目次(フランチャイズに関する相談事例)

「フランチャイズに関する相談事例」で取り上げた相談内容の目次です。

(表題をクリックすると回答例のページに飛びます。なお、全てを一気に見たい場合は、この画面のまま下にスクロールして下さい。)

 

 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

 

 

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フランチャイズ契約に関する法律問題【総論】

 「フランチャイズシステム」については、コンビニエンスストアや外食産業など、現代社会では様々な取引分野で用いられています。

 もっとも、日本では比較的新しいビジネスモデルのためか、フランチャイズに関する法律については、あまり知られていないのが実情のように思います。

 そこで、まずはフランチャイズに関係しそうな法律について、総論的に考えてみたいと思います。 

 

1.フランチャイズに関する法律はあるの?

 ズバリ申し上げますと、日本においてフランチャイズに関して直接規定した法律はありません。

 このため、様々な法律が複合的に適用されます。

 結局、1つの法律の検討だけでは済まないため、混乱を招くことになっていると思います。

 色々な考えた方があると思いますが、当職がフランチャイズに関する案件に携わってきて、「知っておいた方がいいな」と思う法律を以下紹介します。

 

 

2.取引関係に関する法律

@民法の契約法に関する分野

(フランチャイズ契約は民法に規定する典型契約ではありませんが、やはり契約法に関する大原則は民法です。) 

A商法の商行為に関する分野(フランチャイズ契約は通常商取引に該当しますので、商法の適用があります。)

B独占禁止法(ここに分類するのは悩ましいのですが、本部と加盟店との力関係の是正を図り、取引適正化を図る観点から、一応ここに分類しました。独占禁止法の中でも留意すべきは、優越的地位の濫用、拘束条件付き取引の禁止、再販価格維持行為の禁止などです。なお、フランチャイズに関しては公正取引委員会がガイドラインを出していますので目を通しておくべきでしょう。)

C中小小売商業振興法(これもここに分類すべきか悩ましいのですが、フランチャイズ契約締結の際の本部と加盟店との情報格差の是正を図り、取引関係の適正化を図るという観点から、一応ここに分類しました。ちなみに、同法では「特定連鎖化事業」と位置づけられています。)

 

 3.ノウハウ等の保護に関する法律

@商法における「商号」の規定(商号がそのままフランチャイズチェーンの名称になっている場合には、類似商号を用いる者に対して、商法12条等で対応する必要があります。)

A商標法(多くの本部は商標権を取得しているところ、フランチャイズ契約は商標権に関するライセンス契約という側面を有します。)

B不正競争防止法(ノウハウを「営業秘密」として保護するため、フランチャイズチェーンに関する名称等の誤認混同を防止するために、同法で対応する必要があります。)

C著作権法(本部が開示するマニュアル類は、本部に著作権が留保されている場合が多く、フランチャイズ契約は著作権のライセンス契約という側面を有します。)

D特許法(フランチャイズシステム自体が特許権の対象となっている場合があり、その場合フランチャイズ契約は通常実施権に関する契約という側面を有します。また、フランチャイズシステムにおけるノウハウ(発明)が特許法の対象になっている場合もあります。) 

 

4.損害賠償に関する法律

@民法の不法行為に関する分野(不法行為法の大原則は民法709条以下ですので、当然問題となり得ます。)

A製造物責任法(顧客に提供した商品に不具合があり拡大損害が生じた場合、PL法の問題が生じ得ます。)

B商法の名板貸責任(フランチャイズチェーンの名称と商号が同一の場合、加盟店に対して商号使用を許諾した本部は、商法14条に規定する名板貸責任の問題が生じ得ます。) 

 

5.その他

@会社法(法人取引が多いので、会社法についても問題になり得ます。)

A特定商取引法(本来、フランチャイズとは全く異なる概念なのですが、連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法などです。なお、誤解の無いように申し上げますと、中小小売商業振興法で規定されているのは特定連鎖化「事業」です。)に該当する場合は同法の適用対象となります。また、最近コンビニエンスストア等も算入し始めましたが、ネット通販などの「通信販売」を行う場合には、通信販売に関する規定が適用対象となります。)

B個人情報保護法(顧客名簿は重要な経営資源ですが、加盟店が入手した顧客情報を本部が当然に入手できるわけではないことに注意が必要です。)

C景品表示法

(最近の産地偽装問題に代表されるように、広告宣伝方法について留意しておきたい法律です。)

 

 

 

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フランチャイズ・システムとは何か? ボランタリーチェーン、レギュラーチェーン、代理店(特約店)、マルチ商法と何が違うのか。

<質問>

 フランチャイズ・システムは何ですか?

 また、ボランタリーチェーン、レギュラーチェーン、代理店(特約店)、マルチ商法と何が違うのでしょうか?

 

 

 

<回答>

1.フランチャイズ・システムに関して明確な定義はありませんが、例えば公正取引委員会は、次のように定義しています。

 

『本部が加盟者に対して、特定の商標、商号等を使用する権利を与えるとともに、加盟者の物品販売、サービス提供その他の事業・経営について、統一的な方法で統制、指導、援助を行い、これらの対価として加盟者が本部に金銭を支払う事業形態』

 

 ポイントとしては、次の3つになるかと思います。

 

@それぞれ独立した事業者が契約関係に立つこと

 本部も加盟者も独立した事業者となりますので、あくまでも事業者間取引です。従って、消費者契約法の適用はありません。

 

A本部は加盟者に対して、「フランチャイズパッケージ」を提供すること

 本部は、営業の象徴となる標識(商標やサービスマークのこと)、事業に必要な知識・技術・ノウハウ等の事業・経営に関する一切の情報を提供し、また開業後も継続的な指導・援助を行うことが一般的です。この様な本部が加盟者に対して提供するものを「フランチャイズパッケージ」と呼ぶことがあります。

 

B加盟者は本文に対し、「フランチャイズパッケージ」に対する対価を支払うこと

 本部が開発した「フランチャイズパッケージ」に対して、加盟者は加盟金・ロイヤルティ等の一定の金銭を支払うことになります。

 

 

2.各制度の相違点について

(1)ボランタリーチェーン

  定まった定義はありませんが、複数の経営主体がまとめて商品を仕入れることで、単独では取引が難しい取引先と取引を開始したり、価格交渉力を付けるために結成される共同組織体をイメージすればよいかと思います。

  フランチャイズ・システムとの決定的な相違は、ボランタリーチェーンの構成員は、あくまでも各人の商号・屋号で経営し、各人のノウハウで店舗運営している点です。フランチャイズ・システムは同一の屋号・店名、共通化したノウハウで店舗運営しますので、この点で区別されます。

 

(2)レギュラーチェーン

  一般的には直営店舗によるチェーン展開のことをいいます。直営店舗である以上、本部と各店舗は同一資本となります。

  フランチャイズ・システムの場合、本部と加盟店は独立の事業者である以上、資本を異にしますので、この点で区別されます。

 

(3)代理店(特約店)

  これについても定まった定義があるわけではありませんが、よく言われるのは、メーカーが供給する商品を販売店である代理店・特約店がその裁量で販売する形式のことを指すようです。

  フランチャイズ・システムの場合、店舗運営方法について経営指導がありますが、代理店・特約店の場合、店舗運営方法に関する経営指導が無いのが一般的です。この点で区別されます。

 

(4)マルチ商法

  法律上の定義としては、特定商取引に関する法律が「連鎖販売取引」として定義付けを行っていますが、いわゆる、商品やサービスを販売すると同時に、販売組織の構成員が新たな構成員を勧誘して入会させる、という事を繰り返すことで販売網を拡大するシステムのことをイメージすればよいかと思います。

  フランチャイズ・システムの場合、構成員である加盟店が新たに構成員を勧誘し、加盟店と新たな構成員との間で契約を締結するわけではありませんので、この点が決定的に異なることになります。

  なお、法律用語のややこしさとも言うべきでしょうか、一部のフランチャイズ・システムについては、中小小売商業振興法が「特定連鎖化事業」と定義づけています。どちらの「連鎖」という用語が用いられるため、誤ったイメージを与えかねないのですが、マルチ商法とフランチャイズ・システムは全く別制度です。

 

 

 

 

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フランチャイズ契約における、本部の権利・義務、加盟者の権利・義務とは?

<質問>

 フランチャイズ契約における、本部の権利・義務、加盟者の権利・義務には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

 

<回答>

 正確にご回答するのであれば、フランチャイズ契約に定めてある事項が本部又は加盟者の権利・義務であるということになります(つまり、用いられている契約書の内容を精査しなければならないということです)。

 ただ、多くのフランチャイズ契約で定めてある事項は、ある程度抽出できると思いますので、以下、まとめてみたいと思います。

 
 

権利

義務

本部

・加盟金・ロイヤルティ等を受領する権利(商標等のサービスマークの使用、ノウハウの提供、継続的の指導援助の対価として)

・商標等のサービスマークを使用させる義務

・本部が開発した商品やサービス、情報などの経営上のノウハウの提供義務

・継続的な指導援助義務

加盟者

・商標等のサービスマークやチェーン名を使用することができる権利

・本部が開発した商品やサービス、情報などの経営上のノウハウの提供・利用権

・継続的な指導援助を受ける権利

・加盟金やロイヤルティの支払義務

・本部より提供されたノウハウ等を消化(マスター)すると共に、本部からの指導に従う義務

 

 

 

 上記から分かるかと思いますが、フランチャイズ契約のポイントは、加盟金・ロイヤルティ等の支払いに対応するもの(対価内容)は何かになります。

 従って、本部側からすれば、お金をもらう以上、何を提供できるのか検証すること、加盟者側からすれば、何を提供してもらえるのか確認することが必要となります。

 なお、加盟者側にとって気を付けなければならないことは、本部はあくまでもノウハウ等の情報を提供してくれますが、それを加盟者なりに消化し、マスターするまで手取り足取り対応してくれるわけではないという点です。もちろん、本部としても、ある程度の教育訓練は行ってくれるかと思いますが、加盟者は、一から十まで本部が対応してくれると思ったら大間違いです。

 フランチャイズ契約の紛争パターンには、この双方の期待というか思惑の違いに端を発することが非常に多いように感じています。この点については、加盟前には是非とも念頭に置いて欲しいところです。

 

 

 

 

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フランチャイズ契約を締結するに際してのポイントは?

<質問>

 フランチャイズ契約を締結するに際して、本部として検討しておきたい契約内容、加盟者として意識しておきたい契約内容はどのようなものがあるでしょうか。

 

 

 

<回答>

 あくまでもトラブル事例が遡って考えると…という発想になりますが、フランチャイズ契約の内容として、次のような取り決め事項がどの様になっているのか、特に意識した方が良いと思います。

 

 

1.本部・加盟者の共通事項

 

@売上高・収益予測の提示の有無、提示している場合はその根拠

 まず、大前提ですが、本部はフランチャイズ・チェーンに加盟することによって加盟者が得られる売上高・収益予測を行う法律上の義務はありません。

 従って、本部が売上高・収益予測を提示しないことを法律上非難することはできません。

 もっとも、実際問題として、収益の見込みが立たないのにフランチャイズ・チェーンに加盟することは通常考えられません。

 そこで、多くの本部では加盟候補者向けに、売上高・収益予測に関する資料を開示します。当該資料について最初に確認するべきポイントは、当該資料に記載された売上高を保証する趣旨か、あるいは参考データに過ぎないのかという点です。一般的には「参考データ」として開示されることが多いのですが、本部としては、参考データに過ぎないことを明示し説明することは当然のこと、参考データに過ぎないにしても合理的な算定方法(例えば、類似する環境にある既存店の実績数値であること等)を用いる必要があります。

 一方、加盟候補者は、参考データに過ぎない以上、当該資料をそのまま鵜呑みにするのではなく、自ら調査し検証する必要があります。

 

A加盟金返還の取り決め

 フランチャイズ・パッケージの対価という性質を有するため、加盟金については返還しないと定めているところが大多数のように思います。

 ただ、本部としては、上記のような性質を有する以上、加盟金と対価内容に均衡が取れているのか、つまり加盟金返還要求があった場合に対価内容を提供したと反論できるのか、きちんと検証しておく必要があります。例えば、加盟契約を締結したが初期研修前に契約解消となった場合において、加盟金の対価内容として初期研修費が含まれている場合、その分を返還しないのは不合理ではないかという問題が起こりえます。

 一方、加盟者としては、「加盟金は返還されない」と規定されている以上、原則返還されないことを覚悟しなければなりませんので、そもそも当該フランチャイズ・チェーンに加盟して良いか、慎重に慎重を重ねて判断する必要があります。

 

Bロイヤルティの算定方法

 典型的には、定額制か売上等による変動制なのかを明確に規定しておく必要があります。

 また、変動制であれば、例えば基準となる「売上」をどうやって算出するのか(例えば値引き前額を前提にするのか、売れ残った返品分についても売上に含まれるのか等)を確認しておく必要があります。

 なお、当然のことながら、ロイヤルティの対価内容(継続的な経営指導、スーパーバーザーの派遣による指導料など)についても検証が必要です。

 

C商圏(テリトリー権)の有無・内容

 まず、ここでいう「商圏、テリトリー権」とは、本部が加盟者に対して、営業や販売する地域を指定する制度のことを指すと考えてください。

 つまり、一定の割当地域について、同一チェーンについて本部が直営店を出店もしくは他の加盟者による出店があり得るのか、又は本部が経営する類似業態の店舗出店があり得るのか、という問題とイメージすればよいかと思います。

 加盟者からすれば、同一チェーン店舗はもちろん、類似業態の店舗出店が無い方が一定地域を独占でき競合がいませんので、商売をやりやすくなります。一方、本部からすれば、人口動態からして集客力が見込める地域であれば、複数店舗を構えて売上アップを狙いたいところです。

 以上のように、本部と加盟者との間で利害が対立する部分であるため、商圏(テリトリー権)について、どの様な定めになっているのか確認する必要があります。なお、一般的には、飲食店やコンビニなど店舗を構えて集客する商売する場合はテリトリー権について定めがない、宅配ピザや家庭教師などサービスが店舗外で行われる場合はテリトリー権について定めがある場合が多いように思います。

 

D経営指導に関する事項

 加盟者の経営が上手く行かない場合に必ず出てくるのが「本部の指導が悪い」「本部の指導が無い」等の不満です。

 確かに、本部が経営指導を行っていない、酷い場合には経営指導を行う体制さえ整えていなかったという事例も散見されます。

 しかしながら、「手取り足取り、一から十まで経営指導を行います」と契約書に規定してあることはまずあり得ません。ほとんどのフランチャイズ本部は、経営ノウハウ・情報の提供と月1回程度の面談等による指導と思われます。従って、加盟者としても過度に期待することは避けなければならないと思います。

 いずれにせよ、本部と加盟者との間で一番認識共有を図りづらい部分ですので、本部側としては、何を何処まで行うのか契約書に明記すること、加盟者側としては、契約書の内容を検証した上で、具体的に何をしてくれるのか確認する作業が必要になると思われます。

 

E競業避止(禁止)義務の有無・内容

 まず、競業避止・競業禁止規定とは、フランチャイズ契約の期間中及びフランチャイズ契約終了後の一定期間中、加盟者による同種又は類似する業種での営業活動を禁止している規定のことをいいます。

 この様な条項も原則有効とされています。理由は、本部が提供したノウハウ流出の防止、ノウハウ悪用によるブランドイメージの低下、顧客奪取などの本部へのダメージ回避等のためであると言われていますが、いずれにせよ当然に無効というわけではありません。

 なお、競業避止・競業禁止の問題は、会社勤めの従業員による競業行為の場面でも問題となりますが、似て非なる問題と言わざるを得ません。端的に相違点を指摘するのであれば、フランチャイズ契約はBtoB(事業者間)の商取引であるのに対し、従業員との問題はBtoC取引の中でも労働契約であり、保護される度合いが格段に異なることがあげられます。

 

F契約解除の条件

 契約不履行の場合にフランチャイズ契約の解除が認められるのは当然のことですが、ここでのポイントは、フランチャイズ契約の有効期間中に中途解約が可能かという点を検討すれば良いかと思います。

 これは、加盟者側からすれば、フランチャイズ・チェーンに加盟したものの経営が上手くいかず、これ以上の出血を避けるためにも離脱したいという観点から問題となります。なお、本部としても、経営が上手くいなかい加盟者は、本部の指導を受け入れない等の問題児であることが多く、このままチェーンに加盟し続けられてはチェーン全体に悪影響を与えかねないので、早期に離脱してもらった方が望ましいという事情もあったりします。

 ただ、中途解約権を認めなければならないという法的義務は存在しません。従って、中途解約権の有無は絶対的ではありません。そして、中途解約権がないと言うことは、契約期間中(フランチャイズ契約の場合2〜5年が多いと思います)はチェーンと心中することを意味しますので、加盟に際してはよくよく検討する必要があることになります。

 なお、中途解約権が規定されていても、解約金が高額である、原状回復義務が重い等の解約までのハードルが高い場合も多々見受けられます。従って、中途解約権が存在するにしても、その条件は何かまで詰めて検証する必要があります。一方、本部側としては、チェーンとして経営する意向を持っていない加盟者には、いち早くチェーンから離脱してもらう方がチェーン全体で見ればメリットが大きいので、例えば、解約の要件は緩く、しかし解約後の競業はできないような対応を取る等の対策を取った方が良い場合が多いと思います。

 

G契約違反(債務不履行)、契約解除の場合に要求される損害賠償(違約金)

 契約違反があった場合に予め損害賠償額を定めること、違約金を定めることも原則有効です。ただ、本部側としては、本気で徴収するつもりなのか、それとも抑止力を期待しているのかスタンスにも寄りますが、往々にして高額な金額を設定しがちです。このため、裁判例の中には、高額すぎるとして予め定めた損害賠償額又は違約金の額を減額している事例が見受けられます。

 従って、本部側としては、違約金等を定めるのであれば合理的な算定を行う必要があります。また、加盟者としては、フランチャイズ契約に違反しないように業務遂行することはもちろんですが、違約金の算定根拠を聞くなどして、本部として何処まで考えて契約内容を詰めて行っているのか、つまりフランチャイズ事業を何処まで真剣に検討しているのかの一指標として見るのも一案かもしれません。

 

 

2.加盟候補者がフランチャイズ契約書以外に要求し検証した方が良い書面

 いわゆる「法定開示書面」と呼ばれるものです(各本部によって「フランチャイズ契約のしおり」と呼んでいたり、「事前開示書面」等と呼んでいるところもありますので各本部に問い合わせてください)。

 これは、中小小売商業振興法に基づき開示が要求される事項をまとめた書面のことを意味しますが、実は中小小売商業振興法が適用されるのは、小売・飲食業のみです。

 したがって、中小小売商業振興法に基づく法定開示書面の開示を求めても、小売・飲食業以外のフランチャイズ・チェーン本部(典型例はサービス事業)には存在しない可能性があります。

 もっとも、中小小売商業振興法に基づく法定開示書面が無い場合であっても、公正取引委員会が「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」というガイドラインを公表しており、フランチャイズ・チェーン本部に対して、中小小売商業振興法が開示を求めている事項と、ある程度重複する事項の開示を行うよう要請しています。従って、加盟希望者は、上記ガイドラインに基づく説明文書はないかを尋ね、存在するのであれば開示してもらえば良いと思います。

 なお、中小小売商業振興法も上記ガイドラインの存在自体を知らない本部も少なからずあるのが実情です。従って、法定開示書面等が無い本部が全て問題ありと即断することはできませんが、少なくとも法定開示書面等を開示できるフランチャイズ・チェーン本部であれば、法令遵守への意識が備わっていると判断する一材料になると思いますので、加入に際してのポイント事項にして良いと思います。

 

 

 

 

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フランチャイズ契約における加盟金が返還される場合はあるか?

<質問>

 フランチャイズ契約を締結し、店舗運営を行いましたが、思ったような売上にならず、本部と協議し、フランチャイズ契約を解約することにしました。

 この場合、加盟金は返還してもらえないのでしょうか。

 

 

 

<回答>

 フランチャイズ契約に加盟金不返還特約条項があること、及び本部側の対応に何ら問題がない、あるいは問題があるにしても違法とまでは言えないという前提であれば、加盟金を返還してもらうことは難しいと言わざるを得ません。

 

 もっとも裁判例の中には、上記ご質問の事情とは異なりますが、例えば、

@本部側の一方的事情で事業を中止した結果、加盟者の営業継続が困難となりフランチャイズ契約が終了するに至った事例

A加盟直後で開業前の初期研修が行われていない段階でフランチャイズ契約の中途解約がなされた事例

などでは、加盟金の返還が認められています(但し、Aについては一部返還が認められたのみです)。

 

 また、別の記事に譲りますが、いわゆる説明義務違反(典型的には売上予測に関する説明)の場合や、そもそもフランチャイズチェーン本部としての実態を有していなかった事例(詐欺に該当するような事例)では、加盟金相当額の損害賠償請求が認められている裁判例もあります。

 

 従って、解約するに至った背景事情、及び解約の決定的原因が本部側の責任であるという場合には、加盟金返還(加盟金相当額の損害賠償)が認められる余地があります。

 

 

 

 

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事前の売上予測と現実の売上額とに相違がある場合、本部に対して損害賠償請求できるか?

<質問>

 フランチャイズ契約に加盟するに際し、本部より、「この場所なら、駅前ですし、競合店も少ないので、毎月の700万円以上の売上は確実でしょう。」との説明と資料の交付を受け、フランチャイズ・チェーンに加盟しました。

 しかしながら、実際の売上は半分の350万円程度であり、事前の説明と異なるものでした。

 本部に対して損害賠償請求したいのですが、法律上可能でしょうか。

 

 

 

 

<回答>

 結論は、「できる場合がある」という言い方になってしまいますが、いくつかポイントがあります。以下、簡単ですが順を追って記述します。

 

 

1.はじめに

 フランチャイズ・チェーンに加盟するに際し、加盟希望者にとって最大の関心事は、「このチェーンに加盟し、店舗運営することで、どの位儲かるか。」であることは争いがないと思います。

 このため、フランチャイズ契約締結に際しての売上予測の説明と実際の売上が異なる場合、加盟者の期待を大きく裏切ることになることから、「全ては本部の責任だ!」といいたくなるのも気持ちとしては理解できます。

 しかしながら、フランチャイズ契約は本部も加盟者も独立の事業者です。このため、加盟者の経営責任=自己責任を抜きにして、本部に対して責任追及することは困難と言わざるを得ません(もちろん、本部側が「最低でも○○の売上は確保できます」と保証する旨の特約を締結していれば別ですが、通常はその様な特約は締結されていません)。

 

 

2.本部に責任追及できる場合とは?

 もっとも、「自己責任の原則」という言葉のみで全てが片付くわけではありません。

 上記での記載した通り、加盟希望者の関心事は「いくら儲かるか」であり、かつフランチャイズ・チェーンに加盟する最大の動機となっていることは、本部も十分に認識しているはずです。

 この様に考えると、本部のいい加減な売上予測、例えば、当該売上予測を行うに際して、適切な調査方法を取らなかったり、調査結果の分析に客観性合理性が認められなかった場合には、本部への責任追及が可能となります。

 ただし、注意を要する点があります。

 それは、現実問題として売上予測(事業予測というべきか)の提示は、将来の事業活動の成果を事前に予想することであり、基本的に不可能な作業と言わざるを得ない点があります。そして、時々刻々変化する経済情勢や顧客志向の変化、その他諸々の事情によりフランチャイズ・チェーンを取り巻くマーケット環境は大きく変化する性質を有します。

 従って、絶対的な売上予測を行うことは不可能である以上、単に売上予測と現実の売上額との乖離が大きいという事情だけで、本部に対して法的に責任追及できると考えることは危険と言わざるを得ません。

 結局のところ、「売上予測が行われたプロセスに問題」があること、すなわち売上予測の手法自体が明白に相当性を欠いた不合理なものであったり、これに用いられた基礎数値が客観的根拠を欠いている場合などで、加盟希望者におけるフランチャイズ契約に関する判断を誤らせたと評価される場合には、本部に対する責任追及ができるということになります。なお、この作業は、本部と加盟者との情報格差もあるため、なかなか容易な作業ではないことが実情です。

 

 

3.全額の損害賠償は認められない!?

 本部に対する責任追及が認められるとしても、裁判例を紐解くと、必ずしも加盟者の損害全額が認められている訳ではありません。

 これは、加盟者も「独立した事業者」である以上、事業リスクを負担すべきという自己責任の原則が働き、損害の公平な負担を図る「過失相殺」という制度で減額されてしまうことが多いからです。

 どういう場合に加盟者に対して「過失相殺」が適用されるかはケースバイケースとなってしまいますが、例えば、加盟者が自ら立地調査を行おうともせず、安易に本部担当者のセールストークを鵜呑みにしてしまったような場合は、過失相殺により、大幅な減額がなされる事もあり得ます。

 

 

4.結語

 以上の通り、売上予測と現実の売上額との乖離について、本部に対して損害賠償請求を行う場合、

 @本部に対して責任追及可能か

 A損害賠償額の全額が認められるか

という2つ問題を考えなければならず、きちんと整理しながら検証することが必要です。

 

 

 

 

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加盟者の商圏に他の同一チェーン店舗が出店してきた場合、既存加盟者は何か言えないか(商圏保護、テリトリー制との関係)

<質問>

 フランチャイズチェーンに加盟し、店舗運営を行っていましたが、半年後に100メートル先に本部が直営店を出店させてきました。

 この結果、当店の売上が落ちてきているのですが、本部に対して損害賠償請求できるでしょうか。

 

 

 

<回答>

 いわゆる「テリトリー制」に関するご相談になるかと思います。

 テリトリー制については、そもそも排他的なテリトリーを設定すること自体が独占禁止法上問題となるのではないかという問題もあるのですが(公正取引委員会、流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針、流通業者の販売地域に関する制限を参照)、今回は、その点は置いておいて、加盟店の営業地域(商圏)に同じチェーン店を出店することが可能か否かに絞って解説を試みたいと思います。

 

 さて、テリトリー制について決まった定義がある訳ではありませんが、大まかには、「本部が加盟者に対して営業上の地域を指定すること」を指すと考えれば良いかと思います。

 そして、このテリトリー制の内容として、当該地域において独占的な営業権を加盟者に与える排他的なテリトリー制もあれば、単に加盟者の店舗設置場所を指定するに留まる場合もあります。

 

 どの様なテリトリー制が定められているかは、フランチャイズ契約書及び法定開示書面を確認するしかないのですが、例えば、

 「本部は、加盟者の同意無き限り、本地域に自己又は他の加盟者が経営する店舗を設置しない。」

等と定めている場合、加盟者は当該地域で独占的に営業ができる合意が成立していると解釈できます。

 従って、この様な合意があるにもかかわらず、本部が直営店を出店させたり、本部が他の加盟者の出店を許諾する場合には、合意違反による損害賠償請求ができるということになります。

 

 一方、上記のような合意が無い場合、本部が自ら又は他の加盟者を通じて出店させることは原則問題ないと考えられます。

 従って、損害賠償請求ができないという結論になります(例外的に、本部が加盟者に対する嫌がらせ目的があるなど不当な動機がある場合、加盟契約交渉に際して提示される売上予測等の資料が明らかに一定の地域での独占的販売を前提にしている場合などは別論ですが、通常は想定しにくい事例ではないかと思います)。

 なお、フランチャイズチェーン募集の際に、セールストークの一環として、「この地域に直営店を出す予定はありません」「あなたに独占的に営業してもらいますよ」という説明があったとしばしばいわれることがあります。しかしながら、いわゆる言った言わない論争に陥りがちであり、やはり契約書等の文書に記載がない場合には、この様な説明内容があったとは認めづらいと言うことに注意が必要です(もちろん、本部も安易なセールストークは厳に慎むべきです)。

 

 

 ところで、若干法律論から離れるところがありますが、本部としても、合意が無いから出店は問題ないと即断することは必ずしも適切な加盟者対応ではないと思われます。

 加盟者とフランチャイズ契約を締結したら終わりというわけではなく、契約締結後の継続的な経営指導を行うことが通常です。この経営指導の一環として、事前に同一チェーンの店舗が開店予定であること、何故出店が必要なのか、この開店に伴う経営環境の変化やそれに対する対応策等を伝える方が、加盟者の不満を押さえることとなり、相互協力を図りやすいと言えるのではないでしょうか。

 いずれにせよ、テリトリー=商圏は、加盟者の売上に直結するものですので、本部・加盟者とも認識に齟齬が出ないよう、十分に話し合う必要があります。

 

 

 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

 

 

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仕入れ業者や販売価格の指定・拘束は、どの程度までなら許されるのか

 <質問>

 当社のフランチャイズ契約書には、「加盟店は、本部又は本部の指定する者から、食料を購入しなければならない。」「加盟店は、販売品目・販売価格につき、本部の指示どおり実施しなければならない。」と定められています。

 この様な定めに基づき、本部である当社は、加盟者に対し、食材は指定業者より購入するよう指導し、小売価格は全国統一価格としてのですが、加盟者の中には別の業者より食材を購入したり、売れ残り品特化セールとして値引き販売しているところもあります。

 このままでは、フランチャイズブランドの統一性を害することになるため、当該加盟店とのフランチャイズ契約を解約したいのですが、可能なのでしょうか。

 

 

 

<回答>

 フランチャイズブランドの統一性(ブランドや品質の維持)という観点からは、食材供給業者を指定すること及び小売価格を本部が決定すること自体は直ちに違法と言うわけではありません。

 従って、何度指導しても、全く指導を無視するような加盟者であれば、フランチャイズ契約を有効に解除できる場合があると考えます。

 

 ところで、この様に回答すると、フランチャイズ本部による仕入れ業者の指定や販売価格の拘束行為は、「不公正な取引方法(独占禁止法19条、2条9項)」に該当し、公序良俗違反(民法90条)として無効ではないかと疑問に思うかもしれません。

 確かに、フランチャイズ本部が指定した仕入れ業者からの仕入れ価格が、市価と比較して極端に高かったり、本部が当該仕入れ業者から多額のリベートを取っているような場合には、上記問題が生じる可能性があると思います。あるいは加盟者の所有に属する商品について、消費期限等の関係で売り切らないことには損失を被ってしまう事情があるにもかかわらず、一切の値引き販売を禁止することは不合理な制限であると言える場合もあると思います。

 しかしながら、フランチャイズ・チェーンとして顧客の支持を得て、店舗の維持・発展を行って行くためには、ブランドイメージや品質を確保する必要があります。この必要性を実現するために、本部が加盟者に対して指示・指導を行うわけですが、当該指示・指導に従わない加盟者が存在すると、フランチャイズ・チェーンのイメージや品質が損なわれ、結局は維持・発展ができないということになってしまいます。

 

 この様な実情もあることから、公正取引委員会が公表している「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」(いわゆるFCガイドライン)でも、「フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施する限度にとどまるものであれば、直ちに独占禁止法上問題となるものではない。」と記載されているところです。

 但し、営業を的確に実施する限度を超えて場合、例えば、正当な理由がないのに、本部又は本部の指定する事業者とのみ取引させることにより、良質廉価で商品又は役務を提供する他の事業者と取引させないようにしたり、必要な範囲を超えて、本部が仕入数量を指示し、当該数量を仕入れることを余儀なくさせるような場合は、独占禁止法が定める不公正な取引方法(特に優越的地位を濫用)に該当し、本部の指示・指導は違法と判断されることになると考えられます。

 

 なお、加盟希望者において、独自の仕入れルートや販売戦略を持っているのであれば、フランチャイズ・チェーンに加盟するに際し、食材の仕入れ先や販売価格について、どのような制限があるのか、十分確認するべきです。

 また、本部としても、ブランドイメージを維持するために必要な範囲を超えた統制を加えていないか、市価の実情を無視した制限を加えていないか等に十分留意する必要があります。

 

 

 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

 

 

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勧誘時の説明義務違反に基づく損害賠償請求は、いつまでに行うべきか

<質問>

 フランチャイズ契約の加盟勧誘時に、他の加盟店の実績資料を見せられた上で、これなら大丈夫だと思い、フランチャイズ・チェーンに加盟しました。
 しかしながら、開店直後から思うように売上が確保できず、よくよく調べてみると、加盟勧誘時の実績資料は虚偽であることが判明しました。
 本部に説明義務違反に基づく損害賠償請求を行いたいのですが、いつまでに行わなければならない等の時間的制限はあるのでしょうか?

 

 

<回答>

 最高裁判所が平成23年4月22日に出した判決内容からすると、実績資料が虚偽であることを知った日から3年以内に損害賠償請求権を行使する必要があると考えられます。

 


1.何故、時間的制限が問題となるのか?

 上記のような事例の場合、

 @フランチャイズ契約に付随する説明義務違反があったとして、債務不履行に基づく損害賠償請求とする考え方

 A説明内容に違法性があるとして、不法行為に基づく損害賠償請求とする考え方

の2つがありました。
 別に、どちらか一方のみで請求しなければならないというものではなく、法的な請求の立て方(請求原因といいます)の違いに過ぎません。
 しかしながら、Aの場合、消滅時効の期間が3年と定めれているのに対し、@の場合の消滅時効期間は5年(※)とされています。
 したがって、損害賠償請求を行う側からすれば、債務不履行に基づく損害賠償請求と構成した方が、消滅時効の問題を回避できるという点で有利となります。

※加盟勧誘時の関係を商行為として捉え5年としていますが、10年とする考え方もあります。

2.最高裁平成23年4月22日判決の出現

 上記の通り、従来は、請求する側の意向に応じて、@またはAを選択して請求するのが通常でした。
 しかしながら、最高裁平成23年4月22日判決が出現し、@の方法では請求できないのではないかというのが、私個人の考え方です(※)。
 上記最高裁判決は、事案それ自体はフランチャイズに関するものではありません(いわゆる信用組合への出資金返還請求に関する事案です)。
 しかしながら、最高裁は、契約勧誘時における説明義務違反に基づく法的構成について、次のように述べています。

※言い訳になってしまいますが、私がこの記事を書いたのが平成23年4月23日です(最高裁判決の次の日です)。この記事は、私の備忘録としての意味合いもあることをご容赦願います。


 契約の一方当事者が,当該契約の締結に先立ち,信義則上の説明義務に違反して,当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には,上記一方当事者は,相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき,不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別,当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。
 なぜなら,上記のように,一方当事者が信義則上の説明義務に違反したために,相手方が本来であれば締結しなかったはずの契約を締結するに至り,損害を被った場合には,後に締結された契約は,上記説明義務の違反によって生じた結果と位置付けられるのであって,上記説明義務をもって上記契約に基づいて生じた義務であるということは,それを契約上の本来的な債務というか付随義務というかにかかわらず,一種の背理であるといわざるを得ないからである。契約締結の準備段階においても,信義則が当事者間の法律関係を規律し,信義則上の義務が発生するからといって,その義務が当然にその後に締結された契約に基づくものであるということにならないことはいうまでもない。
 このように解すると,上記のような場合の損害賠償請求権は不法行為により発生したものであるから,これには民法724条前段所定の3年の消滅時効が適用されることになるが,上記の消滅時効の制度趣旨や同条前段の起算点の定めに鑑みると,このことにより被害者の権利救済が不当に妨げられることにはならないものというべきである。

※最高裁判決の全文はこちらで確認して下さい。


 判決文の独特の言い回しがあるため、法律に通じていない人にとっては分かりにくいかもしれしません。
 要は、「十分な説明がなされていれば、そもそも出資契約しなかったでしょ。説明不十分とはいえ出資契約したのであれば、その出資契約の一内容として、十分な説明を行う義務を認めることは矛盾でしょ。」という理屈です(何となくトートロジーのような気がしますが…)。
 
 いずれにせよ、最高裁判決の考え方を、本件のようなフランチャイズ契約の問題に当てはめた場合、

 ◆勧誘時の説明内容に問題があり説明義務違反が認められるとしても、その説明義務はフランチャイズ契約に付随して認められる義務ではない。
  従って、不法行為責任の追及を行うべきである。

という結論が導き出されるのではないかと思います。



3.結論

 以上の通り、本件については、説明内容である実績資料が虚偽であることを知ったときから3年以内に、不法行為に基づく損害賠償請求を行う必要があることになると考えられます。

 なお、上記最高裁判決について、説明義務違反の問題が講学上の「契約締結上の過失」という問題に位置付けられることから、契約締結上の過失の問題は債務不履行構成ではなく、不法行為構成で行くべきであるという解釈もあり得るかもしれません。
 しかしながら、最高裁判決の事例が、契約勧誘時の説明義務違反の問題について、締結後の契約内容に付随する義務違反として捉えることができないと言っているだけに過ぎない以上、「契約締結上の過失」の問題全てが、不法行為構成にしなければならないと結びつける必要は無いと思います。

 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

 

 

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