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勧誘時の説明義務違反に基づく損害賠償請求は、いつまでに行うべきか

質問

 フランチャイズ契約の加盟勧誘時に、他の加盟店の実績資料を見せられた上で、これなら大丈夫だと思い、フランチャイズ・チェーンに加盟しました。

 しかしながら、開店直後から思うように売上が確保できず、よくよく調べてみると、加盟勧誘時の実績資料は虚偽であることが判明しました。
 本部に説明義務違反に基づく損害賠償請求を行いたいのですが、いつまでに行わなければならない等の時間的制限はあるのでしょうか?


 

 

回答

最高裁判所が平成23年4月22日に出した判決内容からすると、実績資料が虚偽であることを知った日から3年以内に損害賠償請求権を行使する必要があると考えられます。

 

1.何故、時間的制限が問題となるのか?

上記のような事例の場合、

① フランチャイズ契約に付随する説明義務違反があったとして、債務不履行に基づく損害賠償請求とする考え方
 
②  説明内容に違法性があるとして、不法行為に基づく損害賠償請求とする考え方 

の2つがありました。
 

 別に、どちらか一方のみで請求しなければならないというものではなく、法的な請求の立て方(請求原因といいます)の違いに過ぎません。

 しかしながら、②の場合、消滅時効の期間が3年と定められているのに対し、①の場合の消滅時効期間は5年(※)とされています。

 したがって、損害賠償請求を行う側からすれば、債務不履行に基づく損害賠償請求と構成した方が、消滅時効の問題を回避できるという点で有利となります。

※加盟勧誘時の関係を商行為として捉え5年としていますが、10年とする考え方もあります。

 

 

2.最高裁平成23年4月22日判決の出現

 上記の通り、従来は、請求する側の意向に応じて、①または②を選択して請求するのが通常でした。

 しかしながら、最高裁平成23年4月22日判決が出現し、①の方法では請求できないのではないかというのが、私個人の考え方です(※)。

 上記最高裁判決は、事案それ自体はフランチャイズに関するものではありません(いわゆる信用組合への出資金返還請求に関する事案です)。
 しかしながら、最高裁は、契約勧誘時における説明義務違反に基づく法的構成について、次のように述べています。

 

※言い訳になってしまいますが、私がこの記事を書いたのが平成23年4月23日です(最高裁判決の次の日です)。この記事は、私の備忘録としての意味合いもあることをご容赦願います。

 
______________________________________________


 契約の一方当事者が,当該契約の締結に先立ち,信義則上の説明義務に違反して,当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には,上記一方当事者は,相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき,不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別,当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。

 なぜなら,上記のように,一方当事者が信義則上の説明義務に違反したために,相手方が本来であれば締結しなかったはずの契約を締結するに至り,損害を被った場合には,後に締結された契約は,上記説明義務の違反によって生じた結果と位置付けられるのであって,上記説明義務をもって上記契約に基づいて生じた義務であるということは,それを契約上の本来的な債務というか付随義務というかにかかわらず,一種の背理であるといわざるを得ないからである。契約締結の準備段階においても,信義則が当事者間の法律関係を規律し,信義則上の義務が発生するからといって,その義務が当然にその後に締結された契約に基づくものであるということにならないことはいうまでもない。

 

 このように解すると,上記のような場合の損害賠償請求権は不法行為により発生したものであるから,これには民法724条前段所定の3年の消滅時効が適用されることになるが,上記の消滅時効の制度趣旨や同条前段の起算点の定めに鑑みると,このことにより被害者の権利救済が不当に妨げられることにはならないものというべきである。 


※最高裁判決の全文はこちらで確認して下さい。


 判決文の独特の言い回しがあるため、法律に通じていない人にとっては分かりにくいかもしれしません。

 要は、「十分な説明がなされていれば、そもそも出資契約しなかったでしょ。説明不十分とはいえ出資契約したのであれば、その出資契約の一内容として、十分な説明を行う義務を認めることは矛盾でしょ。」という理屈です(何となくトートロジーのような気がしますが…)。

 

 いずれにせよ、最高裁判決の考え方を、本件のようなフランチャイズ契約の問題に当てはめた場合、 

 

  ◆ 勧誘時の説明内容に問題があり説明義務違反が認められるとしても、その説明義務はフランチャイズ契約に付随して認められる義務ではない。
従って、不法行為責任の追及を行うべきである。

 

という結論が導き出されるのではないかと思います。

 

 

3.結論

 以上の通り、本件については、説明内容である実績資料が虚偽であることを知ったときから3年以内に、不法行為に基づく損害賠償請求を行う必要があることになると考えられます。

 

 なお、上記最高裁判決について、説明義務違反の問題が講学上の「契約締結上の過失」という問題に位置付けられることから、契約締結上の過失の問題は債務不履行構成ではなく、不法行為構成で行くべきであるという解釈もあり得るかもしれません。

 しかしながら、最高裁判決の事例が、契約勧誘時の説明義務違反の問題について、締結後の契約内容に付随する義務違反として捉えることができないと言っているだけに過ぎない以上、「契約締結上の過失」の問題全てが、不法行為構成にしなければならないと結びつける必要は無いと思います。



 

※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

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