売上金を回収するための回収方法⑤(訴訟~訴状の提出と裁判手続き)

売上金を回収するための回収方法⑤(訴訟~訴状の提出と裁判手続き)


※前回までは、法的手続きを用いた回収方法である「訴訟」のうち、訴状の作成方法について解説を行いました。今回は、訴状の提出方法について解説します。
 

 

(5)訴状作成後の行動

 

 訴状を作成したら、いよいよ裁判所に訴状を提出することになります。どの裁判所で訴状を提出するか=訴訟提起するのかは「管轄」という問題になりますが、これは前々回の解説をご参照ください。


 

 さて、訴状の提出方法ですが、管轄の裁判所に自分で持っていく方法と郵送で訴状を裁判所に送付する方法とがあります。どちらでもよいのですが、遠方の裁判所に提出しなければならない、どうしても時間の都合がつかないなどといった理由がない限りは、裁判所に訴状を提出しにいった方が無難だと思います。

 なぜならば、訴状を受領した裁判所がまず行うことは、訴状の記載に不備がないか審査を行うところ、もし不備があった場合、提出したその場で裁判所の職員の指示を受けながら修正したほうがスムーズに手続きが進むからです。

 なお、万が一の訴状の修正のためにも印鑑は持参したほうがよいでしょう。


 さて、裁判所に訴状を持参にて提出する場合、裁判所という慣れない場所であるためか色々と構えてしまう方もいるようです。が、服格好は私服で問題ありませんし、裁判所の建物出入りは自由ですので、特別な対応は不要です(ただし、東京地方・高等裁判所の場合、入口で手荷物検査をやっていますので、この点は面食らうかもしれません)。そして、大きな裁判所であれば入口付近に守衛さんや案内役の人がいますので、その人に「訴状を出しに来たのですが、どこに行けばいいですか」と尋ねれば、どこに行けばいいのかは教えてくれます(小さな裁判所であれば、入口付近に受付カウンターのある部屋がありますので、そこに入って職員に尋ねれば教えてくれます)。


 訴状の受付係にいくと、カウンター越しに誰かいますので、「訴状を出しに来ました」といえば、誰かが対応してくれるはずです。そして、その担当者に訴状(証拠があるのでれあれば証拠書類)3部と、必要となる印紙及び郵券を渡せば、訴状審査を開始するので待つように言われるはずです(混み合っているときは時間がかかるので、待つかどうか聞かれると思います)。しばらく待っていると呼び出されますので、裁判所の受付印のある訴状1通が返却されますので、これで訴訟審査は終了となります(修正事項がある場合、この呼び出し時に修正内容を指示されます)。


 おそらく訴状審査の段階では、第1回の裁判期日については指示がないはずです(ただ小さな裁判所であれば、訴状審査完了の段階で期日調整を行います)。おそらく訴状審査の担当者より説明があるはずですが、例えば大阪地裁の場合であれば、第1回の裁判期日については、だいたい10日くらいしないと裁判所から連絡がありませんので、第1回裁判期日については少し待つことになります。


 

 裁判所より第1回裁判期日の連絡があった際、一緒に「○号法廷に来てください」と言われるはずです。それをメモして当日は5分くらい前に出廷すればよいかと思います(あまり早く行き過ぎても、法廷が開いていなかったりします)。
 法廷に入ったら、大阪の場合は事務官と呼ばれる出欠対応をする人がいますので、その人に「○時の○○です」といってください。出欠確認後、傍聴席で待っているように言われるはずですので、原告(=訴訟提起を行った者)であれば、なるべく左側に座って待っていればよいでしょう(原告席は左側になるためです)。同じ時間帯に複数の裁判が行われますので、他の裁判を傍聴しながら、自分の名前が呼ばれるのを待ってください。自分の名前が呼ばれたら、いよいよ原告席に移動し、裁判が開始となります。


 原告席に着席後、裁判官より「訴状のとおり陳述しますね」といったことを聞かれるかと思いますので、「はい」と回答してください。もし、提出した訴状の内容について裁判官が疑問を持っている場合、その際に「この点はどういう意味ですか」と尋ねられるはずですので、自分の認識を説明すればよいでしょう。

 次に、被告が出頭している場合、裁判官が被告に対して、訴状記載内容に対する認識を訪ねるはずですので、まずは裁判官と被告とのやり取りを聞いてください。このやり取りが終了したのち、裁判官より何らかの指示があるはずですので、裁判官の指示に従ってやり取りをすればよいかと思います。

 ちなみに、被告席には誰も着席していない場合があります

 可能性としては、①答弁書という書面が提出されているので欠席している場合、②答弁書すら提出せず欠席している場合の2パターンが考えられます。①のパターンの場合、裁判官からは「被告の答弁書に記載してある内容について反論があれば、次回までに準備書面を提出してください。では、次回期日ですが…」と反論書面の作成指示と第2回裁判期日の日程調整が行われます。

 日程調整終了後、1回目の裁判は終了となります(スムーズに進めば3分くらいで終了するはずです)。一方、②のパターンの場合、裁判官より「何か被告より連絡がありましたか」と聞かれることもありますが、「特に連絡はない」と回答すれば、裁判官は「本日で弁論を集結します。判決言い渡しは○月○日○時○分、当法廷で行います。」と宣言しますので、これで裁判は終了となります(いわゆる欠席判決と呼ばれるものであり、通常は原告の請求内容を認めた判決が言い渡されます)。


 

 裁判が続行となった場合は、引き続き裁判所に出廷して手続きを進めることになります。裁判が終結となった場合、あとは判決言い渡し期日しかありませんが、判決言い渡し期日にあえて裁判所に出廷する必要はありません

 というのも、判決言い渡し期日の時間経過後に裁判所に電話すれば結論は教えてくれますし、後日、判決書と呼ばれるものが郵送されてくるからです。

 そして、この判決書において、原告の勝訴判決が記載されていた場合、いよいよ強制執行という手続きを行うことができることになります。
 

 

 

 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。