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事業承継対策と生前贈与

1.生前中に対策を講じる重要性

 前回、事業承継対策として遺言書の作成に関し解説を試みました。そして、遺言書を作成するメリットは、オーナー社長の名義である財産(株式や事業用不動産など)について、相続開始後にスムーズに移転ができることに触れました。
  このメリットは非常に重要なことです。しかし、遺言書が効力を発生するのは、あくまでもオーナー社長が死亡したときからです。スムーズな事業承継を考えるのであれば、できる限り前倒しで対策を講じること、つまりオーナー社長が生前中に対応することも必要です。
  そこで、生前対策として検討するのが「贈与」と「売買」となります。

 

2.生前贈与と遺留分について

 後継者に対して、オーナー社長名義になっている株式や事業用不動産など無償で引渡し、名義変更を行うことが典型的な「贈与」となります。
  念のため触れておきますが、法律上は、贈与する金額について上限も無ければ下限もありません。あえて誤解を恐れずに言うのであれば青天井です。しかし、皆様もご存じの通り、贈与“税”の問題がありますので、実際には贈与税による負担額を考慮しながら、贈与の上限額を決めていくことになります。
  ところで、贈与する金額について、法律上は青天井であると上述しました。やや混乱させるような話になってしまうのですが、「贈与」という法形式のみで考えた場合、上記説明は正確と言えます。しかし、事業承継対策に必然的につきまとう相続という領域をカバーしながら生前贈与を検討した場合、どうしても「遺留分」について意識しなければなりません。
  では、そもそも何故「遺留分」を意識する必要があるのでしょうか。
  相続を検討する場合、基本的には死亡時に残っている相続財産を基準に、法定相続分を考慮しながら遺産分割協議を進めることになります。ところで、遺留分の場合、死亡時に残っている相続財産を基準にしません。遺留分算定のための対象となる財産は、次のような形で算出されるのです。

 

【相続時点での財産】+【相続開始1年以内の生前贈与(※)】+【特別受益】
※例外的に1年以上前の生前贈与についても対象となる場合有

 

上記枠内の記載からもお分かりかと思いますが、相続開始時=オーナー社長の死亡時より遡って1年間の間に行われた生前贈与については、遺留分算定のための対象財産となります。また、特別受益については1年間という期間限定がありません(なお、特別受益については、とりあえずお小遣い程度では済まない多額の資金援助とイメージしてください)。
遺留分の対象となる財産が増加するということは、遺留分額が増えることを意味します。この点を勘違いして、相続開始(オーナー社長死亡時)時点での相続財産のみを対象として考慮すればよいとして遺留分算定をしてしまうと、後で遺留分侵害であるとして遺産分割協議が揉めてしまい、経営の空白につながるリスクが生じますので、注意が必要です。

 

3.遺留分侵害の問題を回避するためには?

前回の遺言書作成のときと同様、生前贈与においても遺留分の問題は避けては通れない事項となります。
  では、どうやった対策を講じればよいでしょうか。
  1つ目は、経営承継円滑化法と略されている法律(正式名称は中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律です)を用いて、推定相続人全員で遺留分侵害にならないことを合意するという方法が考えられます。ただ、推定相続人全員の合意を要求している時点でハードルが高いですし、その他さまざまな要件や手続きが課せられているため、経営承継円滑化法による事業承継対策を講じている企業はかなり低調となっているのが実情です。とはいえ、要件を充足できるのであれば、せっかくの法律ですので利用して損は無いかと思います。
  2つ目は、生前贈与ではなく、株式や事業用不動産などを後継者が適正価格で買い取る、つまり売買という手法を講じることです。適正価格の売買である以上、遺留分算定のための1年間にさかのぼって…という問題が生じません。また、特別受益にも該当しません。ただ、これについては後継者の買取資金が必要となりますので、資金の手当てが必要となります。
  3つ目は、あえて遺留分侵害になることを覚悟した上で生前贈与や遺言書を作成し、遺留分侵害の主張があった場合、すべてお金で解決してしまうという方策です。遺留分侵害の主張が行われた場合、例えば事業用不動産であれば、遺留分に相当する共有持分権を取得することになります。しかし、当該共有持分権に相当する金銭を支払うことで、強制的に買取を行なうことができるという例外規定が民法には設けられています。
  そこで、例えば、生命保険などを活用して、オーナー企業が死亡した場合に後継者に対して生命保険金が支払われるようにしておき、その生命保険金をもって買取り資金に充てるといった方策を講じたりします。ただ、保険料負担に耐えられるだけのキャッシュを会社またはオーナー社長が有していることが前提になるという問題もあります。

 

 

4.まとめ
 
  贈与税の非課税対象内であるから遺留分侵害の問題は生じないと勘違いしているオーナー社長もおられるようですが、遺留分侵害の問題を検討するに際しては明確に切り分けて検討する必要があります。
  したがって、遺留分侵害にならないよう計算しつくされた財産移転方法の実行、万一遺留分侵害の問題が生じる可能性があるのであれば、金銭解決を図るだけのキャッシュの準備という2つの視点を持ちながら対策を練ることになります。
 

(平成29年4月12日更新)

 

 

 

 

 

 

※上記記載事項は当職の個人的見解をまとめたものです。解釈の変更や裁判所の判断などにより適宜見解を変更する場合がありますのでご注意下さい。
 

 

 

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