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下請法の適用範囲(情報成果物作成委託・役務提供委託)

質問

「下請法」が適用される取引とは、どういったものを指すのでしょうか(前回の続き)。

 

 

 

回答

下請法(正式名称は下請代金支払遅延等防止法)が適用されるのは、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託および役務提供委託と呼ばれる4種類の取引に限られます。

 

 

 

解説

 下請法が適用される取引について、前回は「製造委託」と「修理委託」を解説したが、今回は残りの「情報成果物作成委託」と「役務提供委託」を解説します。
 

 

(1)情報成果物作成委託における「情報成果物」ですが、プログラム(exアプリケーションソフト、制御プログラム、ゲームソフト)、影像又は音響により構成されるもの(exアニメーション、テレビ番組)、文字・図形等の結合などにより構成されるもの(exデザイン、設計図、雑誌広告)を指します。この取引類型には次のような3パターンがあります。

 

 ①事業者(=親事業者)が業として行う提供の目的たる情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者(=下請事業者)に委託すること

 ②事業者(=親事業者)が業として請け負う作成の目的たる情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者(=下請事業者)に委託すること

 ③事業者(=親事業者)がその使用する情報成果物の作成を業として行う場合にその情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者(=下請事業者)に委託すること

 

 なお、③については少しわかりにくいのですが、イメージとしては、親事業者が情報成果物の作成を実際に行っているにもかかわらず、当該作成を下請けに出した場合を意味します。例えば、親事業者においてホームページ制作の作成能力があっても、実際に作成業務を実施していないのであれば、上記③には該当しないことになります。
 また、情報成果物にはデザインや設計図が該当しますので、建築業界に関係するから下請法はすべて適用排除になると安易に考えてはならないことに注意が必要です。
 

 

(2)役務提供委託における「役務」とは、他人のために行う労務又は便益を意味しますが、要はサービスと考えればイメージしやすいかと思います。代表例は運送、ビルメンテナンス(警備、清掃)があげられます。この取引類型ですが、他の3つと異なり次の1種類のみです。

 

 ・事業者(=親事業者)が業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること

 

 この役務提供委託については、非常に勘違いしやすいのですが、例えば、貨物利用運送事業者が請け負った貨物運送のうち一部を他の運送事業者に委託する場合は「役務提供委託」に該当します。しかし、メーカーがユーザーへの製品(メーカーの所有物)運送のために運送業者に外注した場合は「役務提供委託」に該当しません。この相違点ですが、「事業者(=親事業者)が他者(=下請事業者以外の第三差)に対して役務を有償で提供するか否か」となります。他社に提供するのであれば役務提供委託に該当、他社に提供しない(自社使用に過ぎない)のであれば役務提供委託に該当しないことになります。

 

 

 

 

 

<現場担当者が知っておきたいポイント>

◆委託者(親事業者)側
 ⇒いわゆるコンテンツ制作やサービス(役務)代行を他社に依頼する場合、下請法が定める情報成果物政策委託・役務提供委託に該当する可能性があるので、無理な取引条件設定を行わないように注意しましょう。
◆受託者(下請事業者)側
 ⇒自社が建設業ではないという理由だけで、下請取引に該当しないと即断するのはやめましょう。なお、下請法の適用のある取引は、原則、親事業者が第三者より依頼を受けて、当該依頼に要の全部または一部を自社に投げてきた場合であることには注意しましょう。

 

 

 

 

 

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