【事例5】企業取引にまつわる法律問題(企業法務)に関する解決事例・実績

【事例5】企業取引にまつわる法律問題(企業法務)に関する解決事例・実績

【事例5 専属的な場内下請企業に対する突然の契約打ち切りと損失補償】

【お悩み事項】

 東証一部上場の大手企業が有する工場内で、長年にわたり専属下請として部品加工業務を行ってきた。昨今の不況により、大手企業より「工場閉鎖を行うので、○○までに機械類などの撤去搬出の上、出て行って欲しい。」との一方的通告を受けた。

 

 工場閉鎖についてはやむを得ないにしても、長年の間、専属下請企業として業務を行ってきたため、いきなり契約を打ち切られてしまっては非常に困るし、撤去要求を受けている機械類はもともと大手企業が指定してきた機械を当社にて購入したものであって、他社転用が不可能なものである。

 

 今後どの様に対処していけばよいのか、非常に悩んでいる。

 

 

 

【こうやって解決しました!】

 様々な問題が交錯するのですが、


 

① 取引している大手企業に対してどの様な対応を行うのか
 
② 今後の会社運営をどうするのか(新規取引を見つけることが可能か)
 
③ 従業員の処遇をどうするのかの3点に分けて、検討を行いました。
 

 

 ①については、継続的契約の一方的な解消は法的に許されないことを基本的な主張としつつ、これまでの取引経過や契約解消までに経緯からして、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当する可能性があること、場合によっては公正取引委員かへの違反申告も辞さないことを主張しました。

 大手企業側も弁護士を立ててきましたので、弁護士同士で交渉を行ったところ、大手企業側としても問題があることはある程度理解しているようでした。そこで、円満快活を図るべく、一定額の損失補償を支払うこと機械類の撤去までは求めないこと(必要な機械類は持出可)、明け渡しの猶予期限までは発注を続けることを柱とした示談解決を行いました。

 ②については、中小企業診断士とも相談しながら検討を行いましたが、技術力はアピールできるとしても、特殊な加工・切削技術であり、そう簡単に取引先が発掘できるとは思えない環境下であるという分析結果でしたので、当面は休業状態にせざるを得ないという結論に至りました。このため、損失補償額の算定に当たり、経営者の当面の生活保障を確保できるだけの金額を算出しました。

 ③についても、雇用を維持することは困難である以上、解雇はやむを得ないという結論になりました。しかしながら、やはり従業員の当面の生活保障は行いたいという社長の意向が強かったことから、相手方の大手企業に対し、従業員分の当面の生活保障額を支給するよう要請し、交渉の結果、支払ってもらえたので、当該金額を支給し退職してもらいました。

※上記はあくまでも一例です。案件ごとにより手順や結果が変わることもありますので、この点はご容赦願います。