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【間違えやすい賃金実務③】 賞与算定に際しての考慮事項


 当社は賞与(ボーナス)の支給を考えているのですが、賞与の算定及び支給に関し、次のような事情を賞与の減額事情として考慮してよいのでしょうか。

 ① 年次有給休暇の取得を理由とすること

 ② 懲戒処分を受けたことを理由とすること

 ③ 従業員が発生させた事故により会社が損害を被ったことを理由とすること

 

 

回答

 年次有給休暇の取得を理由としたマイナス評価自体が違法であり、その評価に基づき算出された賞与も違法性を帯びることになります。

 
② 人事考課による査定として、懲戒処分を考慮することは原則問題ありませんが、その査定に基づいて算出された賞与から更に減額することは、実質的に減給制裁となりますので、少なくとも減給制裁の範囲を越える場合は違法となります。
 
③ 人事考課による査定としてマイナス評価し賞与を算出することは問題ありませんが、そこから更に減額することは実質的に従業員の同意を得ない損害賠償金との相殺となりますので、違法となります。


 

解説

1.年次有給休暇の取得を理由とした賞与の減額の可否
 年次有給休暇については、その取得促進を図る意味で、労働基準法附則136条に「使用者は、第39条第1項から第3項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。」と定められています。
 
 この規定の趣旨からすれば、「年次有給休暇の取得」を理由として、人事考課上マイナス査定を行うこと自体許されないと考えられますので、年次有給休暇の取得を理由とした賞与の減額は違法という結論にならざるを得ません。
 
 また、判例(最高裁平成4年2月18日)でも、年次有給休暇取得日の属する期間に対応する賞与の計算上、当該取得日を欠勤として取り扱うことができないと述べています。従って、裁判になれば、減額分の支払いは余儀なくされると考えられます。
 
 なお、年次有給休暇の取得者に対して賞与の減額は行わないが、一方で、皆勤者に対しては賞与を増額させたいという場合、その取扱いは非常に微妙な問題となります。
 結局のところ、皆勤者を優遇する以上、上記労働基準法附則136条に定める「不利益」に当たってしまうのではないかと考えられるからです。
 
 ちなみに、非常に問題になってはしまいますが、例えば、皆勤による会社への貢献・功績があるとして、その貢献・功績分を査定に反映させる形を取れるのであれば、必ずしも上記労働基準法附則136条で定める「不利益」に該当しないのではないかと考えられます。
 
 
2.懲戒処分を受けたことを理由とした賞与の減額
 一般的には、賞与査定のための人事考課が行われ、当該査定に基づき賞与算定に関する内規に当てはめて、具体的な賞与額を決定することになります。
 
 この点、人事考課上の査定として、懲戒処分を受けたことをマイナス評価すること自体は原則問題ありません
 そして、当該査定を受け、内規に基づいて具体的な賞与額を算出することは違法と判断されることは通常無いと考えて良いかと思います。
 
 一方、内規に基づいて算出された賞与額を、更に下回って支給するに過ぎない場合には、減給制裁と同様の効果を生むこととなります。
 
 この結果、減給制裁の範囲を超える場合には、裁量権逸脱により違法と判断され、当該範囲を超える部分については支給義務が生じるものと考えられます。
 
 一方、減給制裁の範囲内にある場合には、内規に従った具体的な賞与額を減額することが合理的か否かの問題になると考えられます。

 

 そもそも論として、内規により算出された具体的な賞与額を減額することを可能にする根拠規定が必要ではないか、懲戒処分を受けている以上、実質的には二重処分になるのではないか等の問題が生じますので、合理的か否の判断は非常に難しいのではないかと考えられます。
 
 誤解を招かないためにも、人事考課と査定の段階で、懲戒処分歴を適切に評価して内規に当てはめるという作業の方が無難かと考えられます。
 
 
3.従業員が発生させた事故により会社が損害を被ったことを理由とした賞与の減額
 従業員の責めに帰すべき事由により事故が発生したというのであれば、人事考課として安全意識や注意力などの項目をマイナス評価すること自体、原則的に合理的と考えられます。
 
 従って、このマイナス評価を賞与査定として用い、具体的な賞与額を算出すること自体は原則違法ではありません

 

 一方、算出された賞与より、更に減額を行うことは、実質的には会社が被った損害補償を回収することに他なりませんので、従業員の同意がない限り、賃金直接払いの原則に反し違法となります。




※上記記載事項は当職の個人的見解をまとめたものです。解釈の変更や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。

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