景品表示法と表示・広告の関係(「エコ」「環境」を意識した広告について)

景品表示法と表示・広告の関係(「エコ」「環境」を意識した広告について)

第1 はじめに(今回は若干時事ネタです)

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴いクローズアップされた「電力不足」に関連し、再び「エコ」「環境」を意識した商品開発に注目が集まっています。
ただ、一時期の「エコブーム」において、安易な環境保全表示による景品表示法違反事例も過去に発生しています。
そこで、今回は、環境保全効果を強調する広告表示と景品表示法について検討したいと思います。
 

 

第2 環境保全表示と景品表示法違反

 過去に発生した環境保全に関する広告と景品表示法違反の事例としては、例えば次のようなものがあげられます(いずれもニュースで配信されているため聞き覚えがあるかと思います)。


 

① 「環境に優しい」をキャッチコピーにした再生コピー用紙について、古紙配合率を実際よりも高く表示していた事例につき、優良誤認として排除命令。
 
② 燃費向上を標榜していた自動車燃料用添加剤の事例について、優良誤認として排除命令。
 
③ 「CO2排出量48%削減」、「エコ冷蔵庫」と広告宣伝していた冷蔵庫の事例について、優良誤認として排除命令。
 

 

第3 環境保全に配慮した商品の広告表示に関する実態報告書(公正取引委員会)

 上記景品表示法違反の事例は、いずれも2~3年ほど前の事例ですが、実は、平成9年に発効した京都議定書に伴う環境意識の高まりに対応する形で、エコ商品が数多く出されました。ただ、いわゆる環境ブームに乗っただけのような粗悪品もあり、消費者の期待を裏切る商品も存在したようです。
 この様な中、当時の景品表示法を所管していた公正取引委員会は、平成13年3月に「環境保全に配慮した商品の広告表示に関する実態報告書」を公表しています。この中にある、環境保全に配慮している商品の広告表示の留意事項について、今でも参考になるかと思いますので、引用します。

 

環境保全に配慮している商品の広告表示の留意事項

① 表示の示す対象範囲が明確であること
 環境保全効果に関する広告表示の内容が、包装等の商品の一部に係るものなのか又は商品全体に係るものなのかについて、一般消費者に誤認されることなく、明確に分かるように表示することが必要である。

② 強調する原材料等の使用割合を明確に表示すること
 環境保全に配慮した原材料・素材を使用していることを強調的に表示する場合には、「再生紙60%使用」等、その使用割合について明示することが必要である。

③ 実証データ等による表示の裏付けの必要性
 商品の成分が環境保全のための何らかの効果を持っていることを強調して広告表示を行う場合には、通常に当該商品を使用することによって、そのような効果があることを示す実証データ等の根拠を用意する必要がある。
 
④ あいまい又は抽象的な表示は単独で行わないこと
 「環境にやさしい」等のあいまい又は抽象的な表示を行う場合には、環境保全の根拠となる事項について説明を併記するべきである。
 
⑤ 環境マーク表示における留意点
 環境保全に配慮した商品であることを示すマーク表示に関して、第三者機関がマーク表示を認定する場合には、認定理由が明確に分かるような表示にすることが求められる。また、事業者においても、マークの位置に隣接して、認定理由が明確に分かるように説明を併記する必要がある。
 

 

第4 環境表示ガイドライン(環境省)

 ところで、環境保全に関する表示について定めた法律は未だ整備されていない状況です(なお、環境保全に関する個別の識別マーク(例えばエコラベル)については、識別マークを管理する機関が定める要件を充足しないことには表示できないことは当然のことであり、法整備とは別問題ですのでご留意ください)。このため現状では景品表示法で対応しています。
 ただ、法律がないから「何を表示してもOK」という訳にはいきません。
 環境省が、「環境表示ガイドライン(※この記事をアップした当時は改訂二版です)」を公表していますので、このガイドラインを参照しながら、消費者の期待を裏切らない広告表示を行う必要があります。

 

 

 

 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。