広告・表示にまつわる法律・ルールとは?(概要)

広告・表示にまつわる法律・ルールとは?(概要)

1.はじめに

 広告というと、「どうやって自分の商品・サービスを認知・訴求させるのか?」、いわゆる販売促進活動orマーケティングという観点から語られることが多いと思います。
 これ自体は、当たり前のことですし、自分の商売を広く世に知ってもらうために広告を行う以上、当たり前のことです。
 もっとも、最近、賞味期限の改ざんや産地偽装問題、携帯電話のゼロ円広告など、「広告の仕方、表示のあり方」について、法律が顔を出す場面が増えてきています(一部の事例では刑事事件にまで発展したことは記憶に新しいと思います)。
 
 また、マスコミ等は「偽装」という言葉を用いて、必要以上に不安を煽る傾向があり、一度問題が発生すると事業存亡の危機にまで瀕する重大な局面にまで至ることがあります。
 従って、広告・表示のあり方が今問われていると考えるのですが、一方で、我々弁護士を含めて、広告・表示にまつわるルール(法律)については正直あまり意識されていなかったのが実情ではないかと思います。
 
 そこで、当職も色々な相談事例を受けながら、何となく頭の中で意識していることを整理する意味で、広告・表示に関する法律について、概要を本Webでお伝えしたいと思います。

 

2.どのようなルールがあるのか?

 「ルール」と記載したのは、実は、ちょっとした意味があります。
 これは、広告・表示に関する法律はあることはあるのですが、業界団体による自主規制に委ねられている部分も多く、法的な規制だけではカバーしきれない実情があるためです。
 広告・表示に関する法律・ルールの概略としては、次のようなものが考えられます。
 

広告・表示の対象者による分類

独占禁止法

(事業者

+消費者)


 事業者・消費者を問わず、広告・表示規制のいわば総本山のような位置づけの法律となります。 具体的には、次の条項が問題となります。

 ▼不当な顧客誘因行為の禁止(2条9項6号※1)

 ▼ぎまん的顧客誘因行為の禁止(一般指定8項)

 ▼不当な利益による顧客誘因の禁止(一般指定9項)

景品表示法

(消費者)


 広告・表示を消費者に向けて発するのであれば、必ず対処しておく必要がある法律です。具体的には次のような条項が問題となります。

 ▼品質等の優良誤認表示の禁止(4条1項1号)

 ▼取引条件等の有利誤認表示の禁止(4条1項2号)

 ▼指定制による表示規制(原産国告示、おとり広告など)

 ▼不当な価格表示指針、比較広告指針

 (参考:公正取引委員化のWEB

取扱商品による分類

食品


食品衛生法、健康増進法、農林物資規格法(JAS法)


酒税法


医薬品・化粧品 (いわゆる健康食品を含む)

薬事法


繊維、合成樹脂、電気器具、雑貨

家庭用品品質表示法

金融商品


金融商品取引法

不動産


宅地建物取引業法

旅行


旅行業法

取引形態による分類


・通信販売

・特定継続的役務提供(エステ・英会話教室など)

特定商取引法


消費者信用取引(クレジット、分割支払い)

割賦販売法

業界団体による自主規制

景品表示法


景品表示法11条に基づく公正競争規約(69業種)

 (参考:社団法人全国構成取引協議会連合会で業種を確認


業界団体が任意に定めたガイドライン


各業界団体が定めている。

 なお、広告を出稿するに際して、媒体毎に自主規制あり(新聞、雑誌、テレビ)。

 

地方公共団体


① 各都道府県で制定されている、いわゆる「消費生活条例」にある不当広告表示の規制条項

② 景品表示法に基づく地方公共団体による指示等

 

※1)平成21年の改正により、一般指定のうち「共同の取引拒絶」、「差別対価」、「不当廉売」、「再販売価格の拘束」、「優越的地位の濫用」が法律上明文化されています。

 従って、9項6号が公正取引委員会による一般指定の根拠条文となります。

 また、一般指定も「16」項目から「15」項目に変更されています。

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。