顧問 弁護士 大阪|中小企業に法の恩恵を大阪の弁護士による企業のための法律相談

法律相談の予約(夜間土日祝日対応)06-4708-7988
  • HOME
  • 事務所紹介
  • 解決事例・実績
  • 顧問弁護士のメリット
  • お客様の声
  • 相談の流れ
  • 弁護士費用
  • アクセス

無料相談はこちら

平成22年4月1日施行の改正労働基準法に対する当面の中小企業の対応

質問

 平成22年4月1日施行の改正労働基準法ですが、中小企業にはどの様な影響があるのでしょうか? 
 中小企業は適用が猶予されていると聞いたことがあるのですが、今回の改正は中小企業にとっては無縁と考えて良いのか教えて下さい。
 
 

回答

 結論から申し上げますと、全く無縁という訳ではありません。
 但し、厚生労働省が定める中小企業については、負担増となる制度は猶予されているのは事実ですので、当面の間は限定的な影響しか出ないと思われます。
 
 以下、説明していきます。
 
 
1.何が変わったのか?
 平成22年4月1日より施行された改正労働基準法ですが、改正の目玉は

 

・時間外労働60時間超の場合の割増率が5割以上とされたこと 
 
・今回の改正で引き上がられた部分(=2割5分(5割-2割5分))について代替休暇制度
が免除される制度が設けられたこと。 

・時間単位の年休制度を設けることができるようになったこと。

 

と言われています。
 
 ただ、企業(使用者)にとっては負担・コスト増に繋がる制度であり、この不景気の中、中小企業にとってはかなり厳しい改正内容と言わざるを得ません。
 このため、一定の範囲に属する中小企業は適用が3年間猶予されています。
 
 

 

2.適用猶予となる中小企業とは?
 厚生労働省が定める適用猶予となる「中小企業」の定義は次の通りです。
 


業種


資本金or出資金の額


常時使用する従業員数


小売業


5000万円以下


50人以下


サービス業


5000万円以下


100人以下


卸売業


1億円以下


100人以下


その他


3億円以下


300人以下

 
 ポイントとしては、①資本金・出資の総額を充たすか②常時使用する労働者数を充たすかを検討し、①または②のいずれかを充たさない場合には「適用猶予となる中小企業」となります。
 
 なお、業種については、日本標準産業分類をそのまま用いているのではなく、当該分類をベースにしつつ厚生労働省が更に独自の分類を行っているので注意が必要です(典型例は飲食店が「サービス業」ではなく「小売業」に区分されています)。
 
 また、個人事業主には資本金や出資という概念が出てこないため、②の「常時使用する労働者数」のみで判断することとなります(ちなみに「常時使用する労働者」については色々と解釈があるようですが、正社員だけではなく、パート・アルバイト従業員を原則含むと考えておいた方が無難です)。
 

 

3.適用猶予となっても留意すべき事項は?
 前述の適用猶予となる中小企業に該当する場合、「5割以上の割増率」、これに対応するための「代替休暇制度の創設」については、とりあえず置いておくことができます。
 
 しかし、「時間単位の年休制度」はオプションとして設けて良いとされた制度ですので、適用猶予の問題は生じません(つまり制度を導入したいのであれば導入しても良いと言うことです)。
 
 また、36協定を届出る際に必ず問題となる「限度基準告示」(労基法36条2項に基づく厚生労働大臣が定める延長の上限基準のことです)については、適用猶予とされていません。
 
 従って、時間単位の年休制度の導入の是非と36協定の届出の際の限度基準告示については、中小企業であっても改正内容を踏まえる必要があります。

(1)時間単位の年休制度
 前述の通り、当該制度を設けるか否かは使用者の裁量です。
 
 もっともライフワークバランスが重視されつつあること、長時間労働に伴う労働災害リスクを減少させること、残業代抑制の観点などから、使用者にとっても前向きに検討しても良い制度ではないかと思います。時間単位の年休制度を導入する際の ポイントは、次の通りです。 

 

 ・時間単位の年次有給休暇を付与される労働者の範囲を定めること。 
 
 ・付与可能な年次有給休暇日数は最大で5日であること。 
 
 ・必要事項を定めた労使協定を締結すること。
 

(2)限度基準告示への対応
 36協定を締結することで、労働基準法が定める1日8時間、週40時間を超えて労働させても良いということになります。

 
 しかし、際限なく長時間労働をさせる訳にはいきないため、厚労省が上限時間を定めています。
 この点、「1ヶ月については上限45時間、1年間では上限360時間」と定められています。
そして、これを越えた場合、労基署としては指導という名の下で36協定の受理を渋ってきます。
 
 もっとも、職場によっては上限内では仕事が終わらない場合もあり得ますので、一律に上限時間を超えたからダメとする訳にはいかない実情もあります。
 そこで、36協定に「特別条項」と呼ばれるものを定めておけば、一定の制約はあるもの、上限時間を超えた36協定を定めることができ、労基署も最終的には受理してくれます。
 
 さて、ここまでは実は改正前と変更がありません。

 今回の改正の目玉は、この45時間、360時間を超えた場合、つまり特別条項を設けるのであれば「2割5分以上」の割増賃金を支払うよう「努力義務」が課せられたこと、特別条項に割増率を別途記載する必要が生じたことがポイントになります。

 どういうことか?と言いますと、
<改正前> 
・1日8時間、1週40時間を超えれば2割5分以上の割増賃金を支払う。
という取扱いであったため、特別条項に別途割増率を記載する必要はありませんでした。しかし、
 
<改正後> 
・1日8時間、1週40時間を超えれば2割5分以上の割増賃金を支払う。 

・1ヶ月単位で45時間の残業が発生している場合には2割5分以上の割増賃金を支払うよう努める。 
 
・(さらに適用猶予とならない企業は)1ヶ月単位で60時間を超える場合には5割以上の割増賃金を支払う。
と2段階(適用猶予とならない場合は3段階)で、段階ごとで割増率を検討する必要が出てきたという点が大きなポイントなのです。

 なお、「努力義務」である以上、適用猶予となる中小企業にとっては45時間を超える労働分の割増率を2割5分と定めることは何ら問題はありません。
 
 しかし、36協定を締結する際の労使交渉で議論になる可能性は高いことから、どの様に対処するかは検討の余地有りとなりそうです(割増率で交渉が決裂し、36協定を労基署に提出できなという事態は回避したいところです。なぜならば36協定を労基署が受理していないとなると、形式上は労基法36条違反となり、刑事罰が下される可能性が生じるからです)。
 

 

4.まとめ
 以上の通り、中小企業にとっても検討すべき事項はあります。

 

 また、適用が猶予なっているだけであって、おそらくは平成24年からは割増賃金率の増加は避けられない事態となってくると予想されます。

 従って、時短を図るためにどうすればよいか、また残業管理がおろそかになっていないか、残業代の支払いが適切になされているか(残業代リスクを回避できるような賃金制度が構築されているか)等々を、今から徐々に検討しておいた方が良いと思います。

 


 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

労働問題の他の記事はこちら

◆賃金・給料 ◆解雇 ◆ハラスメント(セクハラ・パワハラなど)
◆従業員への調査            ◆現場の労働トラブル       ◆労働法の改正情報
◆団体交渉・労働組合対策    

 

法律相談のご予約はこちら まずはお気軽にご相談ください 06-4708-7988

メルマガ登録

当事務所では、中小企業経営者向けのお役立ち情報を、無料メルマガとして配信しております。

下記よりご登録をお願い致します。

お気に入りに追加する
弁護士紹介
弁護士費用
セミナー・講演実績

Contentsmenu

リーガルブレスD法律事務所
メールでのお問合せ
Access map

0_banar.jpg

IT法務
労務問題
フランチャイズの法律トラブル
債権回収