カルテルについて②

カルテルについて②

質問

大手に対抗するべく、中小企業同士で協力して商品の共同販売を行うことを検討しています。何か問題はあるでしょうか。

 

回答

市場における競争に大きな影響を与えない限り、原則独占禁止法上の問題が生じることは有りません。ただ、念のため、不当な取引制限(独占禁止法2条6項)の該当性については検討したほうが良いでしょう。

 

 

解説

 前回も掲載しましたが、不当な取引制限の定義は独占禁止法2条6項に定められています。

 

◆この法律において「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

 


 共同して販売することから、価格カルテル等の該当性が気になるかもしれません。
 しかしながら、例えば、中小企業がそれぞれの供給する商品に共通ブランドを付けるなどして、販売促進活動に伴うリスクとコストを共同で負担する場合、大手企業に対する有効な競争手段となり、むしろ競争が促進されるという積極的側面があります。
価格カルテル等が禁止されるのは、競争が制限されることによる市場への悪影響にあることからすれば、本事例のような場合には、むしろ逆の作用が生じる可能性が高い以上、禁止する理由はありません。
 結局のところ、個々の事例ごとでの判断にはなってしまいますが、基本的には、①共同販売に参加する事業者の当該市場での合計シェア、②共同行為の内容等を勘案しながらの判断になると考えられます。

 

 この点、参加事業者における市場でのシェア率が低い場合、独占禁止法上の問題は原則生じないと考えられます。
 もっとも、いくら市場のシェア率が低いとはいえ、明らかに商品の価格維持目的での共同販売である場合、様々な要因により、共同販売に参加していない事業者が事実上同調して価格調整を行う可能性も否定はできません。そして、この結果、当該市場において実質的な競争制限が生じてしまったという場合には、価格カルテル等と同じような効果が生じますので、問題ありとされてしまうこともあるかもしれません。

 

 なお、参加する各事業者が中小零細企業であったとしても、市場で一定のシェアを保有しているのであれば、競争が制限されるリスクが生じてきます。
 したがって、企業規模ではなく、市場規模で判断する必要があることには注意が必要です。

 

 


 

<現場担当者が知っておきたいポイント>

◆共同販売に参加する側
 ⇒念のため、郷土運倍することによる市場でのシェア率を想定しつつ、市場における競争の実質的制限が生じないか予想を立てるようにしましょう。
 
◆共同販売商品を仕入れる側
 ⇒共同販売により価格が上昇した等の不利益が生じるようであれば、カルテルを疑いつつ、場合によっては公正取引委員会に申告する等して、商品の不当な値上げに対策を打つようにしましょう。

 
 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。