個人的見解をまとめたものです。解釈の変更や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。

 

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