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裁判員制度の実施に際して、会社・使用者側はどの様に対応すべきか?

質問

 裁判員制度が平成21年5月21日から実施されましが、会社としては、どの様に対応したらよいのでしょうか。
 
 

回答

 本回答を記載したのは平成21年6月7日であるため、現実に裁判員制度の対象となる事件が実施されたわけではありません。
 このため、実施されてから気付く事項も多分にあるかと思いますが、まずは次のような事項に留意すればよいと思います。
 
 
1 まずは就業規則の改正、社内規程の整備を!
 意外と知られてないのですが、労働基準法7条では「使用者は、労働者が労働時間中に…公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。」と規定されています。
 
 この点、裁判員としての職務執行は「公の職務」に該当します。
 従って、使用者としては労働者が裁判員に選任された場合は通常とは異なる対応を余儀なくされますので、その点を明確にするべく就業規則の改正、社内規程を整備することが適切となります。
 

 

2 就業規則・社内規程はどの様な内容を規定すればよいか?
(1)一番の関心事は「有給」となるか、という点だと思われます。
 この点、実は法律上は何らの定めがないことから、無給扱いとすることは可能です(但し、労働者が裁判員としての職務執行期間中について、自らの年次有給休暇を用いると申請するのであれば、有給扱いとなります。)。
 
 従って、裁判員としての職務執行に伴う欠勤をどう扱うかは各使用者の考え方次第如何になってしまいますが、対応としては、①別途有給扱いにする対応、②裁判員に支給される日当分を控除した差額分を支給する対応、③無給とする対応が考えられますので、その点を明記することになります。
 
(2)裁判員候補者名簿に記載された旨の通知(調査票が同封されています)を受けた場合、労働者は、使用者に対して報告する義務があることを明記するのが望ましいと思われます。
 なお、守秘義務との関係を心配されるかもしれませんが、最高裁判所及び法務省は企業へ報告することは問題ないとしていますので、心配ないと考えられます。
 
(3)裁判員候補者名簿に記載された旨の通知を受けただけでは、まだ裁判員として職務執行するか否かは分かりません。
 実際には呼出状が送付されてからとなります(呼出状に従い、労働者は休暇を取って裁判所に出向くことになります)。
 
 現実に労働者が労務に従事できなくなる訳ですから、使用者としても具体的な日時等を知り調整する必要が生じます。そこで、労働者が呼出状を受領した場合も、使用者に対して報告するよう義務を課す旨明記することが望ましいと思われます。また、呼出状を受領してから例えば3日以内等の報告期限も設けておいた方が望ましいでしょう。
 
 なお、呼出状には質問票が同封されており、辞退理由があれば記述できるようになっています。使用者が労働者に対して、辞退するよう圧力を掛けることはもちろん許されませんが、労働者が従事する業務上の都合(多忙)により辞退したいので協力して欲しい旨申し出てきた場合、使用者としては証明書等を発行するなどして協力を行う必要が生じると思われます。
 
(4)実際に裁判員としての職務執行のために休暇を取得する場合、適正な休暇取得か否かの判断のために呼出状のコピーを提出することを義務づけるのが望ましいと思われます。
 また、具体的な日数については、対象事件の進行具合にもよりますので、「終了日まで」という規定の仕方しかないと思われますが、後日確認ができるように、①裁判員候補者として出頭したことを証明する証明スタンプが押印された呼出状のコピーを提出すること②裁判員として職務執行を行ったことを証明する証明書のコピーを提出することを義務づける規定を設けるべきでしょう。
 
 
 
 ご参考までに、社内規程例をあげておきます。
 但し、最低限記載した方が良いのではないかと考えた事項を記載しただけに過ぎませんので、事情に応じて修正をお願いします。
(特に、なるべく基本的なポイントを明らかにするため、補充裁判員や区分審理決定に伴う裁判員等については触れていませんのでご注意ください)
 
第1条(目的)
この規程は、当社従業員が裁判員制度に参加しその責務を果たすべく、必要な社内対応を行うことを目的として定めるものである。
 
第2条(裁判員候補者名簿に記載された者の報告等)
 裁判員候補者名簿に記載された従業員は、当該記載に関する通知を受領してから7日以内に○○課に報告しなければならない。
 前項の報告を受けた○○課は、当該従業員と速やかに協議の上、対象期間中において当該従業員が裁判員等としての職務に従事することによる業務上の支障の有無を確認するものとする。
 会社は、当該従業員に対し、業務上の支障がある旨調査票に記載するよう命じてはならない。
 
第3条(呼出状が送付された者の報告等)
 裁判員候補者名簿に記載された従業員が、裁判所より呼出状を受領した場合には、当該呼出状を受領した日から3日以内に○○課に報告しなければならない。
 前項の報告を受けた○○課と当該従業員は直ちに協議を行い、呼出状に記載された期間において、業務上支障となる事情の有無を確認するものとする。
 当該従業員より業務上支障となる事情がある旨の申出があった場合、会社は、必要に応じて、当該事情を裏付けるための文書を発行するものとする。なお、会社は、当該従業員に対し、業務上支障となる事情があることを理由に、選任辞退の申立を行うよう命じてはならない。
 
第4条(休暇の取得手続等)
 呼出状を受領した従業員が、裁判員制度参加のために休暇取得を希望する場合には、裁判員選任手続き期日の○週間前までに所定の休暇申請書に呼出状の写しを添付の上、○○課に提出するものとする。
 従業員は、呼出しが取り消された旨の通知を受領した場合には、直ちにその旨を○○課に報告するものとする。
 前項の場合、本条第1項による休暇申請は撤回されたものとみなすこととする。
 
第5条(休暇の日数等)
 裁判員制度参加のための休暇は、1労働日単位に認めるものとする。
 裁判員制度参加のための休暇は、対象事件の裁判員としての選任手続期日から、次に記載する日までとする。
   ・不選任となった場合…不選任が決定した日まで
   ・選任された場合…裁判員としての職務が終了した日まで
 前項の規定にかかわらず、裁判員として選任されたが裁判所への出頭を要しない日がある場合、当該日については休暇としては扱わず、従業員は当社業務に従事しなければならない。
 
第6条(裁判員休暇期間の延長又は変更等)
 対象事件の審理の都合等により、取得した裁判員制度参加のための休暇期間に変更が生じる場合、従業員は速やかに○○課にその旨を報告するものとする。
 前項の報告を受けた○○課は、直ちに当該従業員と協議の上、業務上の支障の有無を確認するものとする。
 当該従業員において、裁判員制度参加のための休暇期間の延長又は変更を希望する場合、速やかに所定の変更申請書を○○課に提出するものとする。
 
第7条(裁判員選任手続結果に関する報告)
 裁判員選任手続に出頭した従業員は、速やかに裁判員選任の有無について○○課に報告しなければならない。
 前項の場合において、裁判員に選任されなかった場合、従業員は呼出状の所定欄に出頭したことを証明する裁判所の押印を受け、裁判員選任手続終了の翌出勤日にその写しを○○課に提出するものとする。
 前項の場合、当該従業員が行った裁判員制度参加のための休暇申請期間については、当該裁判員選任手続のために出頭した日を除き、その余の部分について撤回されたものとみなすものとする。
 
第8条(裁判員として選任された従業員の終了報告)
 裁判員に選任された従業員は、対象事件につき裁判員としての職務が終了した場合には、速やかにその旨を○○課に報告するものとする。
 裁判員に選任された従業員が、裁判所の決定により裁判の途中で裁判員を解任された場合、直ちにその旨を○○課に報告するものとする。この場合、当該従業員が行った裁判員制度参加のための休暇申請については、解任された日までの期間を除き、撤回されたものとみなすものとする。
 裁判員に選任された従業員は、裁判員としての職務終了後、裁判員等として職務に従事したことの証明書の発行を裁判所に申請し、これを受領した後直ちにその写しを○○課に提出するものとする。
 
第9条(秘密保持)
 従業員は、裁判員制度に参加した従業員に対し、本規程で定める事項を除き、対象事件その他裁判員制度に参加することによって知り得た情報を入手しようとしてはならない。また、何らかの事情により知り得たとしても当該情報を漏洩してはならない。
 裁判員制度に参加する従業員は、裁判員制度参加中であっても、会社の機密にかかる情報を漏洩してはならない。
 
第10条(裁判員制度参加による給与)
第5条2項に規定する休暇期間中、当社は、裁判員制度に参加した従業員において、年次有休休暇を取得した場合に支給されるべき金額から、当該従業員が裁判員制度に参加したことで受領する日当との差額を支給するものとする。




※上記記載事項はあくまでも当職の個人的見解に過ぎず、内容の保証までは致しかねますのでご注意下さい。

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