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パワーハラスメントについて

質問

 最近、部下から「それはパワーハラスメントではないですか?」とクレームを受けるようになりました。
 そもそもパワーハラスメントとは何のことなのでしょうか。また、いわゆるパワハラと叱咤激励との違いは何なのでしょうか。  さらに、パワーハラスメントに関する裁判例を教えて下さい。
 
 

回答

 パワーハラスメントについては、法律上の定義がないため、一言で説明することは困難ですし、叱咤激励との相違も明確な基準がない(※)のが実情です。

 
※平成24年1月31日追記
平成24年1月30日、厚労省は「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」において、パワーハラスメントについて、次のような行為類型を発表しました。
(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
詳細は、平成24年1月30日付「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」をご参照下さい。

 
 まわりくどい言い方になってしまいますが、①自己の価値観で一方的に相手を否定する②相手を受け入れずにだめ出しする③仕事上の注意に止まらず、相手の性格やくせなどの人格をも問題にする…等の言動があった場合には、違法な言動と認定されてしまい、結果として「パワーハラスメント」になると考えれば良いかと思います。
 
 裁判例については、下記の「解説」欄に掲載しましたので、ご参照下さい。
 
 

解説

第1 パワーハラスメントとは

 まず、パワーハラスメントの問題に対処するに際し、大きな壁となるのが、パワハラについての法律上正式な定義がないということです。
 このため、「何をもってパワハラというのか」その輪郭が不明確であり、正直よく分からない状況です。

 

 そして、パワハラ問題に気を遣えば遣うほど、上司は部下からの「パワハラ」という攻撃に過剰反応してしまい、適切な注意指導ができず組織が崩壊しているというところもあるようです。 
 
 ところで、広辞苑でパワーハラスメントを調べたところ、「職場で上司がその地位や権威を利用して部下に行ういじめや嫌がらせ」と記載されていました。

 

 これはこれで、一つの参考になるかと思うのですが、ただ、「上司から部下」という一方通行だけでハラスメントの問題を捉えるべきではないのが昨今状況です。

 

 例えば、2年前の平成21年5月頃に、部下による誹謗中傷で上司が自殺した件につき、労災が認められたという報道が行われていました。
 したがって、必ずしも上司から部下への嫌がらせだけが問題になるわけではないことにご留意頂ければと思います。 
 
 

第2 パワハラに関する裁判例について

 パワハラについては、色々な分類方法があるのですが、とりあえず5パターンに分類した上で代表的な裁判例を以下掲載しました。

 

 ちなみに、(5)のみ、「問題となった上司の言動」として具体的な発言などを記載していますので、普段の業務において、このような言動等が無いか今一度ご確認頂ければと思います。

 

 なお、このレジュメに記載した裁判例を見ると、正直な感想として、「そりゃ言い過ぎだな…」と思うのではないでしょうか。

 たしかに、その感覚は間違ってはいないのですが、暗数とでも言いましょうか、判決に至らず、和解で終了しているパワハラ裁判も相当数あるはずです。

 

 そして、和解内容は公刊物等に公表されないことからすれば、もっと日常的な言動でパワハラだと言われ、裁判が行われている可能性は十分にあるかと思います。


 
(1)いじめ


裁判例


会社としての責務

東京高判H15.3.25

(イジメによる自殺について会社の責任を認めた事例)

 

・上司(直属の上司)はイジメを制止し、加害者らにも謝罪させるなど精神的負荷を和らげる等の適切な処置を執る必要がある(※しかし上司も一緒になっていじめに加担していた)
 
・(直属の上司のさらに上司に当たる者についても、被害者から申告があった以上)イジメの事実の有無を積極的に調査し、速やかに善後策(防止策、加害者等関係者に対する適切な処置、被害者と加害者を隔離するための配転等)を講じるべきであったのに講じなかった。

 

 

(2)報復的な降格


裁判例


会社としての責務等

東京地判H7.12.4


銀行が、社員を総務課受付へ配置転換した措置は、勤続33年に及び課長まで経験した者に相応しい職務であるとは到底いえず、元管理職をこのような職務に就かせ、働きがいを失わせるとともに、行内外の人々の衆目にさらし、違和感を抱かせ、やがて退職に追いやる意図をもってなされたものであり、銀行に許された裁量権を逸脱する違法なものであって不法行為を構成するというべきである。

神戸地判H16.8.31


 

・従業員を適切に就労させ、不当な処遇をしてその人格の尊厳を傷つけないよう配慮すべき義務を負っている。
 
・退職勧奨の一環として、職務内容の変更及び賃金減額を伴う配置転換の実施や、社内のネットワークから廃除するなど、退職に追い込むべく不安を煽り、屈辱感を与えるなどの精神的圧力を掛けることは違法である。



 
(3)仕事を与えない


裁判例


会社としての責務等

神戸地判H6.11.4


即席飲料の製造販売等を業とする会社の講買部包装資材課タイピストであった女性社員が、出張所への配転命令を拒否したところ、約1年間にわたって仕事を取り上げられ、種々の嫌がらせをされた事案につき、右行為は、同人に対する加害の意図をもってなされ、合理的な裁量の範囲を逸脱する不法行為を構成するものであるとされた事例。

※約一年にわたり、当該従業員に仕事をさせず、同僚に仕事の話かけをさせなかったこと、当該従業員に対し、「会社のノートを使うな」、「トイレ以外はうろうろするな」等繰り返し嫌みをいい、電話の取り次ぎにも口をはさみ、最後には電話を取り外してしまうなどしたこと


 
(4)退職勧奨


裁判例


会社としての責務等

最判S55.7.10


地方公務員たる市立高校教員に対する退職勧奨が、短期間内に多数回、長時間にわたり執擁に行われ、かつ同人が退職しないかぎり所属組合の宿直廃止、欠員補充要求にも応じないとの態度を示すなどした点で、違法とされ、損害賠償請求が認められた事例

※約4ヵ月の間に1213回、1回当たり2060分、14名で繰り返しの退職勧奨。「あなたが辞めたら23人は雇えます」と発言

 

 

(5)逸脱した業務上の指導・叱責


裁判例


問題となった上司の言動

東京地判H19.10.15

(部下に対する暴言と精神障害発症、自殺との業務起因性を認めた事例)

 

・存在が目障りだ。居るだけでみんなが迷惑している。おまえのカミさんも気がしれん、お願いだから消えてくれ。
 
・車のガソリン代がもったいない。
 
・何処へ飛ばされようと俺は仕事をしない奴だと言いふらしたる。
 
・お前は会社を食い物にしている、給料泥棒。
 
・お前は対人恐怖症やろ
 
・誰かがやってくれるだろうと思っているから、何も耐えていないし、顔色一つ代わっていない。
 
・病院のまわり方が分からないのか。勘弁してよ。そんなことまで言わなきゃならないの(※注:労働者の職業はMR)
 
・肩にフケがベターとついている。お前病気と違うか。


名古屋地判H19.10.31

(長時間労働に加えて上司の言動が問題とされて、自殺との業務起因性が認められた事例)

 

・「主任失格」「お前なんか、いてもいなくても同じだ」(※感情的な叱責)
 
・「目障りだから、そんなちゃらちゃらした物(=結婚指輪)はつけるな。指輪は外せ」(※結婚指輪を身につけることが仕事に対する集中力低下の原因となると上司は考えていた)
 


大阪地判H19.11.12

(長時間労働に加えて、本来相談に乗るべき上司が突き放すような態度を取り続けたことから、自殺との業務起因性が認められた事例)

 

・俺が仲人をしたのに…頭が良いのだができが悪い。
 
・何をやらしてもアカン。
 
・配偶者(妻)から内緒で、「主人の相談に乗って欲しい」と電話があったことを皆の前で暴露。

 

 
 ところで、非常に個人的な感覚であることを予めお断りしておきますが、パワハラとして、法律上責任を負いやすい言動といえば、大まかには次のような3パターンがあるように考えています。
 ① 自己の価値観で一方的に相手を否定する。
 ② 相手を受け入れずにだめ出しする。
 ③ 仕事上の注意に止まらず、相手の性格やくせなどの人格をも問題にする。
 
 また、これまた個人的な感覚となってしまいますが、日頃の相談事例から検討するに、紛争になりやすい言動としては次のようなものがあるかと思います。
 ① 相手の立場や環境を全く考慮せずに叱る。
 ② ミスは絶対に許さないという対応。
 ③ 場合によっては相手がダメになっても仕方がないと突き放す厳しい指導。
 
 

 第3 パワハラと労災手続きについて

 一口に「パワハラと労災手続き」と言っても、パワハラによって自殺した場合の労災申請手続きもあれば、パワハラによりうつ等の精神疾患となった場合など、様々な事例が存在します。
 
 とりあえず、代表的な通達だけ記載しておきます。
「上司の『いじめ』による精神障害等の業務上外の認定について」(平成20年2月6日付け基労補発第0206001号)
 
 なお、いわゆるパワハラによるメンタルヘルス不調については、本WEBであれば、「メンタルヘルス対策とパワハラの講演録」で解説を試みていますので、ご参照ください。 
 
 
※平成24年3月16日追記
平成24年3月15日に厚生労働省が発表した「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言取りまとめ」と題する資料を公表しています。
こちらもご参照下さい。

 


※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

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