<会社への予防注射 Vol.11> 労務管理の見直し①

<会社への予防注射 Vol.11> 労務管理の見直し①


 


 突然、○○ユニオンというところから、団体交渉の申し入れがありました。全く初めての経験ですので、まずは初期対応について教えて下さい。


 

 

ポイント

 突然、まったく知らない労働組合から団体交渉を申し込まれた場合、対応にあたふたしてしまうかもしれません。
 が、まずは団交通知書を受け取るだけ受け取って(受取り拒絶自体は回避した方が無難です)、それ以外の事項については「社内で協議の上、追って回答する」という対応を取り、余計な言質を取られないようにするのがポイントです。
 
 

解説

社長(以下「社」) : あ~頭が痛い!!
 
弁護士(以下「弁」) :どうしたんですか?
 
社 :いや、従業員の○○君が、私に反抗的態度を取ってきたから、感情的になって「辞めてまえ」と怒鳴ってしまったんだ。そうしたら、突然、労働組合が押しかけてきて、団体交渉だと騒いでね…。
どうすればいいものやら。
 
弁 :なるほど…。整理する意味で問題を分けて考えましょう。大きくは2つ、まず1つめは解雇に関する問題、2つ目は労働組合への対策問題と分けましょうか。
 
社 :なるほど。
 
弁 :1つ目の問題ですが、そもそも論として、社長は本気で「○○君に辞めて欲しい」と思っていたのですか。
 
社 :いや、そんなことないよ。叱咤激励のつもりだったんだけどなぁ…。ただ、こんな労働組合なんて加入したからには、顔も見たくもないよ。
 
弁 :なんだか、ボタンの掛け違いがありそうですね。ちなみに、その反抗的態度とは具体的にはどんな内容ですか。
 
社 :○○君は仕事熱心なんだが、あまりに作業効率が悪くて、いつも長時間作業になってしまっているんだ。だから、もう少し何とかならないかと苦言をいったところ、逆ギレされてしまってねぇ…。
 
弁 :お気持ちは分かります。そのお気持ちは十二分に理解したいのですが、法律という観点からすると、作業効率が悪い=業務に支障が出ている等の理由で正当に解雇することは難しいというのが率直な印象です。
 
社 :やっぱりか。何となく法律上は難しいとは思っていたんだけど。
 
弁 :次に労働組合への対応ですが、何か約束等はしましたか。
 
社 :いや、迂闊なことは言ってはいけないと思って、とりあえず書面を受け取るだけに止めたよ。
 
弁 :素晴らしい対応です。残念ながら団体交渉を拒否することは難しいと思います。今後の方針として、団体交渉を想定して、日時、場所、議題、参加人数や参加者等の手続き面について事前打ち合わせを行い合意を取り付けた上で、なるべく混乱が少ない形に持っていくのがベターではないかと思います。
 
社 :社外組合なのに団交しなきゃだめかなぁ…。
 
弁 :そうですね…。団交を拒絶すれば、不当労働行為として余計な紛争が増えて、ますます混乱してしまいますので、受け入れた方がベターです。なお、交渉を行うだけであって、応諾する義務はどこにもありません。したがって、是々非々の態度で問題ありません。
 
社 :仕方ないなぁ…。
 
弁 :今後の方針ですが、復職を認めるか否かによって方針が変わってしまいますが、この点はいかがお考えですか。
 
社 :納得はいかないけど、あまり揉めても仕方がないしなぁ、場合によっては受け入れるかも。
 
弁 :分かりました。そうしましたら、その点の条件の詰めの作業と、団体交渉の開催に向けた手続き面の調整とを同時並行させましょうかね。
私の方で、労働組合側に検討時間が取れるように連絡を入れますので、方針をまとめていきましょう。

 


 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。